墓石の掃除を失敗しないための注意点は?

お墓、墓石を掃除する女性お掃除のコツ

お墓は一般的に屋外に建っているものなので、それぞれの家の区画ごとに建てられた墓石は、常に雨や風に晒されています。そのため、日常的にさまざまな汚れがついて、たまにお墓参りに行くと汚れてしまっていることも多いでしょう。

そこで、墓石の掃除をするときに失敗しないための注意点についてご紹介します。天然石で作られた墓石は、傷やシミがつかないよう丁寧に掃除しましょう。

墓石が汚れる原因って?

墓石が汚れる原因には、「日々蓄積している汚れ」と「経年変化」の2つがあります。墓石は常に外気に晒されていますので、ホコリや花粉・雨・鳥のフンなどの汚れが蓄積しやすいのです。さらに、大気中には目に見えない細かい汚染成分が漂っていますが、これが雨や湿気によって墓石に密着浸透してしまいます。特に、石の繋ぎ目や細かい部分は注意が必要です。

日々蓄積していく墓石の汚れにはどんなものがある?

墓石に日々蓄積していく汚れには、大きく分けると「水垢や黒ずみ」「苔やカビ」「シミ」「虹彩現象(虹やけ)」の4つがあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

水垢や黒ずみ

水垢は、水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が固まったものです。お墓参りで水道水をかけたり雨が降ったりした後、墓石についた水滴の水分が太陽の熱などで蒸発し、水中に含まれる成分が残って水垢が蓄積していきます。

また、故人に水をあげるための「水鉢」や、仏花や樒(しきみ)などを立てる「花立」の周りなど水分が溜まりやすい部分、掃除が行き届きにくい墓石の繋ぎ目などには大気中の細かいホコリや花粉などが溜まってしまい、黒ずみ汚れとなります。

苔やカビ

風通しや日当たりが良くない場所にお墓があると、温かく湿った環境になりやすいため、空気中を漂ってきた苔やカビの胞子が墓石にくっつき、繁殖してしまうことがあります。表面がつるつるに磨き上げられた墓石であれば苔やカビがつきにくいため掃除で落としやすいですが、表面に細かい凸凹があるざらざらした風合いの墓石ではどうしても汚れやすくなります。

苔やカビは早い段階なら水洗いでこするだけで落とせますが、長期間放置しておくと見た目が悪いだけでなく、墓石を傷めてしまうこともあります。また、苔やカビが墓石の隙間に入り込むと、手入れをしてもすぐにまたはえてきてしまうことも少なくありません。

シミ

お墓参りの際にお酒やジュース・果物などのお供え物を放置してしまったり、落ち葉が貼りついて腐ったりしてしまうとさまざまな不純物が墓石に溜まり、シミになってしまいます。特に、故人が好きだったビールや日本酒などをかける場合もありますが、これは墓石全体を傷めることにつながってしまいます。

このように、シミにはさまざまな原因が考えられますので、原因に合わせた対処法を行わなくてはなりません。また、お供え物を放置しているとカラスなどに荒らされる可能性もありますので、お供え物は放置しないよう気をつけましょう。

虹彩現象(虹やけ)

虹彩現象とは、黒系など濃い色味の御影石に大気中の成分がくっついて乱反射し、石の水平面が虹色に見えるものです。人によっては「油膜のような汚れ」と感じることもあります。

墓石の経年変化って?

墓石は天然の石材でできていますので、酸性雨や海岸からの潮風、排気ガスなどさまざまな影響を受けて経年変化をしていきます。墓石の色味が変化したり、ツヤが消えたり、雨水を吸い込んで石材中の鉄成分にサビが出たり、というものです。材質によって早いか遅いかの違いはあるものの、基本的にすべての石が経年変化をしていきます。

経年変化は汚れではありませんので、掃除でキレイになるわけではありませんが、寺院の石灯籠や神社のお稲荷様のように、変化の具合によっては風情を感じさせるものもあり、一概に悪いものというわけでもありません。もし、これらの変化が気になってしまうようであれば、専門の業者に依頼して石材の表面を磨き直してもらえば墓石の美しさを取り戻すことができます。

墓石の掃除に必要なものと掃除の手順って?

墓石の掃除には、以下のようなものを用意しておくと良いでしょう。

  • ほうき、ちりとり、ゴミ袋
  • バケツ
  • 雑巾、タオル
  • 柔らかいスポンジ
  • 毛の柔らかいブラシ
  • 軍手、鎌、剪定ばさみ(植木などが植えてある場合)
  • 柄杓
  • 墓石用洗剤

この他、夏場には虫除けスプレーや日焼け止め、熱中症対策として帽子や飲み物も忘れずに持っていきましょう。冬場なら、手がかじかまないようゴム手袋を持っていくと、冷たい水でもスムーズに掃除できます。

ほうきやちりとりは掃除の定番アイテムですが、墓地によってはゴミ箱が設置されていないことがありますので、あらかじめゴミ箱があるとわかっていない場合はゴミ袋を持っていった方が安心です。また、雑巾やタオルは古いものだと逆に墓石に汚れがついてしまう可能性がありますので、できるだけ新品を持っていきましょう。

柄杓は墓地で借りられるところも多いですが、やはりわかっていない場合は持っていった方が良いでしょう。また、墓石の掃除は基本的に水洗いで良いのですが、どうしても汚れが落としづらいときは洗剤を使います。このとき、一般的な住居用の洗剤では墓石に傷やシミがついてしまう可能性がありますので、必ず墓石専用の洗剤を用意しましょう

墓石の掃除の手順は?

必要な道具を揃えたら、墓石の掃除を以下のような手順で行います。

お墓の区画を清掃する
  • 区画が広いほど、周辺に落葉樹などが多いほど落ち葉やゴミが散乱するので、しっかり掃除する
  • 春から夏にかけては植物の生長も早いため、雑草の処理も忘れずに
  • 衛生面やケガ防止のため、軍手をつけたり鎌を使ったりする
墓石本体を水洗いする
  • 墓石全体に水をかけながら、水を含ませたスポンジで上から下へこすっていく
  • 墓石に苔がくっついていたら、丁寧に取り除く
  • 彫刻文字や蓮華台など、溝の細かい部分は毛の柔らかいブラシを使うと良い
  • ブラシがなければ、軍手をした指を水で濡らして洗うと便利
  • 大気中のホコリや汚れは水分にくっつきやすいため、最後にタオルや給水スポンジなどで水を拭き取る
  • ※金属やヤシなどの固いタワシは墓石を傷つけるため、絶対に使わない
墓石を専用の洗剤で洗う
  • カビがはえていたり、水洗いで落ちない汚れがあったりするときには墓石専用の洗剤を使う
  • 墓石用洗剤は表面の酸化を防ぐ金属封鎖剤などが含まれ、弱アルカリ性の液性で天然石にも使える
  • 墓石の種類によっては劣化を招くことがあるため、使う前に外観に影響しない場所でテストする
  • 最後に、すすぎ残しがないよう洗剤をしっかり洗い流す
小物類を手入れする
  • 花筒、線香皿、水鉢、玉砂利などの手入れをする
  • 花筒は供えられた花を取り除き、柄の長いスポンジなどで底の方までキレイにする
  • 花筒の手入れが終わったら、キレイな水を入れて新しい花を供える
  • 線香皿は灰や燃えカスなどを取り除いて水洗いし、最後にしっかりと水気を拭き取る
  • 水鉢は長期間水が入っているため、苔や水垢などがつきやすい。柔らかいスポンジなどでしっかりとこすってキレイにする
  • 玉砂利は次第に土汚れなどがついてくるため、年に1回程度、水を張ったバケツに入れて回転させて汚れを落とす掃除をする
  • 植木や植栽がある場合は、墓石を洗う前に剪定や手入れを済ませておく
水を拭き取る
  • 最後に、キレイな雑巾やタオルで墓石や小物類の水をしっかり拭き取る

墓石は基本的に水洗いだけで構いませんので、汚れが目立って気になるという場合でなければ無理に洗剤を使う必要はありません。また、小物類の水鉢に苔や水垢汚れがひどいという場合は多少傷ついても洗浄力が強い一般的な洗剤を使っても構いません。これは水鉢が一般的に墓石ほどは高価でなく、交換も比較的簡単な小物だからです。ただし、もちろん水鉢にも傷をつけたくないという場合はおすすめできません。

墓石を掃除するときに気をつけることは?

墓石の掃除も、通常の掃除と同じように汚れを放置しないことが大切です。蓄積すると落としにくくなってしまう汚れも、ついてすぐのうちなら水洗いで簡単に落とせることがほとんどです。また、掃除のときには以下のような3つのポイントに注意しましょう。

洗剤は使わない方がいいの?

墓石は基本的に水洗いでよいとご紹介しましたが、これは石の表面に「細孔」という目に見えないごく小さな隙間があり、洗剤を使うとそこから石の内部に洗剤が入り込み、変色やシミなどの原因になってしまうためです。特に、家庭用の食器用洗剤、塩素系・酸素系漂白剤などを使うのは絶対にやめましょう。

このように洗浄力が強い洗剤は、墓石に害を与えるだけでなく、墓地の土壌を汚してしまうこともあります。ですから、どうしても汚れが落ちなくて洗剤を使いたい、という場合は墓石用の洗剤を使いましょう。また、墓石用の洗剤であっても、墓石の種類によっては傷やシミの原因になってしまうこともありますので、必ず目立たない場所でテストをしてから使いましょう。

墓石の掃除に向かない道具って?

墓石の掃除に向かないのは、金属製やヤシなど固いタワシです。墓石には光沢を保つために表面にコーティングが施されているものもありますが、固い素材でこするとこのコーティングが剥がれてしまう可能性があります。墓石に傷がついたり、磨いた場所に金属片がついたりしてしまうこともありますので、墓石の掃除には柔らかい素材のブラシやスポンジを使いましょう

専門業者に頼んだ方がいいこともある?

墓石の掃除に不安や心配がある、体力的に続かなくなってきたなどの問題がある場合は、専門業者に頼むのも一つの方法です。特に、墓石に使われている石材の成分などがよくわからないまま、間違った洗剤や道具を使って掃除してしまうと思わぬ傷やシミなどを作ってしまうこともありますので、注意しましょう。

また、自分で水洗いしたり墓石用の洗剤を使ったりしても汚れが落ちなかった場合、専門業者に頼めば専用の洗剤や機材を使って落とせることが多いです。業者によってサービス内容も異なりますので、頼みたい内容によって専門の業者を探すと良いでしょう

おわりに:墓石の掃除は、柔らかいスポンジやブラシで水洗いが基本

墓石につく汚れとしては、水垢や黒ずみ、苔やカビ、シミ、虹彩現象などが挙げられます。こうした日常的な汚れを落とすには、基本的に柔らかいスポンジやブラシで、墓石を傷つけないよう水洗いを行います。

どうしても汚れが落ちない場合には、墓石用の洗剤を使っても良いでしょう。しかし、家庭用の洗剤や漂白剤などは墓石に傷やシミを作ってしまう可能性がありますので、使ってはいけません。

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