赤ちゃんや子どものいる家や、子どもの頃の思い出のぬいぐるみを飾っているという家は多いものです。しかし、ぬいぐるみも布や毛でできていますから、長い間放置しているとホコリや手アカで汚れてしまいます。
そこで、今回はぬいぐるみを自宅でふんわり洗い上げる方法についてご紹介します。お気に入りのぬいぐるみだからこそ、定期的にキレイにしておきましょう。
ぬいぐるみを洗濯する前にやっておくことは?
ぬいぐるみを洗濯する前に、そもそも持っているぬいぐるみは自宅で洗濯しても良いものかどうか確認しなくてはなりません。まず、以下のようなぬいぐるみは基本的に自宅で洗濯できませんので、キレイにしたいと思ったらクリーニング店などに相談しましょう。
- 人工皮革や、革がついているぬいぐるみ(※革部分を取り外せるものはOK)
- ウール素材のぬいぐるみ
- 中綿がポリエステル以外の素材のぬいぐるみ
- 中に精巧な機器や紙が入っているぬいぐるみ
- 水で色が出るぬいぐるみ
- サイズが大きい、またはアンティークのぬいぐるみ
上記に当てはまらず、自宅で洗濯できそうなぬいぐるみの場合、次に色落ちの確認をしましょう。白い布におしゃれ着用の中性洗剤を少しつけ、ぬいぐるみの目立たない部分をポンポンと優しく叩きます。このとき、布にぬいぐるみの色がつかなければ、色落ちしないと考えて構いません。もし、布にぬいぐるみの色がついてしまうようなら、家庭で洗うと色落ちしてしまいますので、クリーニング店に相談しましょう。
色落ちもしないと確認できたら、ぬいぐるみについている洋服などの装飾品をできるだけ外します。ただし、一緒に洗ってしまいたい布製の装飾(布でできたリボンなど)はつけたまま一緒に洗濯しても構いません。また、毛足の長いぬいぐるみの場合、全体をブラッシングして大きな汚れを取り除いておきましょう。
ぬいぐるみの洗濯方法は?
それでは、実際にぬいぐるみを洗濯する方法を洗濯機洗いと手洗いの2つに分けて見ていきましょう。いずれの場合もポイントは「洗う時、ぬいぐるみ全体を水に沈めてやさしく押し洗いすること」「タオルに包んで脱水すること」「洗濯ネットに入れて干すこと」の3つです。
ぬいぐるみを洗濯機洗いする方法って?
ぬいぐるみについている洗濯絵表示に「洗濯おけ」マークがついていれば、標準コースで洗濯して構いませんが、「手洗い」マークがついている場合、「おしゃれ着コース」「手洗いコース」「ドライコース」などの弱流水コースで洗濯しましょう。また、洗濯ネットはぬいぐるみの大きさに合ったものを使い、型くずれなどのダメージを防ぎます。使う洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤です。
すすぎまで終わったら一旦停止し、ぬいぐるみをタオルで包んでから脱水を行います。脱水時間は30秒くらいの短時間に設定し、脱水後は型くずれを防ぐためすぐに取り出し、手で全体の形を整えます。洋服ブラシなどを使って毛並みを整え、洗濯ネットに戻したら、風通しの良いところで洗濯ネットごと陰干ししましょう。このとき、ぬいぐるみの中の綿や表面の毛足が長いものは乾きにくいので、数時間ごとに向きを変えるなどしてしっかり乾燥させます。
ぬいぐるみを手洗いする方法って?
ぬいぐるみについている洗濯絵表示に「洗濯おけ」または「手洗い」マークがついていれば、手洗いができます。まずは洗濯おけに水を入れ、水4Lに対して洗剤10mLの割合で洗濯液を作ります。洗剤は、洗濯機で洗うのと同じおしゃれ着用の中性洗剤を使いましょう。
洗濯液ができたらぬいぐるみ全体を浸し、毛並みを傷めないよう軽く押し洗いをします。汚れがひどい部分は、洗剤を含ませたスポンジや洗濯ブラシなどで、丁寧に叩き洗いを行います。シミのある部分には、シミ用の部分洗い剤をつけましょう。汚れをすべて落とし終わったら、きれいな真水に取り替えて押し洗いで2回すすぎます。
すすぎが終わったら、ぬいぐるみをタオルで包んで水を吸い取ります。もしくは、タオルにくるんだまま、脱水のみ30秒程度の短時間で洗濯機に入れても構いません。その後は洗濯機洗いと同じように、すぐに取り出して手で全体の形を整え、洗濯ネットに戻して風通しの良いところで洗濯ネットごと陰干しします。
汚れが気になるけど洗えないときには「簡易クリーニング」で
汚れが気になるけれど、洗えないというときには「簡易クリーニング」がおすすめです。具体的には、以下のような手順で行います。
- 布団たたきなどで、内側のホコリを叩き出す
- 洋服ブラシでブラッシングして、表面のホコリを払う
- 薄めに作った洗剤液で濡らしたタオルを固く絞り、ぬいぐるみ全体の表面を軽く拭く
- きれいな真水で濡らしたタオルを固く絞り、ぬいぐるみ全体を拭いて洗剤成分を取り除く(2回)
- 乾いたタオルで水気を取る
- 風通しの良い日陰で乾燥させる
洗浄液は、水4Lに対して洗剤5mLの割合で溶かして作ります。この方法は汚れのすべてを落とせるわけではありませんが、溜まったホコリを拭うのには有効です。大掃除などでゆっくりぬいぐるみを洗う時間はないけれど、キレイにしておきたい、というときに行いましょう。
ぬいぐるみを乾かすときのポイントは?
ぬいぐるみを干すときの流れは、前述のように手で全体の形を整えてブラッシング後、風通しの良い場所で陰干しという手順です。ブラッシング方法、陰干しの方法、そして干し方のポイントについて詳しく確認しましょう。
- 丁寧にブラッシングする
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- 脱水後は毛の流れと逆にブラッシングすると、毛が起きてふさふさになる
- ぬいぐるみの洗濯はブラッシングが重要なので、とくに念入りに
- 陰干しのやり方
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- ぬいぐるみを直射日光に長時間当てると、変色するおそれがある
- 風の流れが悪いと触り心地が悪くなることもあるので、風通しの良い場所に干す
- 干し方のポイント
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- ぬいぐるみを直に吊るすと型くずれやほつれの原因になる
- 洗濯ネットと一緒に干すか、ピンチハンガーの上に寝かせるなど平干しに
- 洗濯ネットの両端をつまみ、ハンモックのように吊るすイメージで
- 外側が乾いていても中までしっかり乾燥できていないこともあるため、数日間かけてしっかり乾燥させる
ぬいぐるみは形が肝心ですから、洗濯バサミで直に挟んで吊るさないよう気をつけましょう。洗濯ネットと一緒に干すか、ピンチハンガーの上など平干しにできる場所で干します。また、外側が乾いていても中まで乾いていない場合もありますので、2〜3日かけてしっかり乾燥させましょう。
とくに、大きいぬいぐるみは内側まで乾きにくいですから、カビの発生を防ぐためにも十分に乾燥させましょう。洗濯機に乾燥機能がついているなら、最後に10分程度乾燥機能を使って仕上げるとふわふわの仕上がりになります。乾燥機がなければドライヤーで代用することもできますので、ぜひ試してみてください。
ぬいぐるみのダニが気になるときは?
ホコリが溜まったままで放置されていたぬいぐるみは、ダニの住処になってしまいます。そのぬいぐるみを抱っこすると、ダニのフンや死骸でアレルギーを発症してしまうかもしれませんので、キレイに洗濯した後はしっかりダニ退治もしてしまいましょう。
ダニはその性質上、50度の温度で20〜30分放置するか、60度以上の温度なら一瞬で死滅します。ですから、以下のように黒いビニール袋に入れて天日干しするか、布団乾燥機で温度を上げてしっかりダニを死滅させましょう。
- 黒いビニール袋を使う
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- 黒は熱を吸収しやすいので、中にぬいぐるみを入れて天日干しするだけ
- 袋の中の温度はぐんぐん上がるので、回収するときのやけどに注意
- 布団乾燥機を使う
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- 布団乾燥機のダニ駆除に特化した設定を使う
- 布団や毛布でぬいぐるみを包み、隙間から布団乾燥機の送風口を差し込んで動かす
ぬいぐるみにプラスチックなど熱に弱い部品がある場合はその部分を取り外すか、布団乾燥機を使ってその部分に熱風が直接当たらないようにします。また、いずれの場合も最後にぬいぐるみ全体を掃除機で吸い、ダニの死骸もしっかり除去しましょう。
おわりに:ぬいぐるみを自宅でふんわり洗い上げるには、やさしく押し洗いが基本
ぬいぐるみは、その素材や装飾品によっては自宅で洗濯できる場合もあります。自宅で洗濯できる場合も色落ち確認や装飾品の取り外しなどは必要ですが、これらのチェックに問題なければぜひ洗濯してみましょう。
洗い方はやさしく押し洗いが基本で、脱水後は陰干しでカビが生えないよう中までしっかり乾燥させます。最後にダニを死滅させてから掃除機で除去し、キレイで安全な状態を保ちましょう。
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