ニンニクは、料理にコクやパンチを加えるのにもってこいのスパイスです。ニンニクを大量に食べることはあまりないでしょうが、元気を出したいときにはがっつり食べたいですよね。
今回は、ニンニクの栄養と選び方のコツ、栄養をうまくとりいれるためのポイントについて食材大辞典でまとめました。
ニンニクにはどんな栄養があるの?
ニンニクは、香味野菜の代表格です。寒冷地で栽培される調理しやすく強い香りと風味を持つ白にんにくのほか、九州などで栽培される12個の粒が紫色に近い薄皮に包まれたマイルドな味の早生にんにく、中国雲南省で生産される粒がひとつで味や香りがマイルドな一片種にんにく、実はリーキというネギの一種で香りが強くないジャンボにんにくなどがあります。
ニンニクには、次のような健康効果が期待できる栄養が含まれています。
- アリシン
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- 特有の臭いのもとで、ビタミンB1の吸収を助け疲労回復や滋養強壮効果がある
- 免疫力を高めがん予防にも効果が期待できる
- 血行を促進し冷え性の改善や血栓の予防にも役立つ
- 殺菌効果があるとされ、病原菌に対する効果が期待されている
- スコルジニン
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- アリシンが加熱によって変化した有効成分
- 臭いがなく、新陳代謝を促し疲労回復に役立つ
- 抹消血管を広げて血行を促進し、高血圧や血栓の予防効果が期待されている
- セレン
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- 抗酸化作用により老化や生活習慣病を予防する効果が期待できる
ただし、こうしたニンニクの強い栄養成分は、食べすぎると胃腸に悪影響を与えることもあるので注意が必要です。
ニンニクの保存方法と選ぶときの注意点は?
ニンニクの選び方と保存方法については以下のポイントを参考にしてください。
- 選び方のポイント
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- ずっしりと重みがあり、結球がかたい物を選ぶ
- 軽くて皮と身の間に隙間があるものは、古く水分が抜けている可能性がある
- 新ニンニクの皮に赤みがあっても味に影響はない
- 保存するときのポイント
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- 短期間なら、高温多湿を避け、風通しのよい涼しい場所に置いておく
- 夏は冷蔵庫で保存するが、芽が出やすいので早目に使い切る
- 表皮をむいてばらし、ラップにしっかりと包めば冷凍保存も可能。解凍は冷蔵庫で
- 表皮をむいてばらした状態のものを、オリーブオイルやビネガー、酢、醤油などに漬け込んでおけば、薬味や調味料として保存できる
なお、すりおろしてから時間がたったり酢や醤油につけておくと青緑色に変色することがありますが、体に害はありません。
加熱すると栄養が少なくなるって本当?
ニンニクは、おろす、切る、噛むなどして傷つくことで臭いを発し、さまざまな効果が期待できるアリシンを摂取できるようになります。
アリシンができるのに必要な成分は熱によって壊れやすいため、加熱したものの方が栄養素も臭いも薄まります。
栄養を考えれば生のまま食べるのが一番ですが、臭いが気になるうえ強い抗菌・殺菌力で胃腸の弱い人は胃痛や下痢をおこすこともあります。加熱しても体内のビタミンB6がアリシンをつくるので、その時の体調や予定に合わせて食べ方を考えるようにしましょう。
おわりに:疲労回復、血行促進、免疫力向上、抗菌、抗酸化などさまざまな健康効果があります
ニンニクの臭いのもとでもあるアリシンは、疲労回復や滋養強壮効果があるほか、免疫力向上、がん予防、血行促進による冷え性改善や血栓予防にも役立ち、強い殺菌効果で病原菌から体を守る働きもあります。セレンなど抗酸化作用のある成分も豊富で、老化や生活習慣病を予防します。加熱して成分が変化しても、多少薄まるものの同様の効果が得られます。
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