野菜ジュースだと栄養が摂れないって本当?

食事・料理

料理を作る時間が取れないと、摂取が疎かになりがちな野菜。そこで栄養バランスを補うために、「野菜ジュース」を飲んでいる人も多いでしょう。ただ近年、「ジュースだと野菜の栄養は摂れない」という反論を耳にすることも増えています。今回はこのテーマについて、正確な情報をお伝えしていきます。

野菜ジュースには栄養がない?

結論からいうと、ジュースにすることで減少する栄養素もある一方、全ての栄養素がなくなるわけではありません。
野菜ジュースを作る過程では、野菜の搾汁や加熱処理などを行うため、下記のような栄養素は失われやすくなります。

ビタミンC
コラーゲンを作り、皮膚や粘膜の健康維持作用があるビタミン
水溶性である上に熱にも弱いため、加熱処理の段階で失われやすい
不溶性食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、水溶性食物繊維はジュースの中に若干残るが、不溶性食物繊維は搾汁の過程で、絞りカスとして除去されてしまう

ただし、ビタミンCは熱に弱い性質があるといわれるものの、ビタミンCを含む生にんじんを用いて調整した野菜ジュースやミックスジュースのビタミンCは、常温でもほぼ減少しないというデータも得られています(野菜等健康食品協議会事務局「野菜・果物に関するFAQ」)。

にんじんは生のまま放置すると、ビタミンCを失活させる「アスコルビナーゼ」という酵素が作用し、日に日にビタミンCが失われていくのですが、ジュースの加熱処理によってアスコルビナーゼの働きを止めることで、ビタミンCを保持できるという利点もあるのです。

野菜ジュースでも摂れる栄養素は?

野菜ジュースの加工過程で、水溶性ビタミンや不溶性食物繊維は失われやすくはなりますが、下記のような脂溶性ビタミンやミネラル類はあまり影響を受けません。

カルシウム
カルシウムを多く含む飲食物としては小魚や牛乳が有名
ケールなどの野菜にも含まれている
カリウム
一般的な野菜ジュースでは200〜300mg含まれていることが多い
余分な塩分を体外に排出する作用がある
ビタミンE
脂溶性ビタミンのため、加工による失活が比較的少ない
抗酸化作用があり、血流を良くする効果がある

野菜ジュースの方が効率的に摂れる栄養素も!?

基本的には、野菜ジュースよりも野菜そのものを食べた方が栄養素が摂れますが、むしろジュースの方が効率的に摂取できる栄養素も中にはあります

βカロテン
ニンジンほうれん草ピーマンかぼちゃなどの緑黄色野菜や柑橘類に多く含まれる色素成分(カルテノイド)
ビタミンAに変換されて作用し、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用や、免疫の増強効果がある
リコピン
トマトなどの赤い野菜の色素成分
βカロテンと同じカルテノイドだが、リコピンは抗酸化作用がとくに強いといわれている

リコピンやβカロテンの吸収率を野菜ジュースと生野菜の摂取で比較したところ、リコピンでは3.8倍に、βカロテンでは1.5倍という研究結果が得られています(カゴメ「野菜ジュースに野菜と同じ栄養はあるの?」)。

そもそも野菜には強固な「細胞壁」があるため、栄養吸収率をあげるには細胞壁を壊して摂取することが重要になります。この壊す過程となるのが「加熱」と「破砕(ミキサーなどですり潰す)」です。
まず、ミキサーですり潰すことで細胞壁が壊れ、栄養の吸収率が上がります。さらにリコピンは熱に強いため、野菜ジュースにする過程で炒めたり煮込んだりしても、さほど成分は減少しません。また油に溶けやすい性質も持つため、調理によって吸収率をかなりあげることができます。

野菜ジュースよりも野菜の摂取を

野菜ジュースの製品パッケージには、様々な栄養成分が記載されています。ただし、野菜ジュースだけ飲んでいれば、野菜と同じだけの栄養素が摂れるというわけではありません。

「1日分の野菜が摂れる」といったパッケージの文言に惹かれがちですが、これは「厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量や、1食分の野菜摂取量の野菜を使っている」という意味であり、「栄養素が同じだけ含まれているという意味ではない」のです。
あくまで野菜摂取の補助飲料に過ぎないので、普段から野菜そのものをバランスよく摂取することが大切です。

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おわりに:野菜ジュースはあくまで補助的なポジション

「野菜ジュースを毎日飲んでいるから、しっかり野菜の栄養素は摂れている」と誤解してしまう人もいますが、ジュースはあくまで補助飲料です。栄養バランスを整える上では、野菜そのものを食事で摂取することが欠かせないので、野菜自体もしっかり献立に取り入れるようにしましょう。

 

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