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栄養効果のある「玄米」には悪影響も? 洗米に注意を

食事・料理

栄養価が高く、健康食やダイエット食として注目されている「玄米」ですが、健康に悪影響を与える可能性もあるといわれています。具体的に懸念される悪影響や、それを防ぐための洗米のコツをお伝えしていきます。

玄米による身体への悪影響とは?

玄米は、もみがら(稲穂から離したばかりの稲の果実の外皮)だけを取り除いた状態の米のことです。精米された白米とは違い、ビタミンや食物繊維等を含む「ぬか」と「胚芽」が残っていることから、栄養価が高いといわれています。

しかし、白米よりも栄養価が得られる反面、下記のような悪影響もあると示唆されています。

下痢や嘔吐、発がん率を高める「無機ヒ素」

ヒ素は、土壌や水中などの自然環境に広く存在する元素で、食べ物や飲料水にも微量に含まれている物質です。ヒ素のうち、炭素を含むものが「有機ヒ素」、含まないものが「無機ヒ素」と呼ばれます。

無機ヒ素は有機ヒ素と比べ、人体に及ぼす悪影響が少し高く、短期間で大量に摂取すると下痢や嘔吐、発熱などの症状が現れることがあるとされています。また長い間継続的に、大量に摂取した場合は、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響もあると報告されています(農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」)。

ヒ素は様々な農作物や水に微量に含まれていますが、中でも米は、ヒ素の含有量が比較的多いとされています。そして米の無機ヒ素は、玄米の外側の「ぬか」部分に多く含まれていることがわかっています。

米の無機ヒ素は、白米に加工してよく研ぐことで濃度を低くできますが、「ぬか」のある玄米では濃度が高くなります。

ただ、農林水産省は「玄米のぬかの部分には、鉄分や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれている。また、食品安全委員会の評価でも「バランスの良い食生活を送っていれば問題ない」とされており、玄米やぬか漬けを食べたとしてもヒ素を摂取することによる健康への問題はない」と見解を発表しています(農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」)。

残留農薬

農作物に害を及ぼす虫を退治する等の理由で、使われるのが農薬です。日本政府では農薬が人体に及ぼす毒性などを検査し、その試験結果によって使用可能な農薬を決めており、農作物の収穫時に残ってしまう「残留農薬」についても基準値を設けています。

米の場合、残留農薬の大部分は玄米の表皮である「ぬか」部分に残っています。
本来は白米に精米してぬかを除去するのがベターですが、玄米でもしっかり米を研いで炊飯調理することで、残留農薬の濃度は減らせると考えられています。

農薬の残留基準値を超えた米が流通してしまう場合もありますが、一日許容摂取量を超える農薬を毎日一生摂り続けることにならないのであれば、健康への影響はないと農林水産省は見解を示しています(農林水産省 消費・安全政策課「残留農薬は危ないの?」)。

なお、どうしても残留農薬の摂取量が気になるという人は、有機JASマークのついた「農薬未使用」の玄米を選んで購入することも対策になります。

ミネラルの吸収を阻害する「フィチン酸」

玄米には、「フィチン酸」という有機リン酸化合物が含まれています。フィチン酸は体内で鉄や亜鉛等のミネラルと結合し、水に溶けにくい「フィチン酸塩」に変化した後、そのまま体外へ排出されるという特徴を持ちます。つまり、ミネラル成分が吸収されるのを妨げ、体をミネラル不足にさせる可能性があるのです。

ただ、「フィチン酸による体内のミネラル欠乏のリスクは少ない」という論文も発表されています。フィチン酸にはミネラルの吸収を阻害する作用がありますが、その分野菜や海藻などミネラルを多く含む食材を摂取してカバーするのが望ましいといえるでしょう。

消化不良を招く「アブシジン酸」

「アブシジン酸」とは植物ホルモンの一種で、植物にとっては種子の休眠や生長抑制、老化促進などに作用する、落葉、落果に関わる大切な栄養素です。これは玄米にも含まれています。
しかし人が摂取すると、アブシジン酸が活性酸素の発生を促し細胞を傷つけるために、消化不良などを引き起こす可能性があるという説があります。

玄米による体調不良を防ぐには、「洗米の仕方」がポイント

玄米はヒ素やフィチン酸、アブシジン酸など、身体に悪影響を与える可能性のある成分も含みますが、洗米のポイントを抑えれば体調不良のリスクを低減できると考えられています。

玄米を炊くときは、下記のポイントをしっかり抑えましょう。

玄米を炊く前に浸水させる
アブシジン酸は、玄米を水に浸けて発芽させることで、毒性を軽減できると考えられています。炊く前に、最低でも12時間~できれば17時間は浸水させるようにしましょう。アブシジン酸は乾燥すると増加する傾向にあるので、夏場よりも冬場は特に浸水に時間をかけることが重要です。
水を多めに炊飯する
玄米は白米よりも水分量が少なく固めなので、玄米のみで炊くときは水分を多めに炊きましょう。玄米モードの炊飯器をお持ちであれば、玄米モードを選択してください。

なお、白米食だった人がいきなり玄米食に切り替えると、摂取量や頻度によっては下痢などの消化不良に見舞われる可能性もあるので、初めのうちは白米と玄米を2:1の割合で混ぜて炊くのがオススメです。この際もしっかり浸水させ、水は多めにして炊いてください。独特の固さが緩和されて食べやすくなります。

おわりに:「白米食→玄米食」に切り替える前に、注意点を知っておこう

近年、玄米は栄養食として注目を集めていますが、白米とは違って精米されていない分、健康を阻害する可能性がある要因も含んでいます。玄米食にいきなり切り替えて体調を崩さないよう、洗米のポイントを知っておく、最初は白米と混ぜて炊くようにするなど、注意点を押さえておきましょう。

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