マットレスの工夫で腰の痛みを解消するにはどう対処すればいい?

マットレスが原因で腰痛になった女性お掃除のコツ

ベッドフレームと合わせたり、床や畳に敷いたりして使うマットレスですが、人によっては寝る姿勢と形状が合わず、身体を痛めてしまうことがあります。特に肩や腰は姿勢の影響を受けやすく、起きて腰が痛くなるという場合はマットレスが原因かもしれません。

では、腰の痛みを軽減するためには、マットレスにどんな工夫をすれば良いのでしょうか。なぜ腰が痛んでしまうのかの原因も合わせて見ていきましょう。

朝起きて腰が痛いのはマットレスが原因なの?

しっかりベッドやマットレスの上で寝たはずなのに、朝起きると腰痛に悩まされているという人は少なくありません。このような腰痛の原因はさまざまですが、主なものとして「寝ているときの姿勢」「使っている寝具」「腰や脊椎の異常」などが考えられます。

【寝ているときの姿勢】

腰や背中が浮いている
寝ているときの理想的な姿勢は「真っ直ぐ立った状態をそのまま横にしたもの」
ずれればずれるほど、腰やその他身体の各部に偏った負担がかかる
特に、仰向けに寝ているときに腰回りから背中にかけての部分が浮いていると、その部分の筋肉が緊張して背中が張ったり腰が痛んだりする原因に
寝返りを打てていない
寝具や姿勢の影響で、思うように寝返りが打てていない
人が一晩の睡眠中に寝返りを打つ回数は20回以上にものぼる
寝返りを打つことは、圧迫する部位を分散させる意味がある

このように、寝ているときの姿勢が直立状態からずれたり、寝返りを自由に打てないと腰や背中の筋肉が緊張したり、長時間圧迫されたりして腰痛の原因となることがあります。

【使っている寝具】

マットレスの硬さが合っていない
マットレスは硬すぎても柔らかすぎても腰や身体に良くない
硬すぎると腰と背中が浮き、肩とお尻だけで身体を支えることになるため、腰や背中の筋肉が緊張して腰痛の原因に
柔らかすぎるとお尻の部分が沈み込み、腰が「く」の字に曲がって腰痛の原因に
布団の重さや枕の高さ
かけ布団が重すぎると寝返りが打ちにくくなり、身体の特定の部位だけに負担がかかりすぎる
枕の高さが合わないと、首の骨に負担がかかり、肩こりや首の痛みにつながる
首と腰は背骨でつながっていることから、首の歪みが腰の痛みにつながることも

マットレスを始め、使っている寝具が腰痛の原因になることもあります。寝ているときの理想的な姿勢は真っ直ぐ立った状態をそのまま横にしたもの、とご紹介しましたが、それを実現できる枕やマットレスであることも重要です。つまり、横向きになったときに首の骨が床と平行になる枕や、腰や背中が浮きすぎず、沈み込みすぎないマットレスが理想的と言えます。

【腰や脊椎の異常】

椎間板ヘルニア、椎間板症
背骨の骨(椎骨)の間でクッションとなる軟骨が「椎間板(ついかんばん)」
椎間板が飛び出してしまうのが椎間板ヘルニア、加齢などによって変形してしまうのが椎間板症
重いものを持ち上げたり運んだりする重労働やスポーツなどの衝撃でも進行する
いずれも腰痛を引き起こし、椎間板ヘルニアの場合は寝返りでもかなり痛みを感じ、立っていられないほどで、日常生活に支障をきたす
背骨の骨折
背中が曲がる、背が縮む、腰が痛いなどの症状は骨粗鬆症による骨折や圧迫骨折の可能性
60歳以上の高齢者、長年運動不足の人、光をあまり浴びない人、食事を極端に減らすダイエットをしている人など
特に、女性は閉経後に骨密度が急速に減少し、骨粗鬆症になるリスクが高まる

腰や脊椎に異常が生じている場合も、寝るときに腰に痛みを感じることがあります。特に、加齢による椎間板の異常や背骨の圧迫骨折(もろくなった骨に力がかかって生じる骨折)は気づかないうちに進行してしまうことも多いです。定期的に骨密度を測定するなど対策をとるとともに、何らかの以上を感じた場合はすぐに専門医の診察を受けましょう。

このように、腰痛が起こる原因はそもそも腰や脊椎に異常がある場合を除き、寝返りの打ちづらさも含めて寝るときの姿勢の問題と考えられます。姿勢の問題はマットレスによって起こるものとそれ以外によるものに分けられますので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

マットレスによる姿勢の問題ってどんなもの?

マットレスが原因となって起こる姿勢の問題とは、「マットレスが硬すぎる」「マットレスが柔らかすぎる」「マットレスがへたっている」の3つの原因が考えられます。

マットレスが硬すぎて姿勢が悪くなるのはなぜ?

マットレスが硬すぎて体圧分散性が悪くなるのは、マットレスが原因の腰痛の中で最もよくあるものとされています。身体の重さが腰に集中してかかるほか、背中(特に腰の下の方のくびれ部分)にマットレスとの隙間ができて支えがないため、腰に大きな負担がかかってしまうのです。自分の使っているマットレスがこのような状態になっているかどうかは、以下の2つの方法のいずれかで確かめられます。

背中の下の隙間を確認する
仰向けに寝転んだとき、背中の下に手がスポスポ入ってしまうようであれば硬い可能性が高い
特に、痩せ型の女性は身体の生理的な湾曲(くびれ)が大きいため、普通程度の硬さのマットレスでもこの状態になってしまうことが多い
圧迫をチェックする
マットレスの上に仰向けに寝て、5分間じっとする
もし、5分以内に腰に圧迫感や疲れを感じるようなら、硬すぎると判断できる
マットレスの購入前に「試し寝」をする手法としても使える

硬くて腰を痛めてしまうタイプのマットレスとしては、面で支える構造になっている、薄すぎて底つき感がある、へたって硬化しているなどの特徴もあります。特に、低品質な高反発ウレタンマットレス、高反発ファイバーマットレス、ボンネルコイルマットレスなどは硬すぎる上に面で支える構造になっていて腰や背中に負担がかかりやすい、というものがよくあります。

薄すぎて底つき感のあるマットレスとは、使用者の身体をきちんと支えられるだけの厚みがなく、横向きに寝たとき腰や肩が床についてしまう感じがするマットレスのことを言います。一般的に成人がマットレスに寝て底つき感を感じない厚みには7〜10cmくらいが必要で、15cmあると非常に安心感があります。

逆に、5cmくらいの厚みで底つき感なく寝られるのは子どもがせいぜいで、3cmの厚みとなるとマットレストッパーとして使うのが一般的であり、3cmのマットレス1枚ではかなり寝心地が不十分です。このように薄いマットレスを使っている場合は、腰痛の原因はマットレスの底つき感によるものかもしれません。

マットレスが柔らかすぎて姿勢が悪くなるのはなぜ?

マットレスが硬すぎると体圧分散性が低いとご紹介しましたが、柔らかすぎると逆に身体の重い部位が沈み込んでしまい、寝姿勢が非常に悪くなってしまいます。身体の重い部位とは一般的に腰の部分であり、マットレスに腰が沈み込むといわゆる「猫背」の状態になってしまうのです。立ってみるとわかりますが、このような猫背の状態は身体にとって不自然であり、腰を中心として身体のさまざまな部分に負担をかけてしまいます。

寝ているときの姿勢が悪いと、骨を痛める場合もありますが、たいていは筋肉の疲れが腰痛を引き起こしています。筋肉が硬直すると血行が悪くなり、酸欠からこりや痛みが発生するという順番です。例えば肩の周辺には僧帽筋・肩甲挙筋・棘下筋などの筋肉がありますが、これらの筋肉が緊張して硬直し、血行が悪くなると肩がこるという経験は誰もがしていることでしょう。

つまり、身体の生理的な湾曲が適度に埋められるくらいの適度な柔らかさは必要ですが、過度に柔らかいと姿勢の悪化につながるため注意が必要です。低品質な低反発マットレスやポケットコイルマットレス、ラテックスマットレスなどにこのような柔らかすぎるマットレスが多いようです。

マットレスがへたって姿勢が悪くなるのはなぜ?

マットレスは、長期間使用し続けることで腰のあたりを中心に少しずつ凹んでいきます。このように凸凹のくせがついてしまった状態を「へたった」と言い、最悪の使用感で腰を含めて身体にも負担が多い状態なのですが、マットレスは毎晩少しずつへたっていくためなかなかその変化に身体が気づきにくいのです。

表面がへたって硬くなったり、詰め物がへたってスプリングが腰に当たってしまったり、凹んだせいで寝ているときの姿勢が悪くなったりしてしまうと、硬すぎるマットレスの問題と柔らかすぎるマットレスの問題を両方抱えてしまうことになります。

マットレス以外による姿勢の問題ってどんなもの?

マットレス以外の姿勢の問題としては、以下のようなものが挙げられます。

腰枕を使っていて、寝姿勢が悪い
腰枕が大きすぎてブリッジのような反り腰状態になっていると、身体に負担がかかる
新しいマットレスや寝心地の良いマットレスで下手に腰枕を使うと、逆効果になる可能性が高い
うつぶせ寝で腰が反ってしまう
へたっているマットレスでうつぶせ寝をしたり、胸囲の大きい人がうつぶせ寝をしたりすると反り腰状態になりやすい
枕に顔を乗せてうつぶせ寝をすることも、さらに腰が反りやすくなる要因
筋肉や腱の疲れによる腰の痛み
日中の行動が原因で、筋肉が硬直し血行不良からこりや痛みにつながっている
立ち姿勢や座り姿勢が悪い、デスクワークが多い、身体の重心が偏っている、運動不足などが要因
姿勢を正し、適度に身体を動かすことを忘れずに
ストレスによる腰痛
慢性腰痛を訴える患者さんの約80%は抑うつ状態とされる
人間関係のストレス、自分の仕事に対する評価、家庭内の不和など
ストレスをできるだけ回避したり、上手に発散したりすることが重要

マットレスが原因の腰の痛みはどうやって対策すればいい?

マットレスが原因で腰の痛みが生じている場合、「いま使っているマットレスを改良する」か、「自分に合ったマットレスを購入する」という2つの方法が考えられます。

腰が痛くならないようマットレスを改良する方法って?

まず、改良できるマットレスは硬いマットレスやへたったマットレスのみで、柔らかすぎるマットレスに対しては基本的に買い換えるしか方法がありません。まずは、硬いマットレスの対策方法から見ていきましょう。

マットレストッパーを使う
できれば低反発より高反発トッパーで、5cm前後の厚みがあるもの
プロファイル加工があるものがおすすめ
ベッドパッドを敷く
トッパーは厚くウレタンなどが素材なのに対し、パッドには薄いキルティングした綿が使われる
トッパーは寝心地の改善が主な用途だが、パッドは寝心地の改善のほか、汗取り機能も
シングルサイズ、中材が5kg前後あるものがおすすめ

硬すぎるマットレスの場合は、体圧分散性を改善する対策が重要です。そのため、マットレスの上に重ねて寝心地を改善できるマットレストッパーやベッドパッドを敷いて寝心地を改善しましょう。マットレストッパーは低反発のものもありますが、これに関してはフィットするかどうかに個人差が大きいため、よく検討してから購入しましょう。また、プロファイル加工のないマットレストッパーはやや硬いものがありますので、加工が施されているものの方が良いでしょう。

へたったマットレスも上記のようにトッパーやベッドパッドを敷いて寝心地を改善しますが、その際に凹んだ部分にタオルを敷き詰めて凹みを埋めることで身体が不自然に沈み込むのを防ぎ、寝姿勢の改善につながります。しかし、タオルはウレタンなどと違って弾力性がないため、寝心地としてはあまり良くないかもしれません。あくまで応急処置とし、買い替えを検討しましょう

自分に合ったマットレスを選ぶにはどうすればいい?

マットレスが柔らかすぎる場合や、へたってしまった場合には新しいマットレスを購入しましょう。まずは、マットレスにどんな種類があるのかご紹介します。

【コイル式マットレス】マットレスの中にスプリングコイルが入っているもの

ボンネルコイルマットレス
中のコイル同士が連結されているタイプで、弾力性が強く、ある程度の硬さを持っていて通気性が良い
振動が伝わりやすいため、2人以上で使う場合や寝返りが多い人は注意が必要
ポケットコイルマットレス
コイルが1つずつポケットに入っていて、身体を面でなく点で支えることから、身体に負担がかかりにくい
振動も伝わりにくいが、湿気がこもりやすいためこまめな換気が必要
高密度連続スプリングマットレス
ボンネルコイルの何倍もの密度でコイルを配置したマットレスで、振動が少ない
均等に反発力があるため十分な硬さを持ち、耐久性にも優れている

【ウレタンマットレス】反発力によって寝心地が異なる

低反発マットレス
体重や温度に反応し、身体がゆっくりとマットレスに沈んでいく
柔らかさを求める人に最適だが、湿気を吸いやすいため換気などの対策が必要
高反発マットレス
低反発と比べて耐久性に優れ、体重の負担を均等に分散してくれる
沈み込みが少なく寝返りも打ちやすい。折り目がついていれば、収納にも便利

ウレタンマットレスの場合、体重に合った反発力を持つマットレスを選ぶと腰痛対策に効果的と考えられます。反発力はニュートン(N)で表され、ニュートン値が高いほど高反発なマットレスです。100Nより高いものが高反発、60N未満が低反発、60〜100Nが普通と分類されています。

マットレスを選ぶポイントとしては、マットレスの種類から選ぶ方法と、密度や反発力で選ぶ方法の2つがあります。

マットレスの種類で選ぶ
腰痛を持った人に向いているのは、ポケットコイルマットレスか、高反発のウレタンマットレス
ポケットコイルマットレスはコイルが独立しているため、体重分散性能が高く、腰痛対策に適している
高反発のウレタンマットレスは沈み込みが少なく寝返りが打ちやすいため、腰痛があっても寝やすい
密度や反発力で選ぶ
腰痛対策には反発力が高いものが良いものの、硬すぎると反った状態で身体への負担が大きい
できるだけ仰向けで寝たときの身体の沈み具合を実際にチェックし、「直立姿勢を横にした姿勢」になるものを選ぶ
反発力が少ないマットレスは「ふかふかで寝心地が良い」と感じてしまいがちだが、腰痛対策には向かない

マットレスの寝心地や身体の沈み具合には個人差が大きいため、できるだけ実際に寝てみて「直立姿勢をそのまま横にした姿勢」になっているものを選びましょう

マットレス以外でできる腰の痛みへの対策は?

マットレスのタイプだけではなく、寝るときの姿勢を改善することでも腰痛対策が行えます。理想的な寝姿勢は「直立姿勢を横にしたもの」とご紹介してきましたが、これをもう少し具体的に説明すると「頭部・背中・お尻・かかと」の4点が寝床についていて、身体が無理に歪んでない状態のことを指します。

では、仰向け・横向き・うつぶせの3パターンで、寝姿勢を保ちやすい改善策を見ていきましょう。

仰向けで寝る人の対策とは?
マットレスによってはお尻が沈み込みすぎて、腰が反ってしまうことがある
薄めの枕を使ったり、膝の下にクッションを敷いたりしてなるべく腰の反りをなくす
横向きで寝る人の対策とは?
腰痛の人は足を曲げて腰が楽になるよう、向きを調整できる横向き姿勢が多い
横向きに寝る人は骨盤に歪みが生じやすく、腰の痛みにもつながりやすい
膝や足首など、足が重なる場所にクッションや抱き枕を挟んで骨盤の歪みを防ぐのが良い
うつぶせで寝る人の対策とは?
必然的に腰を反らせやすく、腰痛になりやすい姿勢
足を横に出す、少しでも身体を横向きにひねる、枕を低くするなどして腰の反りを防ぐ

また、ずっと同じ姿勢でいることも身体に大きな負担をかけます。そこで、寝返りを打ちやすいような対策を行うのも良いでしょう。タオルを縦に2回2つ折し、腰に巻きつけて仰向けになり、ゆるみがなくなる程度にきつく締めて固定しましょう。背骨とマットレスが平行になりますので、寝返りしやすくなり、身体の一部に負担がかかるのを防げます。

おわりに:マットレスは寝心地を改良するか、買い換えて腰痛を改善しよう

腰痛が起こる原因はさまざまですが、腰や脊椎の骨に何らかの異常が起こっている場合を除き、マットレスの硬すぎ・柔らかすぎなど寝姿勢の問題と考えられます。使っていてへたってきてしまった場合にも同様に寝姿勢の問題が起こります。

そこで、トッパーやパッド、タオルなどを使って寝姿勢を改善するか、自分に合ったマットレスに買い換えると腰痛改善につながります。直立姿勢が横になった状態で寝られるものを選びましょう。

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