ササゲ豆は、お赤飯などで使う大豆によく似た豆のことです。古くからお祝い事に使われてきましたが、独特な風味を活かしたレシピも増えてきています。
今回は、ササゲ豆の栄養効果と美味しく食べるコツについて食材大辞典としてまとめました。
ササゲ豆の特徴と期待できる栄養効果は?
ササゲ豆は、アフリカが原産とされ、日本では平安時代から栽培されています。同じ仲間の小豆と見た目がそっくりで味も栄養も大きくは変わりませんが、小豆は茹でると柔らかくつぶれやすいのに対して、ササゲ豆は粒が大きめで煮崩れせず皮が破れにくいという特徴があります。皮が裂けた姿が切腹を連想させ小豆の赤飯は縁起が悪いと武士に嫌われた名残から、お祝い事の料理にはササゲ豆がよく使われます。主に次のような栄養効果が期待できます。
- 疲労回復、成長の促進
- 糖質をエネルギーに変え疲労回復やスタミナ増進に有効なビタミンB、脂肪を燃焼させ細胞の新陳代謝をうながすビタミンB2を豊富に含む
- 皮膚や粘膜の健康維持や脳神経を正常に保つナイアシン、動脈硬化を予防するパントテン酸、貧血予防や胎児の成長を助ける葉酸など他のビタミンB群も豊富
- 老化や生活習慣病の予防
- 抗酸化作用のあるビタミンEを含み、動脈硬化、皮膚や血管の老化を予防する
- 高血圧を予防するカリウム、心の安定を助けるカルシウム、動脈硬化や糖尿病を予防するマグネシウム、貧血を予防する鉄、新陳代謝を促進し味覚を正常に保つ亜鉛などのミネラルをバランス良く含む
- 不溶性食物繊維も豊富で、整腸作用により腸内の老廃物やコレステロールを体外に排出し、便秘や生活習慣病を予防する
ササゲ豆の選び方と保存方法のポイントは?
ササゲ豆の選び方と保存方法のポイントは、以下の通りです。
- ササゲ豆の選び方のポイント
- 粒にシワやひび割れがなく、ふっくらとして表面につやがあり大きさが揃っているものを選ぶ
- ササゲ豆の保存方法のポイント
- 開封前なら乾燥した冷暗所に、開封後なら密封袋に入れたうえで缶に入れておけば長期保存できる
- 下茹でした豆は冷蔵保存できる
- 長期に保存するなら1回に使う分量に分けて冷凍する
- 冷凍保存するときは、旨味と栄養素を含む茹で汁も捨てずに保存する(ドレッシングやスープにも使える)
- 煮物やスープに使うなら汁ごと、炒め物用なら豆と汁を別々にして冷凍保存する
ササゲ豆の茹で方とおすすめの食べ方は?
下茹での手順は次の通りです
- 割れたり虫食いのある豆を取り除き、たっぷりの水でさっとかき混ぜて洗うのを水を替えて2~3回繰り返す
- 戻さずに水と一緒に鍋に入れ、蓋をしないで中火~強火にかけて沸騰し始めたらそのまま数分煮立てて差し水をし、再び煮立ったらアクを取る
- 弱火にして落とし蓋をし、食べてみて生ではないがまだ少し固い状態で火を止める
煮物やカレーなどに使うならやや硬めに、サラダや炒め物などに使うなら指先で軽く押してつぶれる程度に、甘く煮含める場合は軟らかくなるまで茹でます。砂糖は必ず豆が柔らかくなってから入れるようにします。代表的な食べ方はやはり煮豆とお赤飯でしょう。お赤飯は炊飯器で炊けば手間もかからず簡単にできます。
おわりに:疲労回復や老化、生活習慣病などの予防効果が。料理により茹で加減を調整しましょう
ササゲ豆には、ビタミンB群やビタミンEのほか、ミネラル類や食物繊維がバランスよく含まれています。代表的な料理はお赤飯ですが、調理する場合は料理によって下茹でしての茹で加減を調整し、甘く煮含める際は砂糖は必ず豆が柔らかくなってから入れます。栄養たっぷりの茹で汁も捨てずに使いましょう。
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