介護の臭いは対策が難しく、慣れる人もいるかもしれませんが悩みを抱え続ける人も少なくありません。介護の臭い対策が難しいのは、臭い原因が複数組み合わさっているからです。今回は、介護の対策とおすすめの洗濯洗剤について、臭いもとになる原因のこともあわせて解説します。
介護で起こる臭いの原因
介護で起こる臭いは、以下で挙げる原因が複合的に混ざり合うことで発生します。
便臭
たくさんの人がいる介護施設に限らず、なかなかとれない便臭に悩む人は多いといわれています。介護を受けている人は、病気の影響や消化機能の低下、食生活・運動習慣の変化、栄養の偏り、服薬の影響などで、便臭が強くなりやすいといわれています。
介護における便臭は、おむつやポータブルトイレを使っている人に起こりやすいですが、自分でトイレに行ける人でも、おもらしをすることがあったり、下着やトイレを汚してしまうことがあったりすすると、便臭が残ることがあります。
便臭や尿臭などの排泄物の臭いは、片付けて掃除した後や洗濯した後にも残ることが多いため、非常にやっかいです。通常の掃除方法・洗濯方法とは別の「便臭対策」が必要になることもあります。
尿臭
尿臭は排泄物のひとつであり、介護の臭いの大きな悩みになることも多いです。これは、尿臭自体の臭いが強く、尿が液体のため染み込みやすく飛び散りやすいため、片付け・掃除が難しいことが関係しています。
また、尿がアルカリ性の汚れであることも尿臭の原因になります。多くのお掃除用洗剤や洗濯用洗剤は中性、もしくは、弱アルカリ性の洗剤のため、アルカリ性の液性を持つ尿汚れ・尿臭が落ちにくく、蓄積した尿汚れ・尿臭が室内に充満するようになります。
汗臭
汗自体は本来無臭といわれていますが、汗を長時間放置すると、雑菌が汗に含まれるたんぱく質・垢・皮脂などをエサにして繁殖し、臭いを発生させます。汗の液性は、体の状態によって弱酸性から弱アルカリ性まで変化するため、洗剤の種類によっては汗汚れや汗臭が落としきれず臭いを発生し続けるようになり、室内に充満していきます。なお、加齢臭・ミドル臭などの高齢者特有の体臭が原因になることもあります。
口臭
口臭の多くは、口内の細菌が原因で発生します。口内の細菌は、本来唾液によって取り除かれますが、加齢や水分の摂取量の減少、服薬の影響などで唾液の分泌量が低下すると、細菌が繁殖しやすい環境になります。口臭自体が室内に強く残り続けることはありませんが、気になるという人もいると思います。
布製品に染みついた臭い
衣類・シーツ・カーテン・カーペット・ソファーカバーなどの布製品は、臭いや液体汚れが染み込みやすく、通常の掃除・洗濯だけでは取り除けないこともあります。介護で発生しやすい便や尿などの排泄物の汚れや臭いは、とくに取り除きにくいです。また、カーテン・カーペット・ソファーカバーなどは、こまめに洗濯することがないため、残った汚れが蓄積し、強い臭いを発生することがあります。
空気のこもり
介護が必要な人は、自分で換気をすることが難しい場合が多いです。換気が十分に行われていない状態が続くと、空気がこもって臭いが充満します。便臭・尿臭などの強い臭いが充満すると特に不快に感じやすいですし、複数の臭いが充満して混ざり合うことで、不快度はさらに増すことになります。
介護の臭い対策
介護の臭いを解決するには、以下の対策が役立ちます。
臭いの原因に適した掃除
介護では、便と尿の臭いが特に問題になりやすいです。この2つは臭いが強く、汚れた部分に染み込んで固まると、なかなか落とせなくなります。汚れに気づいたらすぐに掃除しましょう。便の掃除にはアルカリ性(弱アルカリ性)、尿の掃除には酸性の洗剤が適していますが、まずは中性か弱アルカリ性の掃除用洗剤で掃除し、落としきれない汚れがあるときに、アルカリ性洗剤・酸性洗剤を適宜選ぶようにしてください。
なお、汚れが深部まで染み込んで固まると、完全に取り除くのが難しくなります。染み込みにくい材質のものを使ったり、保護シートでカバーするなどして対応することをおすすめします。
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臭いの原因に適した洗濯
介護の臭いは、衣類やシーツ、ベッドカバーなどの洗濯できる布製品が原因でも起こります。通常の汚れであれば普通の洗濯洗剤で落とせても、便や尿の失禁に汚れやトイレの失敗による汚れは、普通の洗濯洗剤では落としきれないことも多いです。尿臭対策が得意な洗濯洗剤、アルカリ性の汚れが得意な洗濯洗剤、洗浄力が高い洗濯洗剤、除菌・抗菌・消臭が得意な洗濯洗剤などを適宜使い分けると、尿や便の汚れ・臭いが溜まりにくくなり、介護の臭いも解決しやすくなります。臭い対策が得意な柔軟剤を組み合わせても良いでしょう。
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体の清潔の維持
汗臭は、長時間放置することで発生します。シャワー・清拭などで定期的にキレイにすることで、解決しやすくなります。また、衣類やタオル、シーツの汗臭も介護の臭いの原因になることがあります。汗の性質には個人差があり、布製品に関しては特定の方法では解決が特に難しい場合もあります。洗濯洗剤や柔軟剤、除菌剤、消臭剤をいくつか試してみて、効果があるものを組み合わせて対策しましょう。
こまめに換気をする
臭いの成分は空気中に漂い、さまざまな場所に移って染みつき、そこに溜まっていきます。こまめに換気をすることで臭いを感じにくくなりますし、臭いの成分が移ることも防げます。また、換気をすることは、介護をする人・介護を受ける人の気分のリフレッシュにつながります。少し大変かもしれませんが、定期的な換気を心がけてください。
空気清浄機を使う
最近の空気清浄機は消臭効果が高いものも多く、空気清浄機を新しくしただけで介護の臭いが改善したという声も多いです。空気清浄機がない人や古い空気清浄機を使っている人は、購入・買い替えを検討してもいいでしょう。また、介護を受けている人は、感染しやすい状態だったり、感染症にかかると健康状態が悪化しやすかったりするため、感染症には特に気をつける必要があります。空気清浄機は感染症対策にもつながるため、そういった意味でもおすすめです。
病院・介護施設に相談する
介護の臭いは、介護を受けている人の体の状態が原因で起こっている場合があり、介護をしている人の心身の状態が原因になる可能性もあります。多くの場合は掃除・洗濯・換気などで解決できますが、相談できる機会があるのであれば、一度相談してみても良いと思います。また、病院や介護施設に勤めている人には、介護の悩みに詳しい人もいます。介護の臭いの悩みについても、解決方法のヒントを聞ける場合もあります。
介護の臭い対策に役立つ洗濯洗剤と柔軟剤の組み合わせ
介護の臭い対策に、必ずしも特別な洗濯洗剤が必要というわけではありませんが、以下の洗濯洗剤は介護の臭いの解決におすすめです。
アタック消臭ストロング
アタック消臭ストロングは、介護用品ブランドとしても展開している、尿臭・体臭などの臭い対策に特化した洗濯洗剤です。アタック消臭ストロングのおすすめポイントは、洗浄力の高い弱アルカリ性の洗濯洗剤でありながら、尿臭ブロッカーEXを配合することでアルカリ性の汚れ・臭いである尿臭・体臭の消臭ができるところです。衣類やシーツなどの布製品につく汚れのほとんどは酸性のため、汚れをしっかり落としつつ、介護の臭いを解決できます。
便の汚れも酸性のため、しっかり落とせるところも介護用の洗濯洗剤としておすすめできるポイントです。また、アタック消臭ストロングには、液体洗剤のアタック消臭ストロングジェルと粉末洗剤のアタック消臭ストロングつけおき専用洗剤があるので、汚れの程度などで使い分けることもできますし、つけ置き用と洗濯用で併用することで効果をより高めることができます。
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介護はぴケア パワフル消臭
介護はぴケア パワフル消臭は、クエン酸を配合した弱酸性の液体洗濯洗剤です。介護・保育の現場の困りごとでもある尿臭対策に特化した洗濯洗剤で、気になる臭いをもとからしっかり落とすことができます。蛍光増白剤無配合なので、きなりなども安心して洗濯できます。
弱酸性の洗濯洗剤ですが洗浄力は十分に高く、食べもの汚れやお茶などの飲みもの汚れもしっかり落とすことができます。また、介護ではたくさんの洗濯物が出ますので、業務用でたっぷり使えるのもうれしいポイントです。ちなみに、濃縮タイプなので、コスパも良いです。
ナノックスワンプロ
ナノックスワンプロは、臭い・汚れをもとからしっかり落とし、衣類の色・風合いの変化も防げる濃縮タイプの液体洗濯洗剤です。介護の臭いにもある程度対応できるので、介護用のお洗濯とそれ以外のお洗濯の両方で使うことができます。抗菌・ウイルス除去もできるので、部屋干し臭や生乾き臭などの後から発生する臭いも防げます。
また、ネットであれば業務用も手軽に買えるので、手軽にたっぷり使えるのもうれしいポイントです。子どもがいる家庭で在宅介護もしていて、デリケートな衣類も洗濯することが多い人など、少しでもお洗濯の手間を省きたい人におすすめします。
関連記事:ナノックスワンはどれが良い?組み合わせにおすすめの柔軟剤とプロ・ニオイ専用・スタンダードの違い
アリエール除菌プラス
アリエール除菌プラスは、除菌・抗菌ができる臭い対策に特化した酸性洗剤の液体アリエールです。酸性洗剤なので尿臭・尿汚れなどの介護の臭い対策に活躍しますし、除菌・抗菌効果が高いため、部屋干し臭も防げます。スゴ泡処方になったことで洗浄力も高くなった印象があり、酸性洗剤の弱点である洗浄力の弱さも克服しています。
アリエールシリーズの人気のひとつに、少量でもしっかり汚れが落ちることが挙げられます。アリエールに変えてから洗濯洗剤の減りが遅くなったという口コミもあるように、コスパの点でもおすすめです。
関連記事:アリエール除菌プラスにおすすめの柔軟剤の組み合わせと使い方のポイント
香りつづくトップ 抗菌plus 業務用
香りつづくトップ 抗菌plus 業務用は、介護の臭いに特化しているわけではありませんが、価格が安く業務用サイズもあるのでたっぷり使えるというメリットがあります。また、洗浄力も十分高く、抗菌効果・ウイルス除去効果があるので部屋干し臭の対策も可能です。
また、柔軟剤配合なのでシーツや肌着の肌触りもよくなりますし、適度な香りが広がることで、臭いをカバーすることができます。コスパと使いやすさ、普段のお洗濯と兼用する人は、選択肢に入れてもいいと思います。
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サラヤ ヤシノミ 洗たく洗剤
サラヤ ヤシノミ 洗たく洗剤は、無添加石けん洗剤と同等の低刺激性と、合成洗剤の洗浄力を兼ね備えた液体洗濯洗剤です。濃縮タイプなのでコスパがよく、無香料なので強い香りが苦手という人でも安心して使えます。業務用サイズを購入しておくと、コスパも良いですし購入の手間も省けるので忙しい人にもおすすめです。
抗菌効果などはありませんが、汚れはしっかりと落ちるので、干すときにきちんと対策をすれば部屋干し臭も出にくいですし、尿臭などのアルカリ性の汚れは定期的にクエン酸で補う方法もあります。化学物質に敏感な人は、一度試してみてもいいと思います。
関連記事:肌荒れ対策におすすめの柔軟剤と洗濯洗剤の組み合わせ|敏感肌・乾燥肌解消のポイントとは
ファーファ フリー& 超コンパクト液体洗剤 業務用
ファーファ フリー& 超コンパクト液体洗剤 業務用は、無香料タイプなのに臭い対策に強い洗濯洗剤です。洗浄力でバイオフィルムをはがしとることで、臭い成分が溜まることを防ぎます。香料・着色料・漂白剤・蛍光増白剤無配合なので、添加物が気になる人にもおすすめです。
介護の臭いや汚れに特化しているわけではありませんが、汚れ落ちは十分ですし、業務用サイズがあるところもうれしいポイントです。濃縮タイプで減りも遅いので、コスパ的なメリットもあります。
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リネンナ 洗濯用洗剤
リネンナ 洗濯用洗剤は、もともと赤ちゃんの布おむつの汚れや生理の血液汚れを落とすために開発された粉末タイプの洗濯洗剤です。アルカリ性の作用でたんぱく質汚れ・便汚れ・血液汚れ・食べ物汚れを落とすことができ、赤ちゃんだけでなく介護用の洗濯洗剤としても使えます。
つけ置きした後につけ置き水といっしょに洗濯機で洗濯するだけなので、使い方も簡単です。つけ置きではなく、普通の洗濯洗剤としても使えるので、育児と介護を両方している家庭におすすめします。
Hanaten 悪臭 一刀両断
Hanaten 悪臭 一刀両断は、介護の臭いや加齢臭・汗臭・ケトン臭・タバコ臭・部屋干し臭などのさまざまな臭いの悩みの解決に特化した、クリーニング師が開発した洗濯洗剤です。つけ置きしてからお洗濯するだけでOKですし、普通の洗濯洗剤としても使えます。
少し使いにくいかもしれませんが、汚れ落ち・消臭効果は抜群で、他の洗剤では落ちなかった臭いも落ちるという意見も多く目にします。困っている人は、一度試してみることをおすすめします。
おわりに:介護の臭い対策には掃除と洗濯の工夫も大切
介護の臭いは、便臭・尿臭・体臭・口臭などが原因になり、臭いのもとになる成分が溜まったり、空気がこもったりすることでひどくなっていきます。消臭剤や芳香剤も有効ではありますが、臭いのもとになる汚れ・成分をきちんと取り除き、空気を入れ換えることが根本解決につながります。臭いの原因にあわせて洗濯洗剤や掃除方法を使い分けることも大切になってきます。洗濯洗剤の使い分けも臭い対策の効率に関わってきますので、状況・ライフスタイル・自分の好みなどにあわせて選んでみてください。
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