フロッシュは、カエルのデザインで有名なドイツ発祥のエコな食器用洗剤です。お肌にやさしいのに油汚れがよく落ちると、利用者が増えていますが、泡立ちが悪いといった声も聞きます。今回は、フロッシュをの使いこなし方、選び方、使用上の注意点を、フロッシュの特徴とあわせて解説していきます。
フロッシュが手荒れをしにくいのはなぜ?
フロッシュは、ドイツ生まれのエコ洗剤です。フロッシュはドイツ語でカエルのことですが、カエルは環境の変化に敏感なため、この名前がつけられたといわれています。実際に、カエルが環境の指標に使われることもあります。
フロッシュの界面活性剤はヤシ油、菜の花、オリーブ油などの天然植物由来の成分から作られていて、洗浄成分も天然由来です。また、手荒れのおもな原因となるアルコールを使用しないノンアルコール処方で作られているため、環境にやさしく、お肌にやさしい洗い上がりが実現可能になっているのです。
フロッシュは、以下のエコ品質9か条のもと、環境・社会・経済に配慮した洗剤として開発されました。
- エコ品質9か条(意訳)
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- 自然由来のエコ成分によるハウスケアサポート
- 植物由来の生分解性が高い再生可能な界面活性剤の使用
- 保存料、香料の使用は必要最小限に留め、マイルドで肌にやさしい配合
- リン酸塩、ホウ酸塩、ホルムアルデヒド、ハロゲン化有機化合物は使用しない
- リサイクル可能な材料を使い、包装材の使用量を可能な限り減らして環境への負担に配慮
- 生物の住環境に配慮した製品開発
- 環境と省エネルギーに配慮した工場による生産(EMAS、ISO14001、A.I.S.Eの認証取得)
- 自社浄水施設による排水の浄化
- 25年以上の蓄積に基づいた環境にやさしい商品開発・製造
特徴と成分|油汚れにとくに強い
フロッシュは、種類によって成分が若干違いますが、どれも天然由来のお肌と環境にやさしい材料から作られています。
フロッシュ ブラッドオレンジ
- 界面活性剤(17%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン)
- 粘度調整剤
- 安定化剤
- 天然オレンジオイル配合
フロッシュ 重曹プラス
- 界面活性剤(17%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン)
- 粘度調整剤
- 安定化剤
- 重曹配合
フロッシュ ザクロ
- 界面活性剤(9%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
- 安定化剤
- 天然ザクロエキス配合
フロッシュ アロエヴェラ
- 界面活性剤(9%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
- 安定化剤
- 天然アロエヴェラエキス配合
フロッシュ パフュームフリー
- 界面活性剤(9%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)
- 安定化剤
- 無香料・無着色
フロッシュの使い方|状況にあわせて使い分けるのがポイント
フロッシュは、食器用洗剤でも、洗濯用洗剤でもお肌にやさしいですが、かなりの洗浄力が期待できる洗剤です。洗濯用洗剤のフロッシュは、他の液体洗剤と同じ使い方でも問題ありませんが、食器用洗剤のフロッシュに関しては、他の食器用洗剤と使い方が変わってきます。
これは、フロッシュがスポンジにそのまま直接つけても泡立ちにくいという特徴があるからです。よりエコに洗い物をするためには、以下のように使用しましょう。
つけ置き
つけ置き洗いは、フロッシュの本場ドイツでも推奨されている洗い方です。洗い桶にフロッシュを溶かしてつけ置きすることで、ガンコな油汚れも簡単に落とせますし、洗剤がお肌につく時間を短くできるので、手荒れ対策にもなります。
つけ置きする際に推奨されている分量の目安は、水1Lに対してフロッシュ0.6ml(小さじ1杯0.5ml+ちょっと)です。使用している洗い桶の大きさにあわせて調節してください。
- フロッシュでつけ置き洗いするときの手順
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- 洗い桶にフロッシュを入れる
- 洗い桶に水またはぬるま湯を入れる
- 10分〜15分程度つけ置きする
- スポンジで汚れをこすり落とす
- 軽くすすぎをする
洗い桶に水(ぬるま湯)を先に入れてもかまいませんが、フロッシュを先に入れたほうが泡立ちが良いです。ぬるま湯のほうが汚れが落ちやすいので、できればぬるま湯を使うことをおすすめします。
熱湯を使う方法もありますが、食器へのダメージやヤケドのリスクもあるので、注意してください。
普通の洗い方
フロッシュは、普通の食器用洗剤のようにスポンジに直接つけて洗うこともできます。ただ、他の洗剤に比べて泡立ちが長く続かないため、何度もつけ直して使用量が多くなってしまうことがあります。濃縮タイプの洗剤のため、お肌にやさしいとはいっても、使用量が多くなると手荒れの原因になってしまうことがあるので注意しましょう。
薄めて使うときの注意点
フロッシュは、水で薄めて使ったほうが泡立ちやすいです。そのため、毎回使用する分を薄めて使うことで、使用量をコントロールすることができます。5倍〜10倍に薄めても洗浄力は保たれるので、お肌のダメージが気になる人は試してみてください。
ただし、フロッシュのボトルに直接水を入れて薄めると雑菌が混入する可能性があります。洗剤の劣化や感染症など、さまざまなトラブルの原因になるので、現在は販売元も推奨していません。水で薄めるときは、必ず別の容器を準備し、その都度ごとに薄めましょう。
フォームボトルで泡立てるのもおすすめ
泡立ちにくいフロッシュをうまく泡立てて使うなら、フォームボトルを利用するのもおすすめです。フォームボトルとは、ポンプをプッシュするだけで泡がでる仕組みのボトルです。フロッシュ専用容器も販売されていますが、各社汎用品もありますし、100均でも取り扱っているので、手軽に使えるところも嬉しいですね。
しっかり泡立てることで汚れを落としやすくなりますし、直接手につく機会が減るので手荒れの予防にもなります。原液そのままで使うより、薄めたほうが泡立ちやすいので、薄めて使いましょう。
ただし、フロッシュは生分解性が高いため、たくさんの薄め液をフォームボトルにうつしかえると、劣化したり衛生上の問題が起こりやすいです。できれば使い切れる量だけをフォームボトルに入れるようにしてください。
フロッシュの種類ごとの使い分け
フロッシュは、食器用洗剤だけでも5種類(数量限定のものを含めると7種類)あります。大きく分けると、洗浄力重視のタイプとお肌への優しさ重視のタイプがあり、さらに香りの種類でわけられます。
以下を参考に、洗浄力、お肌への優しさ、香りを考慮して、自分にあうものを選びましょう。
フロッシュの種類別の特徴
洗浄力重視のフロッシュ
- 重曹プラス
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- 重曹配合で油汚れやタンパク質汚れに強い
- しつこい汚れにも対応
- さわやかなソーダの香り
- 液色は明るいブルー
- ブラッドオレンジ
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- 天然オレンジオイル配合で油汚れにとくに強い
- 油汚れが多い家庭にはおすすめ
- 甘くフルーティなオレンジの香り
- 液色はビタミンカラーのクリアオレンジ
お肌の優しさ重視のフロッシュ
- フロッシュ アロエヴェラ
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- 洗浄力とお肌への優しさのバランスをとった中間タイプ
- スタンダードタイプなので使いやすく手に入りやすい
- 天然アロエヴェラエキスを配合することでお肌に配慮
- みずみずしく、透明感があるアロエヴェラの香り
- 液色は涼やかな淡いクリアグリーン
- フロッシュ ザクロ
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- お肌に優しく、スッキリとした洗い上がり
- 成分をよりシンプルにすることでお肌に配慮
- 包み込むようなやさしく甘い香り
- 液色はキュートで鮮やかなピンク
一番お肌に優しいフロッシュ
- フロッシュ パフュームフリー
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- 無香料・無着色で一番お肌にやさしいフロッシュ
- 香料が苦手な人にもおすすめ
- においはほぼないので、洗い物後の残り香も心配ない
- 液色は無色透明のクリア
数量限定|特別な香りを楽しめるフロッシュ
- フロッシュ カレンデュラ
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- アロエヴェラと同じスタンダードの中間タイプ
- 天然カレンデュラエキスを配合することでお肌に配慮
- 華やかなカレンデュラの香りで癒される
- 液色は暖かみのあるやわらかいオレンジ
- フロッシュ ローズマリー
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- 洗浄力重視タイプのフロッシュ
- 天然ローズマリーエキスでお肌に配慮
- ローズマリーの香りでスッキリとリフレッシュできる
- 液色はフレッシュなブルーグリーン
フロッシュが泡立たない問題について
フロッシュは、泡切れが良く、お肌にやさしいエコ洗剤です。普通に原液をスポンジにつけて洗うと、すぐに泡立たなくなるため、きちんと洗えているのかどうか不安になる人がいるかもしれませんが、これは正常な状態であり洗浄力に問題はありません。
実際に洗ってみるとわかると思いますが、泡立たなくても汚れは十分に除去できています。泡切れが良いことで洗剤や水に触れている時間が少なくなるので、「お肌により仕様」と思ってもらって良いと思います。
泡立たないと洗った感じがしないので物足りない、泡立たせて洗浄力を高めたい場合は、「フロッシュの使い方」でも説明したように、つけ置き洗い、薄めて使う、フォームボトルを使うのがおすすめです。自分の好みや状況にあわせて、使い方を選んでください。
おわりに:フロッシュはつけ置き洗いがおすすめ。フォームボトルは都度ごとに
フロッシュは、生分解しやすい界面活性剤を使ったお肌と地球にやさしい洗剤です。泡切れも良いので、手荒れしにくく、洗剤残りの心配もありません。泡切れが良いことで「泡立ちにくい」という特徴がありますが、泡立たなくても洗浄力には問題ないです。
基本的にはつけ置き洗いがおすすめですが、スポンジで泡立てて使いたい場合は薄めて使うと泡立ちやすくなるので、薄めて使うかフォームボトルを使いましょう。ただし、生分解しやすいため劣化や細菌の混入の懸念があるので、原液をすべて薄めるのはやめましょう。
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