ベッドに敷く場合も、床や畳で使う場合も、マットレスには寝ている間にフケ・アカ・皮脂汚れなど、さまざまな汚れが溜まってしまうものです。そのため、お風呂あがりにしか寝ていないというマットレスでも、定期的にお手入れが必要です。
特に、自宅で洗濯してしまえばお金もかからず好きなときにお手入れできます。そこで、今回はマットレスを自分で洗濯する方法について見ていきましょう。
自分で洗濯できるマットレスの種類って?
マットレスにはさまざまな素材や種類がありますが、洗濯方法で分けると大きく「スプリング(コイル)マットレス」「高反発ウレタンマットレス」「低反発ウレタンマットレス、ラテックスマットレス」「高反発ファイバーマットレス」の4種類に分けられます。洗濯方法もざっくりと「専門業者に任せる」「濡れタオルで掃除する」「水洗いする」「側生地を外して洗濯機で洗う」の4種類に分けられますが、それぞれどんな洗い方ができるのか見ていきましょう。
スプリング(コイル)マットレスの洗濯方法って?
スプリング(コイル)マットレスとは、マットレスの内部にスプリング(コイル)が内蔵されている「ポケットコイルマットレス」「ボンネルコイルマットレス」などのことを指します。これらのマットレスの場合、汚れがマットレス全体に広がっているようであれば、専門のクリーニング業者に依頼しましょう。
マットレスの洗浄クリーニングでは、汚れだけでなくカビやダニの除去にも効果が得られます。しかし、一方である程度の費用がかかるというデメリットもありますので、マットレスがあと何年くらい使えそうか、へたりや使用感の悪さはないかなど、買い替えの時期と併せて検討する必要があります。
もし、汚れが手のひらサイズくらいの限定的なシミなどであれば、濡れタオルで掃除をするだけでも十分汚れを除去できるでしょう。厚みが20cmを超えるスプリングマットレスの場合は、内部を湿らせてしまうと乾かすのに苦労しますので、あまり濡らしすぎないよう気をつけましょう。
高反発ウレタンマットレスの洗濯方法って?
高反発のウレタンだけで構成されるマットレスは、水濡れに弱いものが多いためクリーニング業者では扱ってもらえない場合が多いです。そのため、基本的には自分で洗濯することになります。側生地がマットレスから外せるものであれば、側生地を洗濯機で洗うとともに、水洗い可能なウレタンなら中身を水洗いすると良いでしょう。
側生地が取り外せないタイプのマットレスの場合は、濡れタオルで掃除を行うことになります。ウレタンによっては水分に弱いものもありますので、水が染み込みすぎないように注意しながら汚れを取りましょう。
低反発ウレタンマットレス、ラテックスマットレスの洗濯方法って?
低反発ウレタンマットレスやラテックスマットレスは水に弱く、濡れると一気に劣化が進んでしまうため、クリーニング業者では取り扱ってもらえません。そのため、濡れタオルで水が染み込まないよう気をつけながら掃除することになります。もし、汚れがペットの尿など染み込んでしまうタイプのものの場合は、丸洗いできませんので買い換えるしかありません。
高反発ファイバーマットレスの洗濯方法って?
高反発ファイバー素材のマットレスは、たいてい側生地を取り外せますので、側生地を洗濯機で洗い、中身の高反発ファイバー素材は水洗いしましょう。水だけでなく中性洗剤を使って洗うこともできますので、汚れの程度に応じて使い分けると良いでしょう。
マットレスを自分で洗濯する方法は?
マットレスを自分で洗濯する方法は、上記のように濡れタオルでの掃除、水洗い、側生地を洗濯機で洗うという方法のほか、種類は少ないものの中身が綿の場合、お湯で手洗いする方法もあります。それぞれ順番に見ていきましょう。
マットレスを濡れタオルで掃除する方法って?
子どもやペットのごく少量のおねしょ、ついたばかりの血液などの場合、濡れタオルでたたき洗いを行いましょう。
- 中性洗剤を薄めた水で、タオルを濡らし軽く絞る
- 汚れの箇所を濡れタオルで押し叩きながら、汚れを落としていく
- タオルが汚れを吸収したら、タオルをキレイな水で洗い、再び中性洗剤を薄めた水に浸してさらに押し叩きしていく
- 汚れやニオイがなくなったら、キレイな水で洗ったタオルで叩いていき、洗剤を落とす
- 乾いたタオルを押し当て、水分をとる
- しっかり乾かす
ウレタンなど、生地によっては水に濡れると大きく劣化してしまうマットレスもありますので、濡らすのはできるだけ表面に近い部分にとどめ、内部まで濡らさないよう気をつけましょう。そして、最後にはダニ・カビ・雑菌が繁殖するのを防ぐため、しっかり乾かさなくてはなりません。乾いたタオルで水分をある程度吸い取ったら、布団乾燥機やドライヤーで完全に乾かしましょう。
カバーではなく中身のウレタンに汚れがついてしまい、そのウレタンが水洗いできないタイプだった場合は、洗濯用の中性洗剤を染み込ませたタオルで汚れている部分を拭き、その後にお湯(40℃程度)を染み込ませたタオルで洗剤を拭き取りましょう。その後、紫外線によるダメージを防ぐため、陰干しでしっかり乾かします。
マットレスを水洗いする方法って?
高反発ファイバーマットレスや高反発ウレタンマットレスの一部は、水洗いできるマットレスです。一方、低反発ウレタンマットレスは水洗いできませんので、この点に注意しましょう。高反発ウレタンマットレスが水洗いできるかどうかは取扱説明書で確認するか、端の方を少しだけ水で濡らしてみて、膨張したりボロボロになったりしないかで確認しましょう。
高反発ファイバーマットレスの場合、水で流せばほとんどの汚れは落とせます。ニオイがひどい場合や汚れがこびりついてしまっている場合は、お風呂の浴槽に水を張って中性洗剤を少し垂らし、その中で洗いましょう。水洗い可能な高反発ウレタンマットレスは、水で濡らしながら押し洗いを行います。このとき、こすったり絞ったりしてウレタンが欠けたりちぎれたりしないよう気をつけましょう。
マットレスの側生地を洗濯機で洗う方法って?
マットレスから側生地を取り外せる場合、ほとんどは家庭用洗濯機で側生地を丸洗いできます。ただし、乾燥機を使うと生地が縮んでしまう可能性がありますので、乾燥機を使うのは避けましょう。側生地が縮んでしまうと、マットレスの中材が歪んだりして寝心地が悪くなってしまうことがあります。
側生地を洗い終わったら日陰で陰干しを行いますが、この場合も多少生地が縮んでしまうことがあります。洗濯による生地の縮みを防ぐためには、洗濯後に縦横に引っ張ってから乾かすと良いでしょう。
中身が綿のマットレスを手洗いする方法って?
中身が綿のマットレスの場合、浴槽に約40℃のお湯を張って洗濯用の中性洗剤を溶かし、その中で足踏みや手押しで押し洗いしましょう。汚れが落ちたら一度水を流し、浴槽にキレイな水を溜めて足踏みや手押しで押し洗いし、洗剤を流していきます。流し終わったら風通しの良い場所で陰干しし、完全に乾かしましょう。
マットレスに必要な洗濯以外のお手入れ方法は?
マットレスを長持ちさせるためには、洗濯以外にもこまめなお手入れが重要です。特に「マットレスをローテーションする」「定期的に陰干しする」「保護アイテムを使う」の3つのことを心がけるのが良いでしょう。
マットレスをローテーションする方法って?
両面が使えるマットレスの場合、定期的に表裏をひっくり返してローテーションしましょう。具体的には、以下のような順番でローテーションを行います。
- マットレスを180度回転させ、上下を入れ替える
- マットレスの表裏を入れ替える
- 再度、マットレスを180度回転させ、上下を入れ替える
- 再度、マットレスの表裏を入れ替える
ローテーションを行うと、同じ箇所にだけ体重の負担がかかるのを防ぎ、マットレスのくぼみを抑えて長持ちさせることができます。ローテーションの頻度としては3ヶ月に1回くらいが目安で、3ヶ月経ったら上下を入れ替え、次の3ヶ月が経ったら表裏を入れ替え、次の3ヶ月が経ったらマットレスを180度回転させ、という順番でローテーションしていきます。
マットレスは定期的に陰干ししよう
マットレスには、どうしても寝ている間に寝汗などの湿気が溜まりやすいものです。しかし、湿気をそのままにしておくとマットレスの劣化を早めてしまいます。そこで、風通しの良い日陰で定期的に陰干しし、湿気を飛ばしましょう。カビやダニの繁殖を防ぐことにもつながりますので、3日〜7日に1回程度行いましょう。
マットレスを保護するアイテムにはどんなものがあるの?
マットレスを長持ちさせるために、マットレスを保護するアイテムを使うのもおすすめです。例えば、以下のようなアイテムを使いましょう。
- 敷きパッド
- マットレスに寝汗が侵入するのを防ぎ、カビやダニの発生を抑えてマットレスの寿命を延ばす
- ベッドパッド
- 一度くぼんでしまったマットレスに敷いて、寝心地を調節する
- 敷きパッド同様、マットレスに寝汗が入るのを防いで劣化防止する役割もある
- マットレスプロテクター
- 防水加工がされていて、湿気からマットレスを守る
- 寝汗も通りにくくなることから、カビやダニの発生を防ぎマットレスの寿命を延ばす
おわりに:マットレスを自分で洗濯するには、側生地を丸洗いか濡れタオルで押し叩く
マットレスを洗濯すると言っても、洗濯機にそのまま入れられるわけではありませんので、素材などによって側生地を外して洗ったり、濡れタオルで押し叩いたりする方法が主です。直接水洗いできるのは高反発ウレタンマットレスの一部と高反発ファイバーマットレスです。
洗濯以外にも、マットレスを陰干ししたり保護アイテムを使ったり、ローテーションを行ったりするとマットレスの寿命を延ばし、清潔に使い続けられます。
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