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レーヨンを自宅で洗濯する方法と縮んだときの対処法

洗濯して清潔になったレーヨン生地 お洗濯のコツ

レーヨンという繊維は人工的に作られた繊維ではありますが非常にデリケートなため、自宅での洗濯は難しいとされています。ただし、洗濯機や手洗いができないわけではありません。この記事では、レーヨンの特徴や洗濯するときのポイントと注意点、縮んだときの対処法などについて詳しく解説します。

レーヨンの特徴とメリット

レーヨンとは、人工的に絹(シルク)に似せて作られた素材であり、昔は「人絹(じんけん)」と呼ばれていました。レーヨンという言葉は、フランス語で「光」という意味の「Ray(レイ)」が語源で、シルクに似た美しい光沢があることからつけられました。そのなめらかな手触りから、シャツや服の裏地としてよく使われています。アロハシャツやネクタイ・スカートなどでもよく見かけます。

紙と同じように「セルロース繊維質」から作られた再生繊維で、ポリエステルなどの石油化学合成繊維とは異なり、木材のパルプやコットンに含まれているセルロースという繊維を化学的に加工して糸にしています。自然の材料から合成されていることから「天然由来繊維」とも呼ばれ、捨てる際は土中に埋めれば微生物に分解されて土に還るため、エコな合成繊維とも言えます。

レーヨンは化学合成でシルクのような繊維を生み出すことが目的で作られただけあって、柔らかい質感と優しい肌触りが特徴です。レーヨン自体のpHが人肌と同じ弱酸性であるため、レーヨンは肌に優しいとされています。また、天然繊維のウールに次いで高い吸湿性を持ち、保湿性も高いことから一年を通じて着られ、消臭効果も期待できます。

また、取り扱いの簡単な染料で染めやすく、生地に光沢があることから同じセルロース繊維でも、綿より発色が良いという特徴もあります。さらに、動いたときにキレイに広がるドレープとしての役割も果たしてくれますので、ブラウスや女性の下着に使われるほか、ニットなどに使われることもあります。

レーヨンのデメリット

上記のようにたくさんのメリットがあるレーヨンですが、その一方で水に弱いというデメリットがあります。紙と同じセルロース繊維でできていることから、レーヨンも水を吸って膨らむと伸びて生地が破れやすくなったり、乾燥後に縮んだりしてしまいます。形態安定加工や防シワ処理をしてある服なら縮みにくいと考えられますが、衣服の形状によっては型崩れしやすくなるかもしれません。特に雨の日などは、うっかり破いてしまわないよう気をつけましょう。

このような特徴から、レーヨン素材の服は自宅で洗濯しにくいとされています。また、水に濡れたときに染料が溶け、輪染みができやすいという弱点もあります。これは「ウォータースポット現象」と呼ばれるもので、着る前に撥水スプレーを吹きかけておいたり、そもそも撥水加工がされているものを選んで買ったりすれば防げるでしょう。

綿や麻などの天然素材もそうですが、レーヨンもまた縮みやすく、一度縮んでしまうと元に戻りません。また、小ジワができやすい生地でもありますので、雑巾を絞るようにギュッと絞ってしまうと小さなシワがついてしまいます。洗濯機で脱水するときには、タオルで包んでネットに入れ、脱水時間も短めにするなどの工夫が必要です。

レーヨンを洗濯するときのポイントと注意点

前述のとおり、レーヨンは合成繊維ですが、シルクに似せて作られただけあって非常に繊細な繊維ですから、取り扱いは慎重にしましょう。水に濡れると強度が下がり、縮んでしまいますので、洗濯機で洗う場合は特に注意が必要です。洗濯する前に、まずは以下の2点を確認しましょう。

洗濯表示のチェック
  • 自宅で洗濯できるのは、洗濯機で洗える表示か手洗いできる表示がついているもの
  • ドライマークなどがついているものは、水洗いできないため洗濯機も手洗いも不可
  • 最近では「ウォッシャブルレーヨン」という洗える生地が使われたものも多く、たいていは水洗いできる
おしゃれ着用の中性洗剤を用意する
  • デリケートな素材なため、一般的な衣料用の洗剤ではなく、おしゃれ着用の中性洗剤を使う
  • 水の温度は30℃以下に設定し、手早く洗う
色柄ものは色落ちしないかどうか確認する
  • 洗濯したい衣類が色柄ものの場合、色落ちしないかどうか確認する
  • レーヨンは水に濡れると染料が溶け出しやすいため、色移りしやすい
  • 中性洗剤の原液を目立たないところに数分間つけておき、その後白い布などを当てて色移りしないことを確認する
  • 色移りがなければそのまま洗濯OK。色移りがあれば、クリーニングに出すかその衣類だけ分けて洗濯する

たらいに×マークがついた「水洗い不可」のレーヨンは、自宅で洗濯できません。このような服はクリーニングに出しましょう。どうしても汚れを落としたい場合は、濡れタオルで軽く叩いて汚れを吸い取る程度にとどめておきます。

では、実際に洗濯機と手洗いでレーヨン生地の服を洗う方法について見ていきましょう。

洗濯機でレーヨンを洗濯する手順

洗濯機でレーヨンを洗うときは、「おしゃれ着用の中性洗剤」「洗濯ネット」の2つを準備します。特に、洗濯機の水流は激しいので引っ張られたり絡まったりしてしまうのを防ぐため、必ず洗濯ネットに入れて洗いましょう。汚れている部分が外側になるように軽くたたんで洗濯ネットに入れたら、以下のような手順で洗濯していきます。

  1. 洗濯ネットごと洗濯機に入れ、30℃以下の水と中性洗剤を入れる
  2. 「ドライコース」や「手洗いコース」などのやさしいコースを選んで洗濯する
  3. すすぎまで終わったらよく見ておき、脱水が始まって10秒くらいで止めて取り出す

一般的な衣類用洗剤は弱アルカリ性で、色落ちや型崩れ、縮みの原因になってしまいますので、必ずおしゃれ着用の中性洗剤を使いましょう。同じように30℃を超える高温も色落ちや縮みの原因になりやすいため、30℃以下の水道水を使いましょう。

そして、脱水は長くかけていると型崩れの原因になりやすいです。脱水が始まったら10秒程度で取り出すか、すすぎまで終わった時点で乾いたタオルなどにくるみ、洗濯ネットに戻して30秒程度かけるかのいずれかで脱水しましょう。

手洗いでレーヨンを洗濯する手順

手洗いでレーヨンを洗うには、「おしゃれ着用の中性洗剤」「洗面器(洗い桶)」「バスタオル」を準備します。準備ができたら、以下のような手順で洗濯していきましょう。

  1. 洗面器(洗い桶)に30℃以下の水と水量に合った洗剤を入れ、洗濯液を作る
  2. レーヨンを入れ、やさしく押し洗いする
  3. 洗面器にキレイな水を入れ直し、泡が出なくなるまですすぐ
  4. 大きめのバスタオルに服をはさみ、タオルドライする

レーヨン素材の色落ちや縮みが気になる、大切な衣類を洗うという場合には、手洗いがおすすめです。短時間で洗濯を済ませられるほか、洗濯機での機械による洗濯や脱水を行わないため、繊維へのダメージが小さく済みます。洗うときはやさしい押し洗いで、もみ洗いや擦り洗いをしないよう気をつけましょう。

押し洗いが済んだら、洗面器の水を真水に替えながら泡が出なくなるまでしっかりすすぎます。その後、大きめの乾いたバスタオルではさんで水分を吸い取ります。この過程を短時間で済ませるほど衣服へのダメージは少ないですから、押し洗いからタオルドライまではだいたい2分くらいで済ませられると良いでしょう。

レーヨンの干し方と縮んでしまったときの対処法は?

脱水までが済んだら、レーヨンを干していきます。まず、仕上がりをキレイにするためにシワを伸ばしていきましょう。衣類を上下にやさしく振って大きなシワを伸ばしたら、小さなシワを丁寧にのばすように平干しをします。ここでしっかりのばしておくことで、シワがのびるだけでなく、縮みも元に戻すことができます。

平干しをする場所は、風がよく通る日陰が良いでしょう。レーヨンはデリケートな素材なので、直射日光に当てると色褪せしてしまう可能性があります。また、室内干しではニオイが残る可能性もありますので、できれば屋外で平干ししましょう。型崩れしないためには平干しがおすすめですが、場合によってはハンガーに吊るして重みで縮みをのばす方法もあります。

洗ったレーヨンの服が縮んでしまったら?

前述のような平干しでも縮みが戻らなかった場合は、アイロンで縮みをのばせることがあります。アイロンで縮みを戻したい場合は、まず一度完全に乾いていることを確認しましょう。レーヨンは水に弱い性質がありますので、水分を含んだままアイロンをかけると生地に大きなダメージを与えてしまいます。

しっかり乾いているのを確認したら、アイロンを130〜160℃の「中温」に設定し、薄い色のあて布をした上から手早く滑らせるようにアイロンをかけていきます。アイロンをかけながら少し引っ張るとより縮みが直りやすいです。また、高温にすると衣類が傷んでテカってしまったり、固くなってしまったりすることもありますので注意しましょう。

スカートなど面積の広い衣類の場合、レーヨンの繊維に沿ってアイロンをかけると型崩れせずキレイにシワをのばせます。このとき、スチームをかけないよう気をつけましょう。スチームは水蒸気(=水分)ですから、やはりレーヨンを傷めてしまいます。水を入れずに使うか、スチーム機能を切っておきましょう。

レーヨンはどうやって保管すればいい?

レーヨンを保管するときは、湿気と虫食いに注意しましょう。いずれも自然の素材から合成した繊維であるがゆえの問題点ですが、ここまで説明してきたように湿気があると縮んでしまう性質がありますので、収納ケースに入れる場合は乾燥剤を一緒に入れ、湿気から衣類を守りましょう

虫食い対策としては、防虫剤を入れるのも良いですが、そもそも虫を引き寄せないために汚れが残らないよう、保管する前に一度洗濯するのを忘れないようにしましょう。襟や袖の汚れにはおしゃれ着用の中性洗剤が効果的ですので、洗濯の際にしっかり押し洗いをし、食べ物のシミや黄ばみには酸素系の漂白剤が効果的ですので、直接塗って洗濯すると良いでしょう。

おわりに:レーヨンは湿気に弱いため、乱暴に扱わないよう気をつける

レーヨンは人工的に作られた繊維ですが、紙と同じ木材パルプなどに含まれる「セルロース繊維」を使った繊維であることから、土中に埋めれば土に還るというメリットがある反面、水や湿気に弱いというデメリットもあります。そのため、洗濯の際には洗濯ネットに入れてやさしく洗えるコースで洗うか、手洗いでやさしく押し洗いを行いましょう。また、洗濯で縮んでしまった場合はドライアイロンでシワを取れることがあります。

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