毎日寝る場所として使うマットレスは、できる限り清潔に保ちたいですね。お風呂に入った後の清潔な身体で寝ているので、汚れを意識していない人も多いのですが、皮脂汚れや寝汗など、どうしても避けられない汚れはあるものです。
そこで、今回はマットレスにつく汚れの原因や掃除方法についてご紹介します。汚れ別の掃除方法もお話ししていますので、ぜひ参考にしてください。
マットレスの汚れの原因って?
マットレスにつく汚れはホコリや髪の毛、フケ、皮脂、汗など主に人間の身体から落ちるもので、特に一晩でかく寝汗の量はコップ1杯分とも言われています。こうしたさまざまな汚れを吸収したり付着したりしているマットレスは、一見汚れて見えなくてもたくさんの汚れが染み込んでいます。
このようにマットレスに溜まった湿気や汚れを放置していると、汚れをエサにカビやダニが繁殖してしまうこともあります。
- カビ
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- 長期間ベッドやマットレスをお手入れせずそのままにしていると、黒カビや白カビがはえてしまうことがある
- カビは木材によく付着し、ただ拭いただけではキレイに取り除けないことも
- アルコール除菌スプレーを吹きつけて拭き取れば、キレイに除菌できる
- マットレスの裏面などについていたら、スプレーを吹きつけてやさしく拭き取る
- スプレーで湿らせ、少し時間を置いてから拭き取り、壁に立てかけてしっかり乾燥させる
- ダニ
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- マットレスは布団と比べて換気がしにくいため、気づかないうちにダニが繁殖していることがある
- ダニの死骸や糞はアレルギーの原因物質になり、吸い込むと鼻水が出たり肌が痒くなったりする
- ダニは熱に弱いため、布団乾燥機を使って退治するのが効果的
- 布団乾燥機は、天日干しなどをしなくてもマットレスや布団を高温乾燥させられる
関連記事:マットレスのダニ対策 。ダニ退治と再発予防を成功させるコツとは?
マットレスの掃除やお手入れはどうやってやればいいの?
前述のように、マットレスの汚れで最も注意しなくてはならないのは寝汗などの「湿気」ですが、それに加えて髪の毛やフケなどの汚れ対策をしてダニやカビの栄養源をなくすことも重要です。また、マットレスを長持ちさせるためには、同じ面にだけ負担をかけ続けないよう、へたり防止の対策が必要です。それぞれの具体的な対策について見ていきましょう。
マットレスの湿気対策はどうすればいいの?
マットレスの湿気対策としては、以下のような方法が挙げられます。
- 定期的にマットレスを立て、裏面に風を当てる
- 使っていないときは掛け布団をたたみ、湿気がこもらないようにする
- 布団乾燥機を使う
- マットレスを床に敷くときは、除湿シートやすのこを敷いた上に敷く
マットレスの湿気対策として、床に直置きする場合でなくても、除湿シートを敷いておく方法があります。特に、湿度の高い地域に住んでいる、ノンコイルマットレス(ウレタン、ラテックス、ファイバーなど)を使っている、ベッドの天板がすのこ状になっていないなどの場合は除湿シートを使いましょう。
もちろん、除湿シートはそれ自体が湿気を吸収してマットレスの湿気を取るものですから、2〜3週間に1度を目安に除湿シートを乾かす必要があります。除湿シートを取り出して天日干しをする、マットレスの片側を上げて除湿シートに風を当てるなどの方法が有効です。また、ベッドシーツとマットレスの間にベッドパッドを敷いている場合、やはりベッドパッドが湿気を吸収しますので、2〜3ヶ月に1回はベッドパッドを洗濯しましょう。
マットレス本体の天日干しを推奨する意見もありますが、天日干しはかなり晴れた日でないと効果が薄いこと、直射日光でないと効果がないこと、マットレスの生地を傷めて寿命を縮めてしまうことなどからあまり推奨されません。わざわざマットレスを外に運び出して天日干ししなくても、立てて風を通したり布団乾燥機で乾かしたりするだけで十分なのです。
マットレスを立てている間、ベッドフレームを湿らせたタオルで拭き掃除することもあるでしょうが、この湿気がマットレスに移ってカビの発生原因にならないか注意が必要です。タオルは固く絞ったものを使い、拭いた後は窓を開けて換気したり、扇風機で風を開けたり、エアコンの風を当てたりして完全に乾かしましょう。
マットレスの汚れ対策はどうすればいいの?
マットレスの主な汚れは新陳代謝によって人の身体から落ちるフケや髪の毛のほか、布団や衣類から落ちるホコリなどですが、他にもマットレスの上で飲食をするとその食べカスなどが落ちることもあります。ですから、まずは日頃から以下のような汚れ対策を行いましょう。
- マットレスの上には、ベッドパッドやシーツなど洗えるものを敷いておく
- マットレスの上で飲食をしない
- マットレスの上にペットを上げない
- 子どもと一緒に寝るときは、おねしょシーツなどを敷いておく
- 日々の汚れは掃除機で吸い取る
- マットレスにシミ汚れがついてしまったら、早い段階で処置する
ベッドパッドやシーツを敷いて汚れ対策をするとともに、それらを定期的に洗うことも重要です。シーツに限らず身体に直接当たる、一番上に敷いているものは週に1〜2回のペースで交換し、洗濯してキレイにしておきましょう。このとき、シーツやパッドの上には目に見えないくらいの皮膚・フケ・ホコリなどが溜まっていることを意識し、撒き散らかさないようにそっと丁寧に外して交換しましょう。
また、ベッドパッドやシーツを使っていても、ベッドとマットレスに汚れが全く溜まらないわけではありません。そのため、月に1回程度は掃除機をかけましょう。特に、頭や上半身が触れているあたり、マットレスのキルティングの谷間、ベッドとマットレスの溝などは汚れが溜まりやすい部分です。重点的に掃除機をかけましょう。
マットレスにかける掃除機は専用のものでなくても構いませんが、床掃除をしたヘッドをそのまま使うのは不衛生になってしまいますので、床掃除用のヘッドとベッド掃除用のヘッドを別に用意しておくと良いでしょう。
マットレスのへたり防止対策はどうすればいいの?
マットレスを長持ちさせるための対策として、へたり防止対策も非常に重要です。マットレスの上で寝るとき、腰のあたりに一番圧力がかかります。ということは、長期間同じ面ばかり使っていると、全く同じ部分にばかり圧力がかかり、腰の部分からへたっていってしまいます。そして、部分的にへたってしまうと寝心地が悪くなってしまうのです。
寝心地が悪くなってきたら、マットレスの買い替え時と考えられます。ですから、マットレスをできるだけ長く使うためには、同じ部分にばかり圧力がかからないよう、マットレスを上下裏表にひっくり返す「ローテーション」という作業を行うことが重要です。
ローテーションとは、「上下に180度ひっくり返す」「裏表をひっくり返す」という作業をだいたい3ヶ月に1回ずつ行うことで、マットレスにかかる圧力を分散させようとするものです。マットレスが片面のみ使えるタイプの場合は、上下だけをひっくり返しても構いません。
とはいえ、ベッドのマットレスはシングルサイズの軽いものでも15kg、厚みのあるダブルサイズでは30kgを超えるほど重いものです。そのため、体力のない人や力に自信がない人は怪我をする危険を避けるため、無理をしなくても良いでしょう。ローテーションを行うことよりも、汚れと湿気からマットレスを守る方がより長持ちにつながりますので、上記2つの対策をしっかり行いましょう。
マットレスの汚れ別で掃除方法も使い分けたほうがいい?
マットレスの掃除方法は、汚れの種類によって使い分けることも重要です。カビ・ダニ・黄色や茶色のシミ・おねしょの4種類に分けて具体的な掃除方法を見ていきましょう。
マットレスのカビの掃除方法は?
マットレスにカビがはえてしまったことに気づいたら、すぐに除去しましょう。カビのはえたマットレスで寝続けているとアレルギーや皮膚炎を引き起こしてしまうことがありますので、「消毒用エタノール・スプレーボトル・タオル」を準備し、以下の手順でカビを除去していきます。
- 消毒用エタノールをスプレーボトルに入れ、カビがはえている部分に念入りにスプレーする
- 1時間ほど時間を置き、ぬるま湯に浸して軽く絞ったタオルで叩くように拭き取る
- カビが取れるまでスプレーとタオルで叩くのを繰り返す
- カビがとれたら、マットレスを完全に乾かす
カビ取りといえば塩素系の洗剤を使うのが一般的ですが、マットレスにこれらを使うと変色や傷みの原因になってしまいますので、消毒用エタノールを使いましょう。ただし、カビによる黒ずみがひどい場合には消毒用エタノールで取り切れないこともあります。このようなときは、プロのクリーニング業者に依頼してキレイにしてもらいましょう。
関連記事:布団のカビはどうやってとればいいの?
マットレスのダニの掃除方法は?
ベッドに入るとムズムズする、ダニに刺された痕があるという場合はマットレスにダニが発生している可能性が高いです。この場合はマットレスだけでなく、布団やシーツなどにもダニが繁殖していると考えられますので、まとめてダニ対策を行いましょう。ダニは温度が50℃を超えると20〜30分で死滅し、60℃なら一瞬で死滅するとわかっています。また、ダニは身体の表面積が大きく水分が失われやすいことから、乾燥した環境では活動が鈍くなります。
このような特徴から、マットレスを始めとした寝具に繁殖したダニを確実に死滅させるには、コインランドリーの乾燥機(55℃以上になる)や布団乾燥機を使うのが良いでしょう。マットレスのカバーやベッドシーツなど、取り外してコインランドリーに入れられるものは入れて乾燥機にかけましょう。
マットレス本体はコインランドリーに入れられませんので、布団乾燥機の「ダニ退治」機能を使うのがおすすめです。乾燥機をかける前に1時間程度部屋を暗くしておくと、夜行性のダニは多くがマットレスの表面に出てくるため、布団乾燥機で死滅させやすくなります。
ただし、布団乾燥機ではダニが温度の低い場所に逃げ込んだり、たまたま熱の届きにくいマットレスの深部に潜り込んでいて熱を逃れたりすることがありますので、1回では完全に死滅させることが難しいです。そのため、2〜3日くらい連続で布団乾燥機を使い、ダニをできるだけ死滅させましょう。
布団乾燥機をかけた後は、ダニの死骸を残さないため毎回掃除機でしっかり吸い取りましょう。ダニの死骸や糞はアレルギーや皮膚炎の原因となることがありますので、死滅させただけで油断してはいけません。
マットレスの黄色や茶色のシミの掃除方法は?
マットレスにできる黄色や茶色のシミは、酸性の油汚れによるものが多いため、アルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダで取り除きましょう。「重曹またはセスキ炭酸ソーダ・クエン酸・スプレーボトル(2本)・タオル」を用意し、以下のような手順で掃除を行います。
- 重曹水またはセスキ炭酸ソーダ水を作り、スプレーボトルに入れる
- シミにスプレーし、5分程度置く
- タオルを押しつけるようにして、汚れを吸い取る
- 落ちない場合はクエン酸水を作り、同じようにスプレーしてタオルで吸い取る
- シミが取れるまで、重曹スプレーとクエン酸スプレーを繰り返す
- シミが取れたら乾いたタオルで水分を拭き取り、しっかり乾燥させる
このとき、重曹水なら水100mLに小さじ1杯、セスキ炭酸ソーダ水なら水500mLに小さじ1杯、クエン酸水は水200mLに小さじ1杯を混ぜて作ります。
マットレスのおねしょの掃除方法は?
子どものおねしょがマットレスに染み込んでしまった場合は、気づいたらすぐに以下のような対処を行いましょう。
- 濡れている部分にタオルや未使用のおむつ、ペットシートなど吸水性が高いものを押し当てる
- 上から汚れてもいいバスタオルを敷き、上から足踏みをして水分を吸収させる
- クエン酸水を作り、スプレーボトルに入れる
- 汚れた部分に念入りにスプレーし、乾いたタオルなどで水分を吸い取る
- ニオイが取れるまで、クエン酸スプレーと拭き取りを繰り返す
- ニオイが取れたら、しっかり乾燥させる
クエン酸水は上記のシミのように、水200mLに小さじ1杯の割合で作りましょう。尿汚れはどれだけ迅速に処理したとしてもどうしてもニオイやシミが残りやすいですから、きちんと洗ってシミやニオイを取り除きたいという場合はプロに依頼するのが良いでしょう。専用のスチーム洗浄機を使いますので、マットレスの表面の汚れだけでなく、内部に染み込んだ汚れも落とすことができます。
おわりに:マットレスの掃除やお手入れは、湿気対策と汚れ防止対策を中心に
マットレスに生じる汚れとは、人間の新陳代謝によって落ちる髪の毛やフケのほか、皮脂汚れや寝汗、布団や衣類から落ちるホコリなどが挙げられます。特に寝汗は一晩でコップ1杯ほどもかくとされていますので、湿気対策が重要です。
汚れ対策としては、ベッドパッドやシーツを敷くほか、月に1回程度の掃除機かけを行いましょう。マットレスクリーナーなどの専用のものでなくても構いませんが、床掃除用のヘッドとは分けましょう。
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