ツワブキは野草の一種です。昔は摘み取ったものを食べていましたが、最近は購入することもできるようになりました。少しクセがありますが、正しくアク抜きすれば味わい深い面白い料理ができます。
今回は、ツワブキの栄養効果とアク抜きや保存方法について食材大辞典としてまとめました。
ツワブキにはどんな栄養が含まれているの?
ツワブキ(石蕗)は、暖かい地域の海岸べりなどに自生する、一見フキに似た野草です。常緑性で産毛がびっしりと付き、葉は厚くツヤがあり秋に黄色い花を咲かせる、食用よりも観葉植物として知られた春の食材です。昔から民間療法として葉の煮汁や炙ったものが下痢や食あたり、筋肉痛、できもの、虫刺され、切り傷、打撲などに使われてきました。主に次のような栄養を含みます。
- ヘキセナール
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- 高い抗菌作用がありウイルスから体を守る
- 細胞の老化や血栓の発生を防ぎ、便秘の改善、高血圧や動脈硬化の予防にも効果があるとされる
- 食物繊維
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- 有害物質やコレステロール、糖類などの腸管からの吸収を抑制する働きがある
- がんや動脈硬化、糖尿病の予防に効果が期待できる
- 腸内環境を整え善玉菌を増やす
- 排便量を増加させ、便秘解消を促す
- コレステロールを減少させる
- カリウム
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- 体内の余分な水分や塩分を体外に排出してむくみを防ぐ
- 高血圧を予防する
- 激しい運動後の筋肉のけいれんなどを抑える
- ビタミンC
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- 風邪などの感染症を予防する
- 抗酸化作用により老化を抑える効果が期待できる
ツワブキの選び方と保存方法のポイントは?
ツワブキの選び方と保存方法のポイントは以下の通りです。
- ツワブキの選び方のポイント
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- 葉や茎に張りがあり柔らかい毛でおおわれている新鮮なものを選ぶ
- 茎の部分だけが売られていることが多いが、葉付きのものがあれば葉の状態も確認する
- 異臭やぬめり気があり、葉がしおれていたり茎が変色しているものは腐っているので避ける
- ツワブキの保存方法のポイント
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- 鮮度が落ちやすく傷みやすい
- 葉は茎から切り離してから下処理し、ラップに包んで冷蔵保存しなるべく早めに使い切る
- 1~3日以内に食べるときは、新聞紙で包み暗所で保存
- 4~5日保存する場合は、下茹でし水を張ったタッパーなどに入れて毎日水を交換し冷蔵保存
- 1カ月程度保存したいときは、下茹でし保存袋に入れて冷凍保存
- 半年程度保存するときは、下茹でし天日干しした後、瓶などの容器に入れ保存
ツワブキのアク抜きのコツとおすすめの食べ方は?
ツワブキにはピロリジジンアルカロイドと呼ばれる肝臓に有毒な成分が含まれており、食べるにはアク抜きが必要です。以下の手順を参考に、おいしく安全に食べましょう。
- 沸騰した熱湯に太い根元部分を浸し、かき回すようにしながら30秒ほど茹で、そのまま柄の部分まで全部熱湯に浸してさらに20秒ほど茹でる
- 茹で上がったらザルにあげて熱いうちに皮をむき、水に浸して食べやすい長さに切り揃えておく
- 広口の鍋に2%ほどの塩を加えた水を沸騰させ、2分ほど茹でる
- 茹で上がったら冷水に放ち、そのまま水にさらしてさらにアクを抜く
なお佃煮などにする場合は、皮をむいてから水に一晩ほどさらしておけば大丈夫です。食べ方は、定番の佃煮やキャラブキ、炒め物のほか、パスタの具、煮物、スープや味噌汁など汁物の季節感のある具としても楽しめます。
おわりに:菌やウイルス、有害物質から体を守ります。必ずしっかりアク抜きをして使いましょう
ツワブキは、菌やウイルス、さまざまな有害物質から体を守るほか、細胞の老化を防ぐ働きもあります。ただし、肝臓に有毒な成分が含まれているので、食べる前に硬い皮をむきしっかりとアク抜きをすることが必要です。
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