家や人に悪影響を及ぼす害虫はさまざまな種類があります。中でも身近な害虫がダニ。この記事ではダニ害を起こすダニの種類や被害の例、対策方法などを紹介します。
家に出るダニの種類とは?
家の中には複数の種類のダニが生息しています。ダニはクモやサソリの仲間です。頭、胸、腹が一体となって胴体部をなし、胴体部の前方に顎体部があって口を持っています。
屋内に生息するダニは、屋内塵性ダニ類と総称されています。屋内塵性ダニ類は、ヒョウダニ(チリダニ)類、コナダニ類、ツメダニ類などです。ダニによるアレルギー症状の主な原因はヒョウダニ類で、屋内塵性ダニ類の7~9割を占めます。
ヒョウダニ(チリダニ)
ヒョウダニ(チリダニ)は、0.1~0.3mmの小さなダニで、一年を通してみられる種類です。じゅうたんや家具などに多く繁殖します。ヒョウダ二が人を刺すことはありませんが、死骸やフンがアレルゲンとなってアレルギー症状を引き起こすことがあります。
コナダニ
コナダニは、梅雨の時期や秋頃に増殖します。高温多湿を好み、繁殖力が強いです。人を刺すことはありません。コナダニが大量発生すると白い粉がふいたように見えます。
- エサ
- 食品類(小麦、粉類、チョコレート、砂糖など)、草類、紙類など
- 生息場所
- 食品(小麦粉、砂糖、ドライフルーツ、味噌、削り節、煮干し、チーズ、チョコレートなど)、医薬品、農作物、畳や新築の家など
ツメダニ
ツメダニは、梅雨の時期や秋頃に増殖します。とくに8~9月はツメダニによる被害が多くみられます。ほかのダニやムシなどをエサにします。人の血を吸うことはありませんが、人を刺すことはあります。
- エサ
- ヒョウダ二、コナダニなどほかのダニ、チャタテムシなど
- 生息場所
- カーペットや畳、ほかのダニが繁殖している場所
イエダニ
イエダニは、吸血性のダニで、ネズミや鳥に寄生します。人の血を吸うこともあります。イエダニの宿主となっているネズミやネズミの巣内に大量発生したときに、人に移動して吸血する場合があります。5月頃に発生し、6月~9月に被害が多くみられます。イエダニは病原菌を持っているおそれがあります。
- エサ
- 脊髄動物、人の血液など
- 生息場所
- ネズミの体や巣、鳥など
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家に出るダニからどんな被害を受けることになる?
ダニは、人を刺したり吸血することがあります。同じ部位に数箇所刺されたような跡ができている場合は、ダニによる被害かもしれません。
ツメダニによる刺咬被害(刺される、咬まれることで起こる被害)
ツメダニは、刺し傷からツメダニの唾液を入れながら、人の体液を吸います。刺された直後は痛みやかゆみを感じませんが、刺されて1~2日経ってから遅延性のアレルギー症状である赤い腫れやかゆみが起こり、1週間ほど続きます。
大腿部、上腕部の内側、腹部、腰部など、体の柔らかいところががツメダニに刺されやすい部位です。
イエダニによる感染症
イエダニに吸血されると皮膚炎を発症します。腹部や太ももが吸血されやすい部位です。
イエダニは人以外に寄生してから人を吸血することが多いため、菌を持っているおそれがあり、感染症を引き起こす可能性があります。
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マダニが家の中に出ることはあるの?
ダニの中でも大型のマダニという種類がいます。肉眼でも確認できる大きさで、3~10mmくらいまで成長します。
マダニの生態
屋外の下草や地表などに潜んでいることが多いです。衣服などに付着したマダニ類が屋内へ持ち込まれる場合があります。
- エサ
- 生物の血液
- 生息場所
- 草むらや地表近く、公園や山など
マダニによる被害
マダニは人を咬み、吸血もします。傷口から炎症が発生し、感染症を引き起こすおそれがあります。皮膚が発赤して腫れるなどの症状があらわれているときは、マダニに咬まれた可能性があります。すぐに病院を受診してください。マダニの被害はかゆみを伴わない場合もあります。
マダニに吸血されたときの対処法
皮膚に付着して吸血しているマダニを発見したときは、無理にとろうとするとマダニの口が皮膚に残るおそれがあります。速やかに医療機関に相談し、適切な対処をとってもらいましょう。
マダニ被害の予防
外で遊んだりガーデニングなどをするときは、長袖や長ズボンなどを着て肌の露出を抑えましょう。マダニの体色とは異なる明るい色の衣服を着ると、付着しているか肉眼で判断できやすくなります。外出時にはマダニが嫌う匂いの虫よけを使用するのがおすすめです。
帰宅後のマダニ対策
講演や庭の草むらなどの屋外から屋内に帰宅したら、衣服はすぐに着替えて洗濯機に入れましょう。洗濯後はよく乾燥させると、乾燥に弱いマダニに効果的です。
衣服のほか、植物やキノコ、鳥や動物の体にマダニが付着していることもあります。
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おわりに:ダニの種類と被害はさまざま。対処法を理解して被害にあったときの準備を!
ダニは身近な害虫で、被害を受ける可能性が多いのが特徴です。春から秋頃までは増殖が活発ですので、こまめな洗濯や掃除などの対策をとって被害をくいとめるのがおすすめです。また、ダニのアレルギーによる肌荒れなどに悩んでいる人は、乾燥肌や敏感肌の人でも使える洗濯洗剤や柔軟剤を使うようにしてください。
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