もこもこで空気を含むダウンジャケットは、 冬場の寒い空気をシャットアウトしてくれる優れものです。しかし、その外見からなんとなく自宅で洗濯できず、必ずクリーニングに出さなくてはいけないというイメージを持っている人もいます。
そこで、今回は自宅で洗濯できるダウンジャケットの見分け方や洗い方、失敗しないためのコツをご紹介します。ぜひ、自宅でダウンジャケットを洗濯するときの参考にしてください。
洗濯できるダウンジャケットかどうか確認するにはどうすればいい?
ダウンジャケットを洗濯する前に、まずはそのダウンジャケットが自宅で洗濯できるものかどうかを確認する必要があります。ダウンジャケットの内側にタグなどでついている「洗濯表示」をチェックしましょう。洗濯機マークまたは手洗いマークがついていれば、自宅で洗濯できるダウンジャケットです。
逆に、洗濯機マークにも手洗いマークにも×がついている場合や、ドライマークがついているものは自宅で洗濯できません。ウールのものは洗うと縮みが出る可能性がありますので、洗濯OKのマークがあっても自分では洗濯しない方が良いでしょう。レザージャケットも「自宅で洗える」とうたっているもの以外は自宅での洗濯はできません。これらのダウンジャケットは、クリーニングに出してプロに任せましょう。
また、フードにファーがついているダウンジャケットの場合、ファーは水洗いできませんので事前に取り外しておきましょう。
ダウンジャケットの洗い方は?
では、実際にダウンジャケットを洗う方法について、洗濯機と手洗いの2種類に分けてご紹介します。
ダウンジャケットを洗濯機で洗う方法は?
自宅の洗濯機に、「手洗いコース」「ドライコース」など、弱水流で洗えるコースがあるなら、洗濯機で洗うこともできます。具体的には、以下のような手順で洗っていきましょう。
- 折りたたんだジャケットを、洗濯ネットに入れる
- ジャケット全体が浸るくらいの水(できれば30℃くらいのぬるま湯)を洗濯槽に入れる
- 水の量に合わせた洗剤を入れ、洗濯液を先に作る
- 洗濯ネットごとジャケットを洗濯液の中に入れ、数回押すようにして水中に沈める
- 手洗いコース・ドライコースなどの弱水流コースで洗濯する
- 脱水は1分以内で終わらせる
- 洗濯槽から取り出し、羽毛の偏りを直すようにして形を整える
- ハンガーにかけ、風通しの良い日陰に干して乾かす
水の中に沈めるのは、ダウンジャケットが浮いたままになってうまく洗濯できないという状態を防ぐためです。ですから、一緒に洗うバスタオルなどでくるみ、水の中に押し込むなどの工夫をしても良いでしょう。
ダウンジャケットを手洗いで洗う方法は?
手洗いで洗う手順は、以下のようになります。
- ダウンジャケットの形を整える
- 前ボタンやファスナーをしっかり閉め、形を整えて折りたたむ
- 洗濯液でそっと押し洗いする
- 洗い桶(風呂桶や洗面台でもOK)に、ダウンジャケットが浸かるくらいの30℃くらいのぬるま湯を張る
- お湯の量に応じて洗剤を入れ、折りたたんだジャケットを水に沈める
- そっと押しながら全体に洗濯液を染み込ませるように押し洗いする
- 力は込めず、そっと押し洗いするのが基本
- 洗剤液が全体に染み込むと、押し洗いの度に中の液が循環して洗濯できる
- 2〜3回やさしく押し洗いする
- 水を替え、すすぐ
- 押し洗いが済んだら、水を替えてキレイなぬるま湯に沈め、同じように押してすすぐ
- 2〜3回すすいで、水の濁りが消えて泡が立たなくなってきたら終了
- 脱水する(※絞らない!)
- 水を捨てたら、軽く押して中に溜まった水分を抜く(このとき、絶対に絞らない)
- 大きなバスタオルなどを広げ、その上にジャケットをのせ、バスタオルで挟むようにして水気を取る
- バスタオルが濡れてきたら取り替え、できるだけ水分を取り去る
- 乾いたバスタオルを用意して広げ、その上に広げた形でジャケットを乗せ、乾燥させる
- 陰干しする
- ある程度水分が抜けて軽くなったら、ハンガーに吊るして風通しの良い日陰に干す
- 室内干しでもOK、しっかり中まで乾燥させる
- 最初からハンガーで干してしまうと、ダウンが下の方に寄ってしまうので注意する
手洗いでは洗濯ネットなどに入れるのではなく、しっかりキレイに折りたたんで洗っていきます。また、洗浄力が高まるぬるま湯を使いましょう。
洗濯する際のポイントは?
手洗いでも洗濯でも、「専用の中性洗剤を使う」「干すときに形を整える」という2点が重要です。まず、専用洗剤とは一般的な衣類用の洗剤ではなく、ダウンジャケット専用洗剤のことです。ダウンやニットなどの特殊な素材は、通常の衣類用洗剤を使ってしまうとボリュームがなくなったり、縮んだり色褪せたりしてしまいます。必ず専用の中性洗剤を使いましょう。
また、干すときにダウンの中身が偏らないよう、形を整えることが非常に大切です。一部が薄くなったり固まったりしないよう、脱水や陰干しの際には十分注意しましょう。
ダウンジャケットの洗濯を失敗しないための秘訣ってある?
ダウンジャケットの洗濯を失敗しないために、2つのコツをおさえましょう。具体的には「汚れがひどい部分にはあらかじめ前処理を行うこと」「前処理には、薄めた洗剤液を使うこと」の2点です。
- 汚れが目立つ部分をチェックする
- 特に汚れやすいのは「襟・袖口・ポケット口」
- 前身頃や肘にシミがついていないかもしっかりチェック
- 薄めた洗剤液で前処理する
- 洗面器などに水を入れ、おしゃれ着用の中性洗剤(または専用洗剤)を適量加えて洗剤液を作る
- やわらかいスポンジに洗剤液をつけ、汚れの部分を軽く叩く
- ※生地を傷めてしまうため、スポンジでこすらないよう注意
- 食べ物などのシミがあった場合は、シミ用の部分洗い剤や液体酸素系漂白剤の原液をつけておく
こうした前処理をしておくことで、効率的にキレイに洗濯できます。
それでも失敗してしまったら…?
コツや注意点に気をつけていたつもりでも、失敗してしまうことはあります。そのときは、以下のように処理しましょう。
ぺっちゃんこになってしまったら
洗った後、固まったダウンをほぐすのを忘れてしまうと羽毛どうしがくっついたまま乾燥し、ぺっちゃんこになってしまいます。さらに、放っておくと羽毛は団子状に固まったまま乾きますので、無理やりほぐそうとすると割れてしまいます。割れてしまったら再生できなくなってしまいますので、ぺっちゃんこになった場合は「無理せず、やり直し」しましょう。
つまり、もう一度水に浸してダウンを濡らし、手洗いのときと同じように水を切って、濡れたままの状態でダウンが均一になるように平らにならします。後は、ある程度軽くなったら陰干ししましょう。ふんわりとした状態が戻ってくるはずです。
シミができてしまったら
ダウンはキルティング加工によって羽毛が分散し、全体を暖かく保っています。このキルティングの縫い目部分に汚れが溜まってしまうことがあり、その溜まった汚れをすすぎで落としきらないまま乾かしてしまうと、縫い目に沿って汚れがシミになってしまうことがあります。
こうなった場合は、最初から洗い直しましょう。完全に落ちるかどうかは汚れの多さや濃さなどにもよりますが、たっぷりのぬるま湯でしっかり汚れや洗剤の溶け残りを流し落とします。もし、もう一度洗い直しても汚れが落ちない場合は、クリーニングに出してプロに洗ってもらいましょう。
おわりに:ダウンジャケットも自宅で洗濯できる場合がある!
ダウンジャケットも、一般的なものは自宅で洗濯できるものが多いです。ウールやレザーは難しいので最初からプロに任せた方が安心ですが、それ以外の素材の場合は、ぜひ一度洗濯表示を確認してみましょう。
手洗い・洗濯機のいずれも、しっかり水に沈めて専用の洗剤を使った洗濯液に浸し、脱水後は形を整えることが重要です。失敗してしまった場合もリカバリ方法はありますので、洗濯表示がOKならぜひ自宅で洗濯してみましょう。
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