くつろぎの場所として居間や個人の部屋に設置されるソファーは、リラックスした体勢や服装で使ったり、何かを食べたり飲んだりしながら座ったりすることが多く、さまざまな汚れがつきやすい家具です。
そんなソファーですが、布・合皮・革など、素材によって掃除方法も異なります。そこで、まずはソファーにつく汚れの原因を理解し、素材別の掃除方法を見ていきましょう。
ソファーの汚れの正体って?
ソファーの汚れの正体は、主に「汗や皮脂汚れ・髪の毛・ペットの抜毛・化粧品・食べカス・ジュースなどの汚れ・チリやホコリ」などが当てはまります。座ったり寝そべったりというリラックスした体勢で使うことが多いソファーは、密着した肌から汗や皮脂、化粧品や制汗剤、髪の毛などの汚れが移ります。
汗や皮脂、化粧品などの汚れは放置しているとソファーの黄ばみや黒ずみなどの原因になってしまいますし、ソファーに座りながらお菓子を食べたり飲み物を飲んだりしているとそれらのカスでソファーが汚れてしまうこともあります。豊富な栄養分や水分は雑菌やカビなどの繁殖を助けてしまうことも考えられます。
他にも、小さな子どもがいる家庭ではクレヨンやボールペンなどの落書きで汚れてしまうことも考えられますし、ペットがいる家庭ではペットの抜毛もホコリやチリにつながってしまいます。夏場などの暑い時期は、うっかりソファーでうたた寝をしてしまって汗でびっしょり濡れてしまう、ということもよくあります。
キッチンとリビングが一つの空間になっている住居では、調理中に出る水蒸気や油煙などの微粒子もソファーにくっつきますし、皮脂汚れがダニのエサになって繁殖を助けてしまい、ダニに直接噛まれるだけでなくその死骸がアレルギー性皮膚炎などの疾患を引き起こすこともあります。このように、ソファーには目に見えない汚れもたくさんついていることに注意が必要です。
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ソファーの素材別の掃除・お手入れ方法は?
では、実際の掃除方法やお手入れ方法を布・合皮・革と、素材別に見ていきましょう。
布製ソファーの掃除・お手入れ方法は?
まず、布製のカバーが取り外せるソファーは洗濯できますので、カバーを外したらそのまま洗濯機で丸洗いしてしまいましょう。ただし、同じ布製であっても素材によっては縮んだり色落ちしてしまったりする場合がありますので、タグについている洗濯表示をしっかり確認し、洗濯機や手洗いでの洗濯が不可になっている場合はクリーニングに出しましょう。
カバーが取り外せないタイプのソファーは、以下のような手順で掃除を行います。
- 掃除機でホコリやゴミを吸い取る
- ソファー全体に、粉のままの重曹をまんべんなく撒く
- 数時間放置し、汚れと重曹をなじませる
- 掃除機で重曹を吸い取る
- タオルに衣類用中性洗剤を少量つけ、ソファーのシミ部分を叩く
- シミの中心に向かい、汚れを集めるように優しく拭く
- 濡らしたタオルで水拭きする
- 乾いたタオルで乾拭きする
重曹はアルカリ性ですから、ソファーにつく汚れで多い汗や皮脂汚れなどの酸性の汚れを中和して落としやすくできます。重曹はナチュラルクリーナーとも呼ばれ、人にも環境にも安全な成分として知られていますので、小さい子どもやペットのいる家庭でも安心して使うことができます。
中性洗剤をシミにつけるときは、こするとシミが広がってしまいますから、ポンポンと叩くように馴染ませていきましょう。また、コーヒーやぶどうジュースなど、色の濃いシミの場合はとれないこともあります。その場合は、酸素系の漂白剤をぬるま湯に溶かしてタオルにつけ、ソファーをポンポンと叩いて馴染ませた後、同様に水拭きと乾拭きで洗剤成分を拭き取りましょう。
布製ソファーのダニ退治方法は?
布製ソファーの場合、掃除を怠り汚れが溜まってしまうと、ダニの温床となってしまいます。例えば、最近ソファーに座ると身体がかゆくなる、という場合はダニが生息している可能性が高いです。カバーが外せるタイプのソファーなら定期的にクリーニングに出したり、コインランドリーの高温乾燥機を利用したりしてカバーについたダニを駆除しましょう。
カバーが外せないソファーの場合は、スチームアイロンと掃除機を使い、以下のような手順でダニを退治しましょう。
- スチームアイロンの温度を「高」にして準備する
- ソファーから数cm浮かせてスチームをかける(または、水で濡らして固く絞ったタオルの上からアイロンをかける)
- ソファー全体に念入りに掃除機をかける
このとき、ソファーに直接アイロンを当ててしまうと、布地が焦げたり変色・変質したりしてしまう可能性がありますので、必ず浮かせるかタオルを敷きましょう。アイロンをかけるときはササッと終わらせるのではなく、じっくり熱を浸透させるのもポイントです。最後に、ダニの死骸や糞などを掃除機で吸い取り、アレルギー性鼻炎や喘息などが起こらないよう防ぎましょう。
合皮ソファーの掃除・お手入れ方法は?
合皮ソファーの場合、ダニの温床にはなりにくいため、基本的には汚れを落とすだけでOKです。「洗濯用洗剤・タオル2枚・重曹・スプレーボトル・メラミンスポンジ」を用意し、以下の手順で掃除を行いましょう。重曹は水100mLに対して小さじ1杯の割合で重曹水を作り、スプレーボトルに入れておきます。
- 水で濡らし、固く絞ったタオルに洗剤を少量つける
- ソファー全体を拭く
- 落ちにくい汚れの上に重曹水を吹きかける
- メラミンスポンジで汚れをこすり落とす
- ソファー全体を水拭きし、洗剤と重曹を拭き取る
- 乾拭きし、乾燥させる
素材や色によっては洗剤や重曹で変色してしまう場合がありますので、掃除を始める前に目立たない部分に洗剤や重曹をつけ、変色しないかどうか確認してから行いましょう。洗剤で水拭きすればたいていの汚れは落ちますが、長期間放置された汚れは洗剤だけでは落ちないことがありますので、メラミンスポンジと重曹を使って落としていきましょう。
メラミンスポンジとは、表面が密集した細かい無数の網目になっている「メラミン樹脂」でできたスポンジのことで、基本的に洗剤を使わなくても汚れを落とせるスポンジとして有名です。ここでは重曹水と併せて使うことで、ソファーの主な汚れである汗や皮脂などの酸性汚れを中和し、より汚れを落としやすくしています。
革製ソファーの掃除・お手入れ方法は?
革製のソファーは非常にデリケートな素材ですから、水や洗剤を使うのは厳禁です。基本的にはレザークリームなどの革専用クリームを使って磨くことがお手入れ方法となっていますが、製品によって取り扱い方が異なりますので。取扱説明書をよく読み、それに従ってお手入れを行いましょう。ものによってはひび割れ防止のため、オイルクリーナーなどを使って油分を補うのが良いとされることもあります。
おわりに:ソファーの掃除は布・合皮・革など素材によって異なる
ソファーの掃除は、布・合皮・革などカバー部分の素材によってやり方が異なります。最も多く使われる布タイプのソファーは汗や皮脂汚れなどによってダニの温床になりやすいため、通常の掃除に加えてダニ駆除も行うと良いでしょう。
合皮の場合ダニの温床になることはまずありませんので、中性洗剤で拭いてメラミンスポンジで汚れをこすり落とします。革の場合は製品によって異なりますので、取扱説明書をしっかり確認しましょう。
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