タラの芽は、代表的な日本の山菜です。フレッシュな香りとほろ苦さがたまりませんよね。旬の時期の天ぷらやおひたしを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
今回は、タラの芽の栄養効果と選び方や美味しい食べ方のポイントについて食材大辞典としてまとめました。
タラの芽の栄養と期待できる健康効果は?
タラの芽は、ウコギ科の落葉樹であるタラノキの新芽のことです。独特の風味とほろ苦さ、もっちりした食感が春を伝える食材として人気で、山菜の王様ともいわれています。
全国の山野に自生し、以前は旬の時期だけ味わえる貴重に食材でしたが、現在では栽培が進み長期間スーパーなどでも販売されるようになっています。
- 血糖値の急上昇や糖尿病を予防
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- 苦み成分であるエラトサイドに糖やアルコールの吸収を抑える働きがあり、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐ
- サポニンの血糖値抑制作用により糖尿病の予防・改善に役立つ
- 元気を回復するビタミンB群
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- 細胞や赤血球をつくることに関わる葉酸を多く含む
- 疲労回復ビタミンであるビタミンB1、ビタミンB2などのほか、エネルギー代謝に関わり神経症状も防ぐナイアシンも比較的多い
- 生活習慣病を予防するビタミン類
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- 強い抗酸化作用を持つビタミンEが豊富
- 体内でビタミンAに変わるβカロテンやビタミンCも含み、老化や生活習慣病を予防に役立つ
- その他、骨の形成を助け止血効果を持つビタミンKなども含む
- ミネラル類や食物繊維
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- 体内の余分な塩分を排泄し高血圧の予防・改善に有効なカリウムが豊富
- 鉄、リン、銅、マンガンなど多様なミネラルを含む
- 整腸作用のある不溶性の食物繊維も豊富
タラの芽の選び方と保存方法は?
タラの芽の選び方と保存方法のポイントは以下の通りです。
- タラの芽の選び方のポイント
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- 芽のつぼみ状のところが開いて3~5cmほど伸びた状態の物が、アクが少なく食べやすい
- 風味や苦みをしっかり味わいたいなら葉が開きかけてきたものがよく、栽培物ではなく風味が強く野趣にあふれた天然物ががおすすめ
- タラの芽の保存方法のポイント
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- 香りが大切な食材なので新鮮なうちに食べ切るのが基本
- 保存が必要なときは、乾燥しないように新聞紙などに包み穴をあけたポリ袋などに入れて野菜庫に入れ、2~3日で食べ切る
- 長期保存するなら、アクを抜きし小分けして一気に冷凍し、ラップなどで包み保存袋に入れて冷凍保存する
- 冷凍よりも塩漬けにしたほうがより長く保存できる
タラの芽のおすすめの食べ方は?
天ぷらにするのが一般的ですが、アクを抜けばいろいろな料理に使う事もできます。
下処理をするときは、まず付け根のハカマを取り硬い皮をむき、アク抜きは、水に対し2%の塩を加え沸騰させ、タラの芽を入れ2~3分茹でてすぐに冷水に落とし、そのまましばらく水にさらしましょう。
小さくやわらかいものであれば、さっと熱湯にくぐらせれば大丈夫です。以下の料理で使うと美味しく食べられますよ。
- 天ぷらや唐揚げ
- 油で揚げるとアクは旨みとなり栄養成分も流失しない
- お浸しやあえ物
- アク抜きしたら鰹節をかけポン酢で食べたり、胡麻味噌和えなどの和え物やお浸しに
- その他
- 塩茹でしてからニンニクを効かせたバターやオリーブ油をさっとからめて付け合わせにしたり、パスタの具や炒め物にして季節を楽しむのもよい
おわりに:血糖値の抑制や老化、生活習慣病の予防効果が。新鮮な季節の風味を活かしましょう
タラの芽には、血糖値の急上昇や高血圧、糖尿病を予防するほか、疲労回復、老化やその他の生活習慣病予防、整腸作用などがあります。好みに合う程度の風味や苦みのものを選び、天ぷらのほか、アク抜きをしていろいろな料理で季節の味を楽しみましょう。
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