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重曹でカビを落とせる?重曹はどんな目的で使えばいいの?

カビ掃除用で使う重曹 ハウスダスト(ダニ・カビ)

近年、自然にも人体にもやさしいお掃除グッズとして「ナチュラルクリーナー」が注目されています。ナチュラルクリーナーの代表的なものには酸性の「クエン酸」とアルカリ性の「重曹」がありますが、この重曹でカビを落とすことはできるのでしょうか。

今回は、重曹でカビを落とせるのかを中心に、重曹で行うカビ対策や、確実にカビを退治する方法についてご紹介します。

カビ掃除で重曹を使うことのメリットとは?

重曹はカビなど雑菌の増殖を抑える「静菌効果」を持っています。この性質を利用して雑菌が広がるのを抑え、新しい場所にカビが生えるのを予防できます。重曹は食品にも使われるほど安全で無害な成分であり、その作用も穏やかで使う素材にダメージを与えにくく、万が一小さな子どもやペットが口に入れてしまっても安心なところが大きなメリットです。

しかし、上記のように「カビを抑える」作用はあっても、「カビを除菌し、取り除く」効果はないということに注意が必要です。消毒用アルコール(エタノール)などのように、カビを完全に取り除くことはできません。つまり、カビが別の場所に飛び散ることは防げますが、既に生えてしまったカビを死滅させることはできないのです。

できて間もないカビであれば、重曹を使って目立たなくすることはできますが、重曹を使った後でアルコール消毒などを行わないと、カビの本体(菌糸や胞子)は残ったままになってしまいますので、結局はすぐに再発してしまいます。既に生えてしまったカビに重曹をかけた後は、アルコールなどでしっかりと除菌を行いましょう。

では、カビ掃除で重曹を使うことにはどんなメリットがあるのでしょうか。1つは最初にもご紹介したように、安心・安全な成分だということで、環境にもやさしいことからクエン酸などと同じように「ナチュラルクリーナー」と呼ばれていることが挙げられます。また、重曹は正式名称を「炭酸水素ナトリウム」と言い、弱アルカリ性でタンパク質(酸性の汚れ)を落としやすくする効果がもう1つ挙げられます。

カビ菌の細胞も人間の細胞と同じように、タンパク質・脂質・糖質・酢酸などの化合物が集まって成り立っています。弱アルカリ性の重曹はこのタンパク質の結合を緩めることで、カビの働きを抑えるのです。また、重曹には研磨作用がありますので、壁についたカビの跡を、壁を傷めず擦り落とすのには役立ちます

重曹には薬用・食用・掃除用の3種類あり、どれも基本的な成分は変わりません。ただし、当然ながら薬用や食用は人体に入ることを想定しているため品質管理基準が厳しいのですが、掃除用は人体に入ることを想定していないため、やや基準が緩めになっています。

そのため、掃除用の重曹が口に入ってもそれほど心配しなくても良い、というのは間違いではありませんが、掃除用の重曹を最初から薬用・食用として使ってはいけません。逆に、薬用・食品用の重曹を掃除に使うのは問題ありません。

重曹を使ったカビ対策の方法は?

重曹を使うカビ対策とは、主にカビの予防となります。ざっくり言えば、重曹を水に溶かしてスプレーして乾拭きするだけのシンプルなものです。では、まず用意するものから見ていきましょう。

  • 重曹
  • 空のスプレーボトル
  • 清潔な布(おろしたての雑巾や布巾でもOK)

用意するものは以上です。スプレーボトルは100円ショップなどで売られているごくシンプルなもので構いません。具体的な手順は、以下の3ステップです。

重曹スプレーを作る
水500mLに重曹大さじ1杯の割合でスプレーボトルに入れ、よく混ぜる。
吹きかける
カビが発生しそうな壁などに、まんべんなく重曹スプレーを吹きかける
乾拭きする
水分を取り除くため、仕上げに乾拭きして完了

乾拭きで水分を拭き取っても、重曹の成分はうっすらと壁に残りますので、半年に1回くらいこの方法でカビ予防をしておくと、いつもキレイな状態をキープできるでしょう。

このようなカビ予防は、基本的にリビングなどの生活空間に向いています。カビができやすいお風呂などの水場にも使えないわけではないのですが、お風呂は入るたびに、キッチンや洗面台は手や食器を洗うたびに毎回重曹の成分が流れ落ちてしまいますので、あまり現実的ではありません。

リビングでは、特に家具の裏や部屋の隅など風通しの悪い場所にカビのエサとなるホコリがたくさんありますので、重曹のカビ対策がバッチリ効果を表します。下駄箱やクローゼットなども同じ理由で向いています。「ずっと陽が当たらず、なんとなく空気が淀んでいる」「長く掃除していない」という場所があれば、まずカビが生えていないかチェックし、生えていなければぜひ重曹によるカビ予防をしましょう

重曹で予防していたのにカビが生えてしまったら?

最初にご紹介したように、既にカビが生えてしまった場所に重曹をかけても、カビを死滅させることはできません。その場合は、アルコール除菌スプレーを使いましょう。とはいえ、アルコールを直接吹きかけてしまうと、その勢いでカビを撒き散らしてしまう可能性があります。

そこで、ティッシュやキッチンペーパーにアルコールを吹きつけ、そのティッシュなどでカビの生えた部分を拭いて除菌しましょう。目に見える部分のカビを拭き取り終わったら、最後にカビの生えていた範囲よりもやや広めにアルコールを吹きつけて乾拭きし、完了です。

重曹でとれないなら、セスキ炭酸ソーダでとれる?

重曹やクエン酸と同じようなナチュラルクリーナーとして有名なお掃除グッズに「セスキ炭酸ソーダ」というものがあります。自然界にも存在する天然素材であることから、人体や環境に影響が少なく使いやすいお掃除グッズとして広く使われています。しかも、セスキ炭酸ソーダは重曹と同じアルカリ性の性質を持っています

また、液性(酸性やアルカリ性など)を示す「pH」という値が重曹は約8.2のごく弱いアルカリ性なのに対し、セスキ炭酸ソーダは約9.8と、弱アルカリ性の中でもやや高めの値を示しています。より強いアルカリ性を持っていることから、重曹よりも汚れを分解する力が強いのが特徴です。

とはいえ、残念ながらセスキ炭酸ソーダにも重曹と同じように、カビを完全に取り除く能力はありません。もちろん、重曹と同じようにできてすぐのカビを拭くと静菌作用で目立たなくすることはできるのですが、カビそのものは残っていますので、しばらくするとまた増殖してきてしまいます。

では、カビを完全に取り除くにはどうすれば良いのでしょうか。それは、主に以下の4つの方法があります。

熱湯消毒
  • 洗剤を使わない、もっとも簡単な方法と言える
  • カビは高温には非常に弱く、50〜60℃以上のお湯で死滅する
  • ステンレスシンクやお風呂の排水口など、熱に強い場所には非常に有効な方法
アルコール除菌
  • アルコール除菌スプレーや、アルコール入りのウェットティッシュでOK
  • フローリングや壁紙など、強い洗剤を使えない場所や熱湯を使えない場所にも使える方法
酸素系漂白剤
  • 衣類についたカビなど、頑固なものには粉末の酸素系漂白剤がおすすめ
  • お湯で溶いた酸素系漂白剤にカビ汚れがついた部分を浸し、2〜6時間を目安に放置する
  • 除菌・漂白作用のある酸素の泡が発生し、繊維の奥まで除菌できる
塩素系漂白剤
  • どうしても取れないカビのシミに対する最終手段として使える
  • 塩素の強い漂白効果により、ゴムパッキンに入り込んだ黒カビのシミなども落とせる
  • カビ汚れに塩素系漂白剤をかけ、3分ほど待ってよくすすぐ
  • 人体への影響も大きいため、必ず換気扇を回したり窓を開けたりと、換気をしながら行う

カビの本体を死滅させ、カビを完全に取り除くには以上の4つのいずれかの方法を使いましょう。上から順に実行しやすい方法ですから、まずは熱湯やアルコール消毒、衣類には酸素系漂白剤、どうしても落ちない浴室の黒カビ汚れには塩素系漂白剤と使い分けましょう。

おわりに:重曹でカビは落とせないが、カビが生えないよう予防することはできる

重曹には、カビなどの雑菌の活動を抑え、それ以上増殖しないようにする「静菌作用」があります。そのため、カビが生えないよう予防することはできますが、既に生えてしまったカビを除菌することはできません。

ですから、重曹を使ってカビ対策するなら、まだカビが生えていない壁などに重曹を使ってカビ予防を行いましょう。カビの本体を除菌するには、熱湯やアルコール、漂白剤を使いわけます。

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