PC画面(ディスプレイ)には、放っておくといつのまにかホコリが溜まってしまいます。インターネット回線を使ったオンライン通話やテレビ電話なども発達した結果、PCの画面にはさまざまな汚れがつくようになってきました。今回は、そんなPC画面(ディスプレイ)を掃除する方法について、汚れの状態と掃除のやり方、注意点などを見ていきましょう。
PCの画面の汚れの種類の特徴
パソコンの画面についている主な汚れは、ホコリ・手の油分・お菓子などの食べカスや油分・くしゃみをしたときの唾液などです。どれも気づかないうちについてしまう汚れですが、いずれも簡単に取れます。しかし、それに加えて雑菌やウイルスなどもキーボードや画面(ディスプレイ)に付着し、繁殖することはあまり知られていません。
細菌にとってPCのキーボードや画面は、非常に快適な繁殖場所であるということが研究によって明らかになっています。また、ウイルスはガラスの表面で約4〜9日間も生き続け、感染力を持ち続けることがわかっています。実際に、プラスチックやガラスが使われているスマートフォンの表面から非常に危険な病原菌がいくつも発見されているのです。
病原菌がついたディスプレイを指で触ってしまうと、そこから顔やデスク、小物類など、さまざまな場所に広がっていく可能性があります。外出後、手や指をしっかり消毒しても、ウイルスや雑菌がついたスマートフォンやPCの画面を触ってしまうと手に雑菌やウイルスが付着してしまいます。このような事態を防ぐためにも、定期的な清掃が必要なのです。
PC画面の掃除に必要な道具と掃除のポイント
では、実際にPC画面を掃除する方法を見ていきましょう。PCは精密機器ですから、画面の掃除は乾いた布で乾拭きするのが基本です。特に、油を含む汚れはティッシュなどで拭いても跡が残ってしまうため、キレイになりません。「柔らかくて線維がほつれにくい布」を使うのがポイントです。例えば、以下のような布を使いましょう。
- メガネ拭き
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- メガネを拭くためのクロスは、デリケートなガラスを傷つけないため最もおすすめ
- 顔の油分がついたメガネの汚れもキレイに仕上げられるスグレモノ
- マイクロファイバークロス
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- 極細の合成繊維でできたクロスで、線維ほつれがほとんどない
- 窓拭きなどにもよく使われるクロス
- 汚れを絡め取る力が強いため、軽く擦るだけでホコリも指紋もスッキリ取れる
- 新品の雑巾
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- 新品であれば線維ほつれが少なく、画面の掃除にも使える
- ホコリ汚れが目立つときは乾拭きで、指紋の汚れが目立つときは軽く湿らせて固く絞ってから使う
また、液晶モニタ用の専用クロスを使う方法もあります。さらに、大きなホコリなどがついている場合は最初に掃いて落とすため、液晶モニタや電子機器専用の柔らかいブラシを用意しておくと良いでしょう。軽く表面をなでるだけで、ブラシが静電気の力でホコリを吸い取ってくれ、液晶モニタを傷つける心配もありません。
布やブラシを用意したら、後はまんべんなく拭くだけです。大きなホコリや砂などがついている場合はまずブラシで掃いて落とし、その後にクロスで汚れを拭き取りましょう。その際、ゴシゴシと力を入れて拭くのではなく、軽く何度も拭うようにするとよく落ちますし、PC画面に負担もかかりにくいです。
掃除するときは、以下の2つのポイントをおさえましょう。
- 電源を切る
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- 電源がついていると汚れが見えにくく、拭き残しが出ることもある
- 一度でしっかり拭き取るため、あらかじめ電源は切っておく
- 液晶モニタに照明が映り込むようにすると、より汚れが見えやすくなる
- 電源を切っておくと、掃除中に舞ったホコリが静電気で再びくっつくのを防げる
- タッチパネル式のディスプレイの場合、誤作動の防止にもなる
- やさしく擦る
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- 掃除の際は、力を込めずに拭くことが最も重要
- 取れにくい汚れがある場合は、強く擦るのではなく、軽い力で何度か拭いて落とす
また、掃除の際には以下の5つのポイントに気をつけましょう。
- コーティングを傷つけないように
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- 画面の掃除に洗剤を使うと跡が残りやすく、コーティングを傷つけることも
- PCのモデルによってはアルコールでコーティングが傷むことも
- ウェットティッシュなどを使いたいときは、コーティングを傷つけないか確認してから行う
- 水滴の跡はくもらせて拭く
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- 水滴の跡は、液晶モニタがくもる程度に息を吐いてから拭くとキレイにできる
- ややガンコな汚れには水拭き
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- モニタは基本的に乾拭きだが、どうしても汚れが落ちないときには固く絞ったクロスで拭いても良い
- 水拭きで汚れを拭き取ったら、すぐに乾拭きで水分を拭き取る
- 水気をすぐにとらないと水滴の跡などが残ってかえって汚れが目立ってしまったり、常に水拭きをしていると液晶モニタに塩素などが浮き出てしまったりすることも
- もう少しガンコな汚れにはぬるま湯を
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- 水拭きでも落ちない汚れの場合にのみ、固く絞ってから行う
- 温度が高すぎてもモニタ画面を傷つけてしまうことがあるため、あくまでもぬるま湯程度に
- 最後の手段は中性洗剤
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- どうしても落ちないガンコな汚れには、薄めた中性洗剤を汚れの箇所だけに使う
- 汚れを拭いたら、洗剤が乾かないうちに乾いたクロスで洗剤を拭き取る
PC画面の汚れは、基本的に乾拭きが鉄則です。精密機器ですから水分に弱いのはもちろん、洗剤やアルコールは画面のコーティングを傷つけてしまうこともあるからです。乾拭きではどうしても落ちないガンコな汚れにだけ、水拭きや洗剤を使いましょう。
PC画面の掃除で使ってはいけないもの
PC画面の掃除で使ってはいけないのは、以下の4つです。
- ティッシュペーパー
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- 一見柔らかい紙のように見えるが、繊細な液晶モニタにとっては荒すぎる
- 表面を傷つけてしまったり、線維がモニタ画面についてかえって汚れてしまったりする
- ちょっとした汚れの場合はつい使いたくなるが、代わりに専用のブラシやクロスを近くに置いておき、ティッシュペーパーは使わないように
- ウェットティッシュ
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- アルコールが含まれていることも多く、液晶画面を傷めたり溶かしたりしてしまうことも
- 故障の原因になったり、PCの寿命を縮めたりしてしまう
- アルコール成分がなくても、ウェットティッシュで拭くと拭き跡が残って汚れが目立つ
- 洗剤
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- 有機溶剤や中性洗剤も、PC画面の寿命を激しく縮めるため使ってはいけない
- どうしてもガンコな汚れが落ちないときにだけ、薄めた中性洗剤を使う
- メガネ用の洗浄液
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- メガネ用のクロスは使えるが、洗浄液は使えない
- PC画面の表面を溶かしてしまう可能性がある
いずれも、線維や拭き跡が残ってしまって汚れが目立ったり、PC画面を傷つけてしまったり、画面を溶かして故障の原因になってしまったりするものです。これらの掃除用品は使わないよう気をつけましょう。アルコールや薄めた中性洗剤は、公式サイトや取扱説明書で使っても良いと書かれているものや、どうしてもガンコな汚れが落ちないときにだけ使いましょう。
おわりに:PC画面(ディスプレイ)は乾拭きでキレイにしよう
PC画面はプラスチックやガラスなどでできています。主な汚れはホコリや皮脂汚れ、食べ物の油、くしゃみの唾液などが挙げられますが、ウイルスや雑菌が付着すると格好の繁殖場所になってしまうこともあります。
ですから、定期的な清掃が必要です。とはいえ、PCは精密機器ですから、基本は柔らかく線維のほつれにくい布で乾拭きしましょう。どうしても落ちないガンコな汚れのときは、水拭きや薄めた中性洗剤を使っても構いません。
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