布団のカビはどうやってとればいいの? | 家事読本 - カジトク
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布団のカビはどうやってとればいいの?

布団のカビ対策 ハウスダスト(ダニ・カビ)

カビは浴室やキッチンなど、水場に生えやすい印象がありますが、部屋の中や空気中いたるところに存在しています。そのため、万年床などで湿気がこもってしまった布団を裏返してみるとカビの色素で真っ黒、ということも珍しくありません。

そこで、今回は布団にカビがはえてしまったらどう落とせばいいのか、布団をどかした後の床掃除はどうしたら良いのかについてご紹介します。

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布団にカビがはえてしまう原因って?

人間は、老若男女を問わず睡眠中に汗をかいています。その量は約コップ一杯分ともされ、それだけの寝汗が寝巻きと寝具に吸収されていることになります。もし、湿気だけで布団にカビがはえるなら、誰でも布団にはカビがはえていておかしくありませんが、実際には布団にカビがはえる人とはえない人がいます。その違いは、以下のような環境が関係していると考えられます。

フローリングに直接布団を敷いている
  • フローリングは構造上、空気の隙間や吸湿機能がないため湿気が溜まりやすい
  • 特に、万年床にしていると湿気を逃せず、短期間でカビがはえてしまう(わずか1週間という例も)
  • 同じ直敷きでも、畳の上なら畳が湿度を調整してくれるため、湿気を抑えられる
  • ベッドなら下を通る空気が湿気を逃してくれるため、フローリングほどは溜まらない
  • ※敷布団をそのまま敷いて寝るタイプのパイプベッドや、収納つきベッドでは湿気の逃げ場がないので注意
万年床にしている
  • ずっと布団を敷きっぱなしにしてしまうと、畳の調湿機能があっても湿気の逃げ場がない
  • すると、床の素材に関わらず湿気が溜まってカビがはえやすくなる
そもそも部屋全体の湿度が高い
  • ベッドなら直敷きよりは湿気が溜まりにくいが、そもそも部屋全体の湿度が高ければベッドにもカビははえる
  • 冬場は特に、外気温と室温の温度差で結露が発生し、部屋全体の湿度が上がる
  • さらに、日当たりの悪い部屋では日中太陽の光が当たらず、湿気や結露が乾かない
  • そして乾ききらないうちに再び夜になって湿気や結露が溜まり、カビがはえる
寝室にカーペットを敷いている
  • カーペットを敷いていると、部屋全体に湿気が溜まりやすくなる
  • 床暖房機能のあるフローリングの上にカーペットやラグマットなどを敷いていると、温度・湿度・エサ(ホコリなど)といったカビの好む条件が揃ってしまう
  • そして、カーペットやラグマット、フローリングからカビが布団についてしまう
寝汗を大量にかく赤ちゃんや子どもがいる
  • 赤ちゃんや子どもは新陳代謝が高いため、成人と比べて寝汗を大量にかく
  • 赤ちゃんや子どもが目覚めたあと、布団を触るとシーツがぐっしょり濡れていたということも
  • 大人でもストレスを抱えて自律神経が乱れ、睡眠中の体温調整がうまくいかないと寝汗の量が増えることも
  • 他にも、お酒の飲みすぎや加齢によるホルモンバランスの変化などで睡眠中に大量の寝汗をかくケースもある
  • このように湿気が多いときは、いつもより念入りに乾かさないとカビがはえやすくなってしまう
長期間、布団を押入れにしまったままにしている
  • お客様用の布団など、ずっと押入れに収納したままの布団がカビてしまうケースも
  • 暗くて閉め切った状態の押し入れは、湿気や結露が溜まりやすい
  • 温度変化もなく、カビの好むホコリやちりも多い押入れはカビが好む環境が揃いやすい

このように、布団にカビがついてしまう原因がさまざまな理由として、まずカビは屋内外を問わず空気中のどこにでも存在しているということが挙げられます。その数は1平方メートルに数個〜数千個にも及ぶほどで、以下のような4つの条件が揃うと一気に繁殖してしまうとされています。

  • 60%〜70%以上の湿度
  • 20℃〜30℃くらいの温度
  • 食品や畳、布団、ガラス、コンクリート、金属、ゴミ、ホコリやちりなどの栄養源
  • 酸素

カビが湿気を好むのは有名ですが、特に湿度が70%以上の状態だと繁殖しやすいとされています。人間が快適と感じる湿度は一般的に40〜60%とされていますので、人間が「ちょっと湿っぽいな」と感じたら、カビがはえやすい状態になっていると考えて良いでしょう。また、温度は厳密には25〜28℃がもっともカビの活動が活発になるとされていますが、0〜50℃の範囲であればカビは活動できてしまいます。

これらの湿度や温度がやっかいな部分で、布団やマットレスは一年を通じて良質な睡眠がとれるよう、人間にとって快適な湿度や温度を保つように設計されています。快適な睡眠を保つためには、理想的な温度が33℃±1℃、湿度が50%±5%とされ、これはカビの好む湿度や温度とだいたい一致します。

さらに、人間は睡眠中に200〜300cc(約コップ1杯)の寝汗をかき、湿気を増やしてしまいます。すると簡単に70%を超える湿気の場所が発生してしまうわけです。特に梅雨〜夏は高温多湿の環境ですから、カビに対しては多くの人が警戒している状態ですが、冬は室内が乾燥しているからそうそうはえないだろう、と油断してしまいます。

ところが、冬でも布団は十分にカビの好む環境を保ってしまうのです。冬は確かに寒いので、寝汗をかく量は減り、室内の湿気は少なくなるのですが、布団の内部や敷布団・マットレスの上面などは人間の体温で20〜30℃くらいの温度に保たれてしまいます。加えて床やフローリングは冬の外気温で冷えています。これらの温度差から、湿気が溜まりやすい環境になってしまうのです。

さらに、布団に染み込む寝汗の中にはアカ・フケ・皮脂など、カビの栄養源となる汚れもたっぷり含まれています。湿度・温度・栄養源、それに加えて空気中の酸素と、お布団はカビの好む条件が一年を通じて揃ってしまっている状態なのです。油断せず、冬でもしっかりカビ予防をしていきましょう。

布団やシーツについたカビの落とし方は?

では、布団やシーツにカビがはえてしまったら、どうやって落とせば良いのでしょうか。まずは、布団カバーやシーツなど、取り外せるパーツの場合はすべて外し、酸素系漂白剤でつけ置き洗いをします。洗うものが入る大きさの洗い桶(浴槽でもOK)に水を溜め、使用上の注意に従って水に合わせた量の漂白剤を溶かしたら、カバーやシーツを入れて1時間待つだけです。

最後に軽く水を切り、通常通り洗濯機で洗って乾かしましょう。真っ白なシーツやカバーであれば、酸素系漂白剤ではなく「塩素系漂白剤」で洗うと、やや生地へのダメージは増えるものの、よりキレイに真っ白く仕上がります。逆に、色柄もののシーツやカバーに塩素系漂白剤を使ってしまうと色落ちや色褪せが起こってしまいますので、注意しましょう。

敷布団についたカビはどうやって落とせばいいの?

敷布団についたカビは、消毒用のアルコール(エタノール)とティッシュやキッチンペーパーで拭き掃除を行いましょう。雑巾などでも構いませんが、使った後の布にカビがはえてさらに広がってしまうのを防ぐため、捨てても良い布を使うのがおすすめです。具体的な手順は、以下のように行います。

  1. カビがついた場所を含め、広めにアルコール除菌スプレーをかける
  2. キッチンペーパーなどで、カビをつまみとるように拭く
  3. 再度、アルコール除菌スプレーをかける(カビの再発予防)
  4. 完全に乾くまで天日干しし、完了

ポイントは、完全にアルコールが乾いてから布団を元に戻したり、しまったりすることです。完生乾きのまましまってしまうと、結局湿気がこもってしまい、カビが再び発生してしまうことがあります。また、アルコールでカビの本体はしっかり除菌できますが、カビが作ってしまう黒い色素のあとは取り切れないこともあります。

その場合は、塩素系漂白剤などを使って漂白しましょう。ただし、塩素系漂白剤を使うと布団の生地自体が傷んでしまいますので、おすすめの方法ではありません。まずは、カビの色素が残る前にこまめに布団を乾かすカビ予防と、カビがはえたらすぐに拭き掃除を行うことを心がけましょう。

床のカビ掃除も必要?

前述のように布団にカビがはえてしまった場合、敷布団を使っている場合や、マットレスを直接床に敷いている場合、布団のカビが床に移ってしまっていることもあります。そのときは、もちろん床のカビ掃除もしなくてはなりません

ティッシュやキッチンペーパー(雑巾でも可)・掃除機・消毒用エタノール(できればスプレー)」の3つを準備したら、以下の手順に沿ってカビ掃除を行いましょう。また、エタノールを使う前には床の目立たない部分に少しつけ、色落ちしないか確認してから使いましょう。

カビを拭き取る
  • ティッシュやキッチンペーパーに水を含ませ、床のカビが生えた部分を拭き取る
  • 雑巾でも構わないが、前述のように捨ててもよい布を使う
掃除機をかける
  • 床が濡れていて、カビが飛び散らないうちにほかの汚れを吸い取る
消毒用エタノールを吹きかける
  • 床のカビが生えた部分と、その周囲にぐるりとエタノール水をふきかける
  • 数分後、キレイなティッシュやキッチンペーパーなどで拭き取る
  • カビが取れたら、もう一度消毒用エタノールを吹きかけて完全に乾かし、終了

消毒用エタノールは、アルコールの濃度が70〜80%のものを使いましょう。買ってきても構いませんし、無水エタノールとスプレー容器を買ってきて水で8:2に薄めて使っても構いません。このやり方も、布団と同じようにカビの本体はしっかり除菌できるのですが、カビの作る色素は落とせないこともあります。床に色素が残ってしまった場合、床に塩素系漂白剤を使うことはできませんので、床掃除のプロに依頼しましょう。

おわりに:布団にカビがはえてしまったら、漂白剤やアルコールでカビ取りしよう

カビは60〜70%以上の湿度や20〜30℃の温度を好みます。これは、人の体温で温められ、寝汗で湿度が高まりやすい布団の湿度や温度と非常に近く、さらに皮脂やアカなどの栄養源もあることから、布団は一年を通じてカビが繁殖しやすい環境になっていると言えます。

そんな布団にカビがはえてしまったら、酸素系漂白剤やアルコールで取り除きましょう。黒い色素は塩素系漂白剤で落とせますが、素材にダメージがあるため注意が必要です。

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