ゴミ箱はさまざまなゴミを捨てる場所ですから、捨てたものによってはイヤな臭いが発生してしまうことがあります。特に、食べ物や調理くずなどの生ゴミを捨ててしまうと、数時間後にはイヤな臭いが発生してしまうこともあります。
では、ゴミ箱で臭いが発生するのはなぜなのでしょうか。そして、イヤな臭いごとしっかり除去するにはどのように掃除したら良いのでしょうか。予防方法まで合わせて見ていきましょう。
ゴミ箱の汚れや臭いの原因は?
ゴミ箱にできる汚れは、ほとんどが水分の多いゴミが原因です。水分が多いゴミはゴミ箱に密着しやすいので、ゴミ箱内にとどまって雑菌の繁殖場所になってしまいます。特に、野菜くずなどゴミは水分を多く含みますので、数日放置しただけでも腐ってイヤな臭いを発してしまいます。ゴミ箱内の湿度が上がってカビが生えてしまうと、さらに汚れが広がってしまうこともあります。
イヤな臭いがしてくると、掃除をするのもイヤになってしまいます。しかし、掃除の方法そのものは難しくありませんので、臭いがしてしまったらすぐ、あるいは臭いがしてくる前に、こまめにゴミ箱を掃除するようにしましょう。
そもそも、ゴミ箱からイヤな臭いがしてくるのは「嫌気性微生物」という細菌が活発に活動し始めるからです。嫌気性微生物は酸素(=空気)の少ない場所を好み、さらにそこに水分や栄養分があるとどんどん繁殖していきます。繁殖するときに生ゴミを分解して腐らせ、さまざまな悪臭や有害物質を発生させるため、イヤな臭いがしてしまうのです。
水分を含んだゴミを捨てるときには、ビニール袋に入れて捨てることが多いですが、このように酸素が少ない環境が余計に嫌気性微生物の活動を促してしまうわけです。しかも、冷蔵庫の中と違ってゴミ箱は常温であり、嫌気性微生物は気温が高いほど活発に活動するという性質があります。夏場は気温が上昇するため、より腐敗しやすくなるのです。
生ゴミの汁そのものも腐敗するため、ゴミ箱についた水分が腐ることもあります。時間が経てば経つほど臭いが強烈になっていきますし、水分はカビが発生する原因になることもあります。少しでも臭いが気になったら、すぐに対策を行いましょう。
ゴミ箱を臭いごと洗い流す掃除方法とは?
ゴミ箱の臭いが気になったら、早速掃除を行いましょう。といっても難しいことはなく、「アルコール除菌スプレー」と「キッチンペーパー」を準備し、ゴミ箱内に吹きかけていくだけです。ゴミ箱についている汚れは水に溶けるものが大半ですから、特別な洗剤を使わなくても消毒用のアルコールで十分溶かし落とせます。
- 1:ゴミを全部出す
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- 中に入っているゴミを全部取り除く
- 汚れるのがイヤな場合、手袋を忘れずに
- 2:内側にアルコールを吹きつけ、拭き取っていく
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- 手の届く近くから順にスプレーし、キッチンペーパーでアルコールを拭き取る
- 3:奥の汚れも拭き取る
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- 隅の方に汚れが溜まりやすいので、割り箸の角などを使って落とす
- 4:外側も掃除する
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- 同じ手順で外側もアルコールを吹きかけては拭き取り、全体をまんべんなく掃除する
消毒用アルコールスプレーを吹きかけると、雑菌は数秒で死滅します。同時にアルコールも蒸発しますので、ゴミ箱の掃除はそれほど手間ではありません。臭いが気になったときには、サッと掃除してしまいましょう。
もし、ゴミ箱にカビが生えてしまっていたら、「キッチンハイターなどの塩素系漂白剤」「キッチンペーパー」「割り箸」「手袋」の4つを準備し、以下の手順で掃除を行いましょう。カビ菌そのものはアルコール除菌で死滅しますが、カビが作ってしまった黒いシミはアルコールでは消せませんので、それを漂白する必要があります。
- 1:漂白剤を薄める
- 水100mLに対し、漂白剤10mLくらいを目安に混ぜて薄める
- 2:カビ部分を拭き取る
- キッチンペーパーに漂白剤を含ませ、黒ずんだ部分を拭く
- 3:水拭きする
- 湿らせたキッチンペーパーで、漂白剤の成分が残らないよう拭き取る
- 4:乾拭きする
- 最後に、乾いたキッチンペーパーで水分を拭き取り、完了
塩素系漂白剤は強い漂白効果を持っていますので、ゴミ箱の素材を傷めてしまうことがあります。事前に目立たない場所で色落ちや変色などが起こらないかチェックしてから使いましょう。また、手荒れを防ぐためにも必ず手袋をし、換気を忘れずに行いましょう。カビの汚れがひどい場合は、水と漂白剤の割合を1:1くらいに濃く混ぜるのがおすすめです。
ゴミ箱の臭い予防と掃除を楽にするためにできる対策は
ゴミ箱の掃除を楽にするためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 捨てる前に水気を切る
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- ゴミは水気をよく絞ってから捨て、ゴミ箱内に水気を持ち込まない
- ゴミ箱の汚れが減って雑菌が繁殖しにくくなり、臭いも出にくくなる
- 軽くなって持ちやすくなるというメリットもある
- 新聞紙を底に敷く
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- 万が一汚れがこぼれてしまったときのため、新聞紙を敷いておくとよい
- 新聞紙は湿気を吸収する働きがあるため、中でカビが発生しにくくなる
- 新聞紙の交換ペースは、だいたい週1回が目安
- 抗菌効果のある消臭剤を入れる
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- 市販の消臭剤には抗菌効果があるものも多い
- フタの裏に貼りつけてゴミを腐りにくくしたり、底に敷いて脱臭したりさまざま
- ゴミ箱の形状に合わせて選ぶのがおすすめ
このように、そもそも雑菌が繁殖しにくい環境を作っておくと、ゴミ箱のイヤな臭いやカビが発生しにくいため、掃除の手間も省けます。また、ゴミ箱の消臭には重曹やクエン酸、炭、コーヒーかすなども利用できます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
重曹でゴミ箱の消臭ができる?
生ゴミの悪臭の成分はほとんどが酸性なので、アルカリ性の重曹で中和でき、消臭効果が得られます。重曹は水分を吸収する効果もありますので、嫌気性微生物が活性化する条件の1つを抑えることができます。
使い方は、生ゴミを捨てたゴミ袋にティースプーン数杯の重曹を振りかけるだけです。重曹の量が少なすぎると消臭効果も下がってしまいますので、注意しましょう。また、粉のままでなくても重曹を水に溶かしたスプレーを使っても構いません。
クエン酸はどう使えばいい?
クエン酸は酸性の物質で、アルカリ性の物質を中和し、カルシウムを溶かす働きがあります。生ゴミの消臭のほか、赤ちゃんのおむつの臭い(アンモニア臭)にも消臭効果が見込まれます。クエン酸も重曹と同じように振りかけるほか、水に溶かしてスプレーにして吹きかけても構いません。
クエン酸スプレーは、水200mLに対してクエン酸小さじ1杯を溶かし、空のスプレーボトルに入れるだけで作れます。お酢も酸性なのでクエン酸と同様の働きがありますが、お酢には独特の臭いがありますので、無臭のクエン酸の方がおすすめです。
炭を消臭剤として使うには?
炭には黒炭と白炭の2種類があり、黒炭は酸性、白炭はアルカリ性の性質を持っています。ですから、黒炭はアルカリ性の臭いに、白炭は酸性の臭いに対して消臭効果を発揮します。例えば、消臭作用があるとしてよく使われる備長炭は白炭にあたります。
炭の使い方は、ゴミ箱のフタに貼る、底に2〜3本置くなどです。条件にもよりますが、炭は早いと2〜3日で消臭効果が感じられなくなってしまうものもあります。その場合は、お湯で洗って天日干しをすると消臭効果が戻りますので、こまめに手入れを行いましょう。
コーヒーのかすで消臭できる?
コーヒーかすにも消臭効果があり、酸性の物質なのでアルカリ性の臭いに対して特に効果を発揮します。使い方は、コーヒーの消臭剤をゴミ箱のフタに貼ったり、コーヒーかすをそのままゴミ箱に捨てたりするだけです。
コーヒーの消臭剤は、自分で作ることもできます。コーヒーかすの水分を切ってお皿やプラスチックトレーに乗せ、平らに広げて天日干しを行います。1日程度で乾きますので、乾燥したらコーヒーかすを茶こし袋に入れ、こぼれないようしっかりと封をすれば完成です。天日干しの他にも、急いでいるときはフライパンで炒ったり、電子レンジで水分を飛ばしたりしても構いません。
おわりに:ゴミ箱の臭いはアルコール除菌で掃除し、消臭剤を使おう
ゴミ箱の臭いの原因は、主に生ゴミなどについている水分です。水分のある野菜くずなどに嫌気性微生物という細菌の一種が繁殖し、生ゴミを腐らせるので悪臭や有害物質が発生してしまうのです。
臭いや汚れが気になったら、アルコール除菌スプレーでキレイに掃除しましょう。もし、カビが生えてしまっている場合は塩素系漂白剤も使います。また、掃除後は重曹や炭などの消臭剤を使ってイヤな臭いを防ぎましょう。
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