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鶏肉の生焼けと生食に注意|カンピロバクター感染症と食べてしまったときの対処法

調理中の鶏肉 食事・料理

鶏肉の生食や生焼けは危険とされているのは、カンピロバクターという細菌が原因です。カンピロバクターは、私たちの生活に身近な存在であり、感染性食中毒を引き起こします。今回は、カンピロバクターで特に注意したい鶏肉を中心に、生焼けや食中毒の予防対策、食べてしまったときの対処法を紹介します。

カンピロバクターって?

カンピロバクターとは、鶏や牛などの家禽や家畜、野鳥、野生動物、ペットなどあらゆる動物が持っている細菌です。カンピロバクターを摂取すると、食中毒症状があらわれます。低温に比較的強い一方、乾燥に非常に弱く、加熱調理で死滅します。ただし少ない量の菌でも感染を引き起こします。

人への主な感染経路は、カンピロバクターに汚染された食品や飲料水を摂取して感染、カンピロバクターに汚染された動物との接触です。

カンピロバクターと鶏肉
ニワトリの腸内に多く存在しており、食肉に加工するときに汚染されます生の鶏肉、加熱が不十分な鶏肉など、鶏肉の生肉、生焼け、レアなどの摂取による食中毒が非常に多いです。
症状
特徴的な症状は頭痛など中枢神経症状。そのほか感染性胃腸炎症状の下痢、腹痛、嘔吐など。潜伏期間は1~7日間。
治療
下痢や嘔吐が続くことで脱水症状を引き起こすおそれがありますので、水分と塩分を補給します。重症で病院を受診した場合、抗菌薬や整腸剤が処方されることがあります。
早期発見
カンピロバクター感染の早期発見は難しいです。食後に食中毒のような症状が出た場合、鶏肉を食べたかどうかまず確認してください。また手足のしびれや頭痛など麻痺性の症状があらわれたらカンピロバクター感染の可能性が考えらえます。

カンピロバクターの感染を予防するにはどうすればいいの?

カンピロバクターに食品が感染したからといって、味や匂い、見た目に影響がありません。見た目などで判断せずに、感染予防のポイントをしっかりと抑えることが大切です。

しっかりと加熱調理!

食肉の加熱不足は食中毒を招きますので、中心部を75℃以上で1分間加熱調理しましょう。鶏肉の中心部が桃色の場合は、白色に変わるまで加熱するのがひとつの目安です。基本的には、生肉を触った調理箸や調理器具はそのほかの野菜に触れないようにしてください。

鍋物や焼肉はほかの食材も加熱

鍋料理や焼肉に入っている野菜は、調理時に鶏肉などについていた菌が付着するおそれがあります。肉類ではなくとも菌が付着した可能性を考え、しっかり加熱すると安心です。

二次汚染を予防

生の食品を扱った場合、調理器具や容器を使いまわさないでください。汚染された食品からの二次感染も多くみられます。食肉を扱ったあとは手洗いをしっかり行い、調理器具も使用後は洗浄と熱湯殺菌をしましょう。

鮮度がよくても油断禁物

健康な動物や鮮度のいい食品でもカンピロバクターを保有していることが多いです。鮮度が悪くなるとカンピロバクター以外の菌の増殖のおそれがありますので、食品は早めに食べきることが食中毒予防の基本です。

冷凍では菌は死滅しない

冷凍保存した鶏肉からカンピロバクターが検出されたことがありました。鶏肉を保存するときは、蓋付きの容器に入れて汁のもれやほかの食品との接触をしないように注意します。

カンピロバクター感染症は治療できるの?

経過と治療
多くの場合は1週間ほどで自然治癒します。体外に菌がすべて排出されれば症状が治まります。下痢止めを自己判断で服用すると、菌の排出がうまくいきません。抵抗力が弱い人、高齢者、子供は重症化の可能性が比較的高いため注意が必要です。
対症療法
水分と塩分の補給をこまめに行い、脱水症状を予防しましょう。症状が安定するまでは食事はなるべく控えます。食事を開始するときは胃腸にやさしい、消化にいい食べ物からとってください。
重症化した場合
高熱、出血を伴う下痢など重症がみられた場合は病院を受診してください。医師の診断のもと、抗菌剤などの治療を行います。ただしカンピロバクターによる死亡例はほとんどありません。
ギラン・バレー症候群
感染後数週間してギラン・バレー症候群(手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難など)を発症する場合があります。筋肉を動かす運動神経に障害が起こり、しびれや力が入りにくいなどの全身症状があらわれます。

おわりに:見た目や匂いに安心せず、鶏肉は十分には加熱しましょう

カンピロバクターに汚染された食品は、腐敗とは違って見た目や匂いに変化がみられません。よく加熱調理してから食べること、二次感染を防ぐために手や調理器具の洗浄や消毒を徹底しましょう。

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