一口にオーブンと言ってもさまざまな種類がありますが、いずれも調理器具の一つである以上、どうしても使っているうちに食べ物のカスを始めとした汚れが溜まっていってしまいます。さらに、食べカスからイヤなニオイが発生してしまうこともあります。
そこで、こうした汚れやニオイをキレイに掃除するためにはどうしたら良いのか、汚れの原因や掃除の手順を詳しくご紹介します。
オーブンの種類と汚れの原因とは?
オーブンといえば、ほとんどの家庭にある電子レンジ機能がついたオーブンレンジのことを指すのが一般的ですが、そのオーブンレンジにもいくつか種類があります。主なオーブンレンジは、以下の4種類のいずれかに分けられます。
- オーブンレンジ
- 電子レンジにオーブン機能とグリル機能が追加されたレンジ
- 最近ではスチーム機能を搭載したオーブンレンジに押され、少なくなってきている
- 「オーブン機能」とは、庫内を一定の温度にして全方向から食品を焼き上げる機能
- 「グリル機能」とは、食材を直接熱に触れさせて焼き上げる機能
- 角皿式スチームオーブンレンジ
- スチームオーブンレンジは、水蒸気を利用して調理する機能があるレンジ
- 食品の乾燥を防ぎ、ふっくらと温める蒸し料理をすることができる
- 角皿に水を張り、加熱することでスチームを出す
- タンク式スチームオーブンレンジ
- タンクに水を入れておくと、自動でスチームが噴射されるタイプのレンジ
- メンテナンスや使い勝手は角皿式よりも良いとされ、作れるレシピの数も多い
- 過熱水蒸気オーブンレンジ
- 過熱水蒸気機能とは、高温の水蒸気を食品に吹きつけて焼くという調理法
- 余計な油分や塩分を取り除き、失われがちな栄養素を保ちながら調理できる健康調理機能であるとして注目されている
このようにオーブンレンジの種類によって多少汚れのつき方は変わってくるものの、オーブンにつく汚れは食品カス・タレや汁・油汚れ・焦げつきの4つが主です。調理中に落ちてしまった食品のかけらなどをそのままにしておくと、調理を繰り返すうちに焦げついてしまいますし、油分の多い食品を調理すると油がはねて飛び散ることがあります。
このような汚れを何ヶ月も使っていると、汚れがこびりついてだんだんひどくなっていきます。蓄積した油汚れや焦げつきは調理中に焦げ臭さを発生させ、やがては食品が汚染されたり、火災につながったりする可能性もあります。セルフクリーニング機能がついているオーブンもありますが、汚れがひどいときには効果を発揮しきれないかもしれません。
オーブンを掃除するときの手順って?
まず、オーブンにつくイヤなニオイは魚のニオイや水垢のニオイなど、アルカリ性のニオイであることが多いです。そのため、酸性の性質を持つ柑橘類(レモンやミカンなど)の果物の皮を使って中和し、ニオイを軽減しましょう。わざわざ新しい柑橘類を使わなくても、食べ終わって捨ててしまう部分を使えば無駄がありません。
他には耐熱容器と乾いた布を用意し、以下の手順で掃除を行います。
- 庫内に食べ物のカスなどが残っていれば、取り除く
- 耐熱容器に柑橘類の皮を入れ、オーブンで1分程度加熱する
- 乾いた布で蒸気を拭き取る
柑橘類の皮から蒸気が出てくる程度まで加熱すればいいので、焦がさないよう気をつけましょう。オーブンから目を離さないことが重要です。また、柑橘類がない場合は、コーヒーの出がらしや茶殻などでも同じようにラップをかけず、30秒〜1分程度加熱すればニオイをとることができます。
コーヒーの出がらしや茶殻などは冷蔵庫の脱臭剤などに再利用することもできますので、余ったら少し取っておくと良いでしょう。また、メーカーによってはオーブンに独自の脱臭機能がついている場合もありますので、事前に取扱説明書でオーブンに合った掃除方法を確認しておくのがおすすめです。
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オーブンの焦げは重曹でとれるって本当?
オーブンの中に溜まってしまう汚れは、焦げや油など酸性の汚れです。これらはこびりついてしまうとなかなか落とせずやっかいな汚れですが、弱アルカリ性の性質を持つ重曹を使うことで、中和して落としやすくすることができます。「重曹・水・耐熱容器・布(3枚)」の4つを用意したら、以下の手順で掃除を行いましょう。
- 耐熱容器に水500mLと重曹大さじ2杯を入れてよく混ぜ、重曹水を作る
- 重曹水をオーブンに入れ、加熱する
- 庫内に蒸気が充満したら電源を切り、オーブンのドアを開けずに冷ます
- オーブンが冷めたらドアを開け、加熱した重曹水を布に含ませて庫内を拭く
- 真水で濡らしてから絞った布で、重曹の成分を拭き取る
- 最後に乾いた布で乾拭きし、水分を拭き取る
重曹水の蒸気を庫内に充満させることで、隅々までついた焦げや油汚れを中和して落としやすくできます。重曹水が蒸発しやすいよう、耐熱容器は浅いものを使うのが良いでしょう。オーブンを頻繁に使う場合は、だいたい週に1回程度この掃除を行うのがおすすめです。
もし、上記の方法で落ちない頑固な焦げつきがあれば、「食器用中性洗剤・水・スプレーボトル・キッチンペーパー・布」を用意し、以下の手順で掃除を行いましょう。
- スプレーボトルに食器用中性洗剤と水を入れてよく混ぜ、キッチンペーパーにスプレーする
- 汚れている箇所をそのキッチンペーパーで覆い、1時間ほど放置する
- キッチンペーパーをはがし、真水で硬く絞った布で汚れと洗剤を拭き取る
- 乾いた布で水気を拭き取り、よく乾燥させる
キッチンペーパーで洗剤を汚れに密着させ、さらに時間を置くことで汚れと洗剤をなじませて落としやすくする方法です。
重曹で落ちないオーブンの汚れはクエン酸で落とそう
もし、上記のように重曹や中性洗剤を使っても落ちない汚れは、酸性の汚れではなくアルカリ性の汚れかもしれません。そこで、重曹の代わりにクエン酸を使った掃除をしてみましょう。「クエン酸・水・耐熱容器・布巾かキッチンペーパー」を用意したら、以下の手順で掃除を行います。
- 耐熱容器に水を200mLとクエン酸を小さじ1/2杯入れ、よく溶かす
- 耐熱容器をオーブンに入れ、5分程度温める
- 温め終わったら、扉を閉めたまま10分程度放置する(庫内に蒸気を行き渡らせる)
- 時間が経ったらドアを開け、汚れを布巾やキッチンペーパーで拭き取る
- 最後に水拭きと乾拭きを行い、扉を閉める
クエン酸がない場合はお酢でも代用できます。また、重曹を使うときと同じように、最後にしっかり水拭きと乾拭きをして成分が残らないよう気をつけましょう。
普段のお手入れはどうやってすればいい?
オーブンの汚れを防ぐためには、日頃のこまめなお手入れも大切です。特に、使い終わってしばらくのまだ本体が温かい間は汚れが落ちやすい状態になっていますので、調理後に全体をサッと水拭きすることで多くの汚れを落とせます。使用後すぐは庫内が熱いですから、手で触れられるくらいの温度になったらサッと水拭きをしておきましょう。
また、天板を取り外して食器用中性洗剤とスポンジで食器と同じように洗っておくことも重要です。オーブンレンジでターンテーブルがある場合は、それも取り外してこまめに洗いましょう。
オーブンのドアにも手垢や汚れが溜まってしまいますので、週に1回ぐらいは掃除しておくと良いでしょう。重曹とクエン酸またはお酢、水、スプレーボトル2本、スポンジ、布を用意したら以下の手順で掃除を行います。
- スプレーボトルに重曹と水、クエン酸(お酢)と水をそれぞれ入れてよく溶かす
- オーブンのドアに重曹水をスプレーし、柔らかいスポンジで擦る
- クエン酸水(薄めたお酢)をスプレーし、乾いた布で汚れと水気を拭き取る
重曹は水200mLに対して小さじ2、クエン酸やお酢は水で2〜3倍に薄めて作ります。ドアは内側だけでなく、外側やハンドル部分も汚れやすいので、忘れずに掃除を行いましょう。
おわりに:オーブンの汚れやニオイは、重曹や柑橘類の皮などを使って落とそう
家庭にあるオーブンは電子レンジ機能のついたオーブンレンジがほとんどですが、いずれのオーブンもつく汚れは食品カス・タレや汁・油汚れ・焦げつきが主です。これらはほとんど酸性の汚れなので、重曹を使うとすっきり落とせます。
それでも落ちない汚れはアルカリ性の可能性がありますので、クエン酸を使って落とすと良いでしょう。ニオイがひどいときは柑橘類の皮やコーヒー・お茶の出がらしなどを使うと軽減できます。
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