秋頃から多くみられるダニアレルギーの症状。かゆみや発疹、鼻炎などの症状が代表的です。アレルゲンであるチリダニが増殖する時期やダニ対策などを理解しましょう。
ダニアレルギーって?症状の特徴は?
ダニアレルギーとは、ダニの死骸やフンを吸い込むことでアレルギー症状を引き起こすことをいいます。高温多湿の夏に繁殖したダニの死骸やフンが、秋に気温や湿度が下がるとともに乾燥し、小さな粉になります。
0.01mm以下のとても小さなチリになったダニの死骸やフンが空気中に舞い上がり、人が吸い込みやすくなります。ダニを吸い込むと、体内では異物を排除するためにIgE抗体がつくられることがあります。
- ダニの死骸やフンが小さいチリになる
- 空気中にダニの死骸やフンのチリが舞う
- 呼吸によって体内にダニのチリが入り込む
- 体は異物を体内から排除するために、IgE抗体がつくられる
- 体内に入り込んだダニに対して防御反応としてアレルギー症状が起こる
- ダニの種類
- 家に存在するダニは、主にチリダニとツメダニです。ダニアレルギーの原因となるのは、多くはチリダニと考えられています。チリダニにはヤケヒョウダニとコナヒョウダニの種類がいますが、人を刺すことはありません。
チリダニの消化管にある酵素(タンパク質)がアレルゲンとなり、症状を引き起こします。 - ダニの発生時期
- 気温と湿度が高くなる5月から7月はダニが好む季節で増殖していきます。真夏を過ぎるとダニは死んでいくことが多く、9月から10月頃までには乾燥したダニの死骸やフンが溜まっていきます。特に布団や毛布、枕などの布製品にダニが繁殖しやすいとされます。
- ダニアレルギーの症状
- ダニアレルギーは、ダニの死骸やフンが増える秋頃から症状があらわれます。春から夏の間はダニアレルギーの症状発症が少なくなる傾向がみられます。
- アレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)
- アレルギー性結膜炎(目のかゆみ、充血、涙が出る、目がゴロゴロするなど)
- 喘息症状(咳、呼吸困難など)
- アトピー性皮膚炎(皮膚のかゆみ、発疹など)
- 花粉症との違い
- 花粉症はアレルゲンである花粉が飛散する時期のみ症状があらわれます。しかしダニの死骸やフンが発生している場合、ダニアレルギーは季節を問わず症状があらわれます。
ダニアレルギーを予防にはどうやって対策すればいい?
ダニは清潔な家の中にも生息しています。ダニアレルギーの発症をできるだけ抑えるためのポイントを紹介します。
ダニは室温25℃、湿度60%を超えると増殖のスピードが上がります。症状があらわれやすい秋より前の、5月~7月頃からダニ対策を始めましょう。
また、ダニアレルゲンは水溶性ですので洗濯が効果的です。50℃以上の温水で洗うとさらに有効です。
- 除湿で湿度60%以下をキープ
- 多湿を避け、除湿器を使用して湿度60%以下を保つのが理想的です。布団やぬいぐるみなどの布製品に湿気がこもっているとダニが好んで繁殖しますので、空気以外の湿度にも気を配りましょう。畳の部屋の場合、年に1回の天日干しがダニアレルギー予防につながります。
- こまめな掃除
- ダニのエサは人の皮膚片やフケ、カビやホコリなどです。こまめに掃除をしてダニにエサを与えないように気をつけてください。床や家具の裏、押し入れにも気を配り、清潔を保ちましょう。人の動きが活発になると、床に落ちていたホコリやチリ、ダニが空気中に舞い上がってしまいます。朝や夕方前などホコリやダニが床に落ちている時間帯に、床クリーナーやモップで拭いてから掃除機をかけると安心です。
畳や絨毯、カーペットは1㎡あたり30秒かけて掃除機をかけるとダニ対策として効果的です。
- 布団など寝具
- 寝具はダニが多く繁殖します。布団カバー、枕、シーツは防ダニ効果のある製品を選びましょう。マットレスの配置は、壁から10cm以上は離して通気性を確保してください。湿度を高くしないように、週一回は天日干しにするか布団乾燥機をかけるとダニの繁殖を防げます。このとき布団を叩いてはいけません。布団が傷んで切れ目ができ、ダニが中まで入り込みます。
- カーテン
- 年に1回以上は洗濯をしましょう。乾燥をしっかりすることも大切です。
- 換気
- 部屋の換気をして空気を入れ替えましょう。押し入れやクローゼットも忘れずに。
ダニアレルギーって治療できるの?
ダニアレルギーの治療では、抗アレルギー薬を服用します。そのほかアレルゲン免疫療法で原因物質を継続投与して根治を目指す療法もあります。
ダニアレルギーと思われるつらい症状があらわれたら、まずは病院を受診して症状の悪化を防ぐことをおすすめします。
おわりに:春から対策を始めてダニアレルギーを防ぎましょう
ダニを家の中から完全に除去することは難しいものです。しかしこまめな掃除や除湿などでダニアレルギーの発症を予防することはできますので、早めに対策を取り入れましょう。
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