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カレーやシチューに多いウェルシュ菌食中毒とは?

十分に加熱したカレー 食事・料理

煮込み料理や汁物などの鍋料理は家庭でもよくつくられるレシピですよね。しかし鍋料理や大量調理はウェルシュ菌食中毒の感染リスクが上がる場合があります。下痢や腹痛などの食中毒を引き起こすウェルシュ菌は身近な細菌。特徴や予防法を理解して感染を防ぐのがおすすめです。

ウェルシュ菌ってどんな細菌なの?

ウェルシュ菌とは、ヒトや動物の大腸内常在菌です。下水や河川、海、耕地などの土壌に存在しています。広く分布しているため、野菜にも付着しています。

ウェルシュ菌が腸管内で増殖するとエンテロトキシンという毒素が発生し、下痢や腹痛など食中毒の原因になります。そのほかガス壊疽、化膿性感染症、敗血症を発症するおそれがあります。カレーやシチュー、スープ料理の鍋底で増殖し、高温に強い硬い殻の「芽胞」をつくります。

ウェルシュ菌の特徴

  • 酸素を嫌う(嫌気性菌)
  • 熱に強く高温でも死なない
  • 健康な人の便からも検出される
  • 若者より高齢者は比較的ウェルシュ菌保持率が高い

ウェルシュ菌の潜伏場所

土や水、河川、海、耕地の中、健康な人の腸内、動物の腸内。特に牛、鶏、魚が保持していることが多くみられます。

気をつけたい食品

汚染された肉類や魚介類を使用した煮込み料理。大量調理はウェルシュ菌増殖の好条件となるため注意が必要です。

ウェルシュ菌が繁殖しやすい環境

芽胞のままであれば人体に害を及ぼさず、増殖しません。芽胞は100℃で1時間加熱しても生き残ります。一度加熱されてから、室温くらいまでに下がるとウェルシュ菌が好む環境となり、発芽して急速に増殖します。ウェルシュ菌が増殖しやすい温度は、43~45℃。増殖可能な温度は12~50℃。

酸素を嫌う嫌気性菌ですので、スープや煮物などの料理の鍋底には酸素がないため繁殖しやすくなります。熱に強いウェルシュ菌は加熱調理しても死なず、いろいろな食品を煮込んだ料理ではほかの菌が死んでも生き残ります。

ウェルシュ菌による食中毒を予防するにはどうすればいいの?

ウェルシュ菌食中毒の予防は、菌を増やさないことがとても重要です。

菌にとって好条件をつくらない
急速に増殖する至適温度43~45℃、増殖可能な温度12~50℃に食品を保存するのはなるべく避けましょう。食品を保存するときは10℃以下に急速冷却、あるいは55℃以上で保温するのが安全です。菌が増殖する温度での保存時間は短くするように意識してください。
保存は小分けが安全
東京都健康安全研究センターの実験によると、鍋で調理したあとに「小分けして冷蔵」「鍋ごと冷蔵」「鍋ごと常温」のなかでは、「小分けして冷蔵」が最もウェルシュ菌が増殖しにくいという結果になりました。

ウェルシュ菌を増やさない方法

  • 調理中は鍋をよくかき混ぜ、鍋底に空気を送る
  • 加熱調理後は、小分けして調理食品内部の温度を素早く下げる
  • 保存後に食べるときは必ず再加熱してから!
  • 再加熱の際は、加熱むらがないようにかきまぜて内部まで熱する
  • 十分に加熱したあとはすぐに食べて菌を増殖させない

冷蔵?冷凍?どちらが安全か

小分けしたあと、翌日までに食べきるのであれば冷蔵保存でも大丈夫です。しかし食べきるまでに時間を要する場合は冷凍保存しましょう。保存した食品は1週間以内に食べきってください。

いずれにしても室温保存はウェルシュ菌を増殖させるおそれが高いためおすすめできません。粗熱をとるときは、鍋などから厚みのない平たい容器に移し替え、氷や保冷剤の上で混ぜると早く冷えていきます。

関連記事:家庭でできるノロウイルスの消毒方法と予防法とは?

ウェルシュ菌食中毒は自然に治る?

ウェルシュ菌食中毒の潜伏期間は原因となる食事をしてから16~18時間です。腹痛、下痢など軽症な症状で経過することが多いです。嘔吐や発熱はほとんどあらわれません。

ウェルシュ菌食中毒の症状は薬で治すことができません。脱水を避けるために水分をとりながら、体内の毒素が分解されるのを待ちます。一般的には1~2日で症状が改善します。重症化することはほとんどありませんが、粘血性の下痢が発症する場合があります。

乳幼児や高齢者は脱水症状に陥ることがあり、経口補水液などで対処療法がとられる場合があります。

関連記事:食中毒になったときの症状は?どうやって対処すればいいの?

おわりに:鍋料理で注意したいウェルシュ菌食中毒。菌を増やさない保存方法がポイント!

ウェルシュ菌は増やさないことが感染予防の基本です。鍋物や大量調理をした場合は手早く冷蔵保存または冷凍保存をしてウェルシュ菌が好む環境に食品を放置しないようにしてください。

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自動かき混ぜ機能があるのが嬉しいポイント。145メニューのレシピに対応しているので、家事の手間がかなり省けます。ただし、ウェルシュ菌には注意が必要です。

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