大根は煮物やサラダで食べるだけでなく、薬味としても大活躍する野菜です。今回は身近な健康食材である大根の栄養や部位ごとの食べ方のポイントについて食材大辞典としてまとめています。
大根を飽きないように料理で使う参考にして、体のケアに役立ててください。
大根には、どんな栄養が含まれているの?
淡色野菜である大根の根の部分は、特に目立つ栄養成分はなく、水分が多く低カロリーで満腹感を得やすいのが特徴です。ただし、栄養的には以下のような特徴があります。
- デンプンの消化酵素であり高い解毒作用もあるジアスターゼ、アミラーゼなどの酵素が多く含まれ、食物の消化を助けるとともに腸の働きを整える効果がある
- 胃酸の中和作用もあるので胃酸過多の諸症状の改善にも役立ち、辛味成分からはおろすことで発がん抑制作用や抗菌作用のある成分がつくられる
- 緑黄色野菜に分類される葉の部分には、ビタミンA、CやE、カリウム、カルシウム、β-カロテン、葉酸、食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれている
大根の選び方と保存方法のポイントは?
- 選び方
- 根の部分は、皮のきめが細かくて白く、触ると硬く張りがあり持ったときにずっしりと重いものを選ぶ
- ひげ根は少なく、ひげ根のくぼみの通る筋が垂直でまっすぐなものが良い
- 二股など変形したものは土の状態が良くないときにできやすいので避ける
- 葉付きの場合は、葉がしゃきっとしたものを選ぶ
- 茎の断面を見て切り口の中央が白かったり空洞のものは根の部分にス(内部が割れてできた亀裂で味や食感も落ちる)が入っている可能性があるので避ける
- 保存方法
-
- 葉の部分から水分が失われていくので、付け根近くから葉を切り落とし根は分けて保存する
- 根の部分はラップでくるむか濡れた新聞紙で包みナイロン袋に入れて冷蔵庫で立てて保存する
- 小さく切ったものを保存する場合は、水によくさらし水気を切って密封容器にいれ冷蔵保存するが、時間とともに茶色く変色するので翌日には食べるようにする
- 大根おろしは1食分ずつラップで包み、密封袋に入れて冷凍保存することも可能
大根は、どうやって料理すると美味しく食べられる?
大根は、根の先と葉の付け根側で味が違います。
- 葉の付け根近く
-
- 辛味が少なく硬めなので、サラダや炒め物に向く
- 生のままサラダにする場合は、皮をむいて繊維に沿ってスライスすると歯ざわりがよくなる
- 色付き大根は輪切りにして塩コショウとレモン汁、オリーブオイルだけで美しいサラダになる
- 真ん中部分
-
- みずみずしく柔らかくもっとも甘みのある部分で、おでんやふろふきのような煮物に向く
- 味が中までしみ込むよう隠し包丁(繊維に沿って格子状に切り込みを入れる)を入れ、米のとぎ汁で下ゆでするとよい
- 根の先
-
- 辛味が強いので薬味としてのおろしによく、マリネや和え物にも使える
- ザルに大根おろしをのせておけば、おろしの重みで簡単に水気をきることができる
- 葉
-
- 栄養価の高い大根葉は、油でいためると歯ざわりもよく美味しい
- 細かく刻んでチャーハンや味噌汁の具にしたり、ちりめんじゃことゴマを一緒にさっと炒めてふりかけにするとよい
おわりに:葉と根は分けて保存、葉は炒め物、首はサラダ、中央は煮物、根先はおろしに向きます
大根の根には胃腸を整える酵素が、葉には豊富な栄養成分があります。葉と根は分けて冷蔵保存し、料理は部分ごとに味の違う大根の特徴を活かしましょう。葉の部分は炒め物に、首部分はサラダなどに、甘い中央部分は煮物に、辛味のある根先部分はおろしなどに向いています。
コメント