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ダニ対策の基本 − 場所ごとでわかるダニ対策の方法とは

カーペットにひそむダニ ハウスダスト(ダニ・カビ)

ダニは、蚊などと同じようにさまざまな病気を媒介してしまったり、死骸やフンがアレルゲンになったりと、健康被害を及ぼすことの多い害虫です。不潔な場所に現れやすいとされるダニですが、詳しくはどんな条件で発生しやすいのでしょうか。

今回は、ダニの発生しやすい条件や場所別の対策方法、大量発生してしまった場合の駆除方法を合わせてご紹介します。ダニに悩まされている人は、一度チェックしてみてください。

ダニが繁殖しやすいのはどんな場所?

ダニは掃除をせず不潔にしていると増えてしまい、刺されると痒くなる害虫、というイメージを持っている人も多いでしょう。それは必ずしも間違いではありませんが、ダニが増えてしまう条件はもっと細かいものです。まずは、ダニの繁殖しやすい条件を見ていきましょう。

ダニが繁殖しやすい条件って?

ダニは、残念ながらどんなに掃除が行き届いている家であっても必ず潜んでいるもので、生息数ゼロにすることはできません。とはいえ、健康被害が出ていないようなら、必ずしも神経質にゼロを目指す必要もないのです。大量発生してしまうと刺されて痒みが出たり、アレルギーの原因になったりと健康被害につながりますので、注意する必要があります。具体的には、以下の条件が揃わないよう気をつけましょう。

  • 20〜30℃の気温(特に25〜28℃)
  • 60〜80%の湿度(特に70〜80%)
  • 餌となるホコリ、食べカス、人間のフケ、カビなどが豊富
  • 身を潜められる場所がある

特に、気温と湿度は梅雨の時期には簡単に満たしてしまうものですから、注意が必要です。さらに、最近の住宅は気密性が高く冬でも暖かいことから、一年を通じてダニの繁殖しやすい条件が揃いやすいと言えます。厄介なのは、人間が汚いと感じるホコリ・食べカス・フケ・カビなどはすべてダニのエサになることです。

このことから、掃除をしていないとダニが発生しやすくなる、と考えられてきたのです。例えば、干していない布団・掃除を怠っている部屋・敷きっぱなしのカーペットなどは確かにダニにとってのエサが豊富で、身体の小さなダニはどこにでも隠れられます。閉めっぱなしのクローゼットや押入れなどは、開けて確認することも少なくダニにとって格好の住処となってしまいます。

クローゼットや押入れにダニが発生しやすいのは、冬場に使われてフケや汚れがついたままの衣類や布団を入れっぱなしにしてしまうこと、衣類や布団は湿気を吸いやすく、クローゼットや押入れでは湿気がこもりやすいことなども要因と考えられます。つまり、発生条件がすべて揃った、ダニにとって最適な環境になってしまうのです。

では、ダニが増えすぎてしまうと、具体的にどのような健康被害があるのでしょうか。

ダニは人間やペットにどんな影響を与えるの?

ダニの健康被害で最もよく知られるのは、刺されたことによる痒みや炎症です。ダニの中でも「イエダニ」「ツメダニ」などが人を刺す種類のダニで、刺されると蚊に刺されたのと同じように腫れ上がるものの、その期間は長く一週間〜数ヶ月も治らないことがあります。「ヒョウダニ」などは人を刺さないものの、ダニ本体やフンなどが大量にあるとアレルゲンとなり、喘息や鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすこともあります。

最近、注目されているのが危険な「マダニ」で、その危険性から「殺人ダニ」などとも呼ばれているものです。マダニは他のダニに比べて体長が3mm程度と肉眼で確認できるほど大きく、通常は山の中や公園など、屋外に生息しています。しかし、犬や猫などに寄生する性質があり、散歩などでペットを外に出したときに寄生され、家に入ってくることがあります。

マダニはペットだけでなく、人間にも感染する危険な感染症を媒介するため、殺人ダニと呼ばれています。刺されると発熱や嘔吐を引き起こし、最悪の場合は本当に死に至ることがありますので、注意が必要です。

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関連記事:家に出るダニの種類と気をつけるべき「ダニ害」とは?

ダニ対策は場所によってやり方を変えた方がいい?

ダニ対策の基本としては、室内をキレイに掃除しておくことですが、家の中でもとくにダニが発生しやすい場所があります。それらの場所では以下のように少しずつ方法を変え、場所ごとにより効果的なダニ対策を行いましょう。

布団へのダニ対策とは?

布団は家の中で最も多くダニが発生する場所だとされ、少し前まではこまめな天日干しが最も有効なダニ対策だとされてきました。しかし、最近では天日干しだけでは不十分だとする説が濃厚で、天日干しで効果がないわけではないものの、天日干しでは表面についたダニにしか効果がなく、布団の奥に潜むダニは退治できないとされています。

では、布団に掃除機をかけてダニを吸ってしまえば良いのでは、と考えるやり方もありますが、ダニが布団の繊維にしがみついて掃除機の吸引を逃れたり、布団の奥のダニまでは吸い出せなかったりという実験結果も報告されています。

そのため、最も有効なダニ対策は「高温乾燥」だと考えられています。家庭用の乾燥機のサイズで布団を乾燥させるのは難しい場合が多いのですが、コインランドリーにはたいてい大型の高温乾燥機が設置されていますので、厚手の布団でも乾燥させられます。だいたい30分程度高温乾燥させると、布団に生息しているほとんどのダニを駆除できます。

もちろん、高温乾燥だけではダニを殺すことはできても、死骸を除去しきれていないこともあります。死骸はアレルゲンとなって健康被害を及ぼす可能性がありますので、高温乾燥の後は必ず掃除機でダニの死骸を吸い取ってしまいましょう。

ダニを寄せつけないためには、3ヶ月に1度くらい布団の高温乾燥を行うと良いでしょう。さらに、こまめな天日干しも効果的です。普段は天日干しと掃除機、3ヶ月に1回は高温乾燥と掃除機、を繰り返せば、布団のダニに悩まされることはなくなるはずです。家に布団乾燥機があるという場合は、家庭用の布団乾燥機でも構いません。ただし、天日干し後に布団を叩くと、ダニが布団の中に産卵していた場合、その卵を飛び散らせてしまうので、やめましょう。

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マットレスへのダニ対策とは?

マットレスも布団と同じようにダニが発生しやすいので、布団と同様の対策が効果的なのですが、マットレスは布団とは異なりコインランドリーの高温乾燥機が使えず、干すのも簡単ではありません。そのため、マットレスは布団よりも日頃のこまめな対策が重要になってきます。

まず、毎日の掃除のついでに掛け布団を外してこまめに掃除機をかけましょう。ダニは頭皮から落ちるフケやアカを特に好みますので、枕元には念入りに掃除機をかけます。晴れた日には窓を開けて寝室に風を入れ、マットレスを乾燥させることも重要です。時間があれば、ベッドからマットレスを外して立てかけ、窓際に干しておくとマットレスの奥まで乾燥させられます。

マットレスのダニ対策として最も有効なのは、家庭用の布団乾燥機の使用です。ダニは熱に弱いので、布団乾燥機で熱するとともに、湿気を飛ばすのが有効です。布団乾燥機なら天気の悪い日でも使えますので、小さな子どもがいる家庭など、特にダニに注意しなくてはならない場合にもおすすめです。

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関連記事:マットレスのダニ対策 。ダニ退治と再発予防を成功させるコツとは?

カーペットへのダニ対策とは?

カーペットは床の上に敷いていることから、髪の毛・ホコリ・食べカスなどのゴミが溜まりがちです。湿気もこもりやすいため、ダニの繁殖しやすい環境が揃いやすい場所だと言えます。これも布団と同じように高温乾燥が最も効果的ですが、マットレスなどと同様、コインランドリーの布団乾燥機は使えないカーペットが多いです。

そこで、高温にできるアイテムとしてスチームアイロンがおすすめです。焦げつかないようカーペットの上に湿ったタオルをのせてから、熱をカーペットの奥まで浸透させるようゆっくりとアイロンをかけていきましょう。最後に、ダニの死骸を除去するために掃除機をかければ完了です。

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関連記事:カーペットにカビがはえたときの対処法と予防方法とは?

畳へのダニ対策とは?

畳には、い草という天然素材が使われています。い草には湿気を吸収する性質があり、部屋の湿度を調整して快適にしてくれますが、もちろん吸い込んだ分の湿気は畳に溜まってしまうことになります。しかも、畳の目にはホコリや食べカスなどが溜まりやすく、これらがダニのエサになってしまうのです。

畳への効果的なダニ対策は、畳を床から外して天日干しすることです。日当たりの良い日に、風通しの良い場所で干して畳を乾燥させましょう。こうするとダニが寄りつきにくくなります。干したあとは、畳全体に掃除機をかけてダニの死骸をしっかり除去するのを忘れないようにしましょう。

さらに、天日干しの後はダニを寄せつけないため、毎日掃除機をかけるとともに、固く絞った雑巾で一週間に一度の拭き掃除を行いましょう。また、ダニ以外にも畳の汚れや老朽化が気になる場合は、畳の張替えをプロに相談しましょう。

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関連記事:畳のカビの掃除方法と予防方法とは?

ソファへのダニ対策とは?

ダニは布団やカーペットなどに発生しやすいイメージがあり、意外と忘れられやすいのが布張りのソファです。人間が毎日腰かけるソファは、皮脂汚れや食べカスなどがつきやすく、湿気も溜まりやすいため、布団やカーペットに次いでダニが繁殖しやすいとも言われています。

ソファのダニ対策は、表面の布カバーが外せる場合はカバーを洗って乾かし、ソファ本体によく掃除をかけてからカバーをかければOKなので簡単です。布ソファの本体の多くはウレタンという素材で作られていますが、ウレタンは布団に使われている綿とは異なり、内部にまでダニが侵入することはあまりありません。ですから、カバーにしっかりダニ対策を行い、本体のホコリを掃除するだけで十分な対策になるのです。

しかし、布カバーが外せないタイプのソファの場合、カバーを丸洗いすることができません。そこで、布団乾燥機に入るサイズであれば布団乾燥機の高温乾燥でダニを死滅させるのがおすすめです。もちろん、最後にダニの死骸を除去するのを忘れないようにしましょう。布団乾燥機がない、入らないという場合はドライヤーでもある程度の効果が期待できます。

ダニ対策としてはアイロンも効果的ですが、スチームアイロンではソファが濡れて劣化してしまう恐れがあり、スチーム機能を切ってしまうと焦げつきのリスクがあります。スチームアイロンを使う場合は、取り扱い説明書でソファの耐水性を確認しましょう。もし、耐水性が期待できないソファの場合は、プロのクリーニング業者に相談してみるのが良いでしょう。

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関連記事:ソファーの掃除方法は素材別でどう違うの?

増えたダニを自分で駆除する方法はある?

最近ちょっとかゆいかもしれない、たまに刺されてしまう、という程度であれば、前章で挙げたような対策を行い、こまめに掃除や換気を行えば、ダニの被害が深刻化することはまずないと言えるでしょう。しかし、寝る度に刺されてしまう、ダニが動いているのが見えるというほどの場合は、ダニが大量発生しています。一刻も早く、以下の順番で徹底的な駆除を行いましょう。

駆除①:燻煙剤を使う

最初に、いま生息しているダニを死滅させなくてはなりません。部屋を閉め切った状態で、市販のダニ駆除用の燻煙剤を使います。使い方は商品によって異なりますが、一般的には戸棚や引き出し、クローゼット、押入れなど、ダニが生息していそうな場所はすべて開放し、家電・観葉植物・ペットなどは別の部屋に移動したり、カバーをかけたりしてから使います。

規定の時間が経過したら、薬剤を吸い込まないよう十分に注意しながら部屋に入り、部屋の換気を行います。ダニが大量発生している場合、一度使っただけではダニを退治しきれず、すぐにまた発生してしまうことが多いですから、短いスパンで何回か行いましょう

小さな子どもやアレルギーを持っている家族がいても使って良いのかと心配になる人もいますが、使用上の注意さえきちんと守っていればまず問題はありません。それでも不安だという場合は、殺虫作用が低くなるものの低刺激な燻煙剤も市販されていますので、そちらを使って回数をこなして退治するのが良いでしょう。

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駆除②:徹底掃除を行う

燻煙剤でダニを死滅させたら、部屋を入念に掃除します。毎日の掃除機がけはもちろん、ソファやカーペットなどのダニ対策も含め、できることはすべて行いましょう。ホコリ・食べカスなどのゴミ、フケやアカなどは徹底的に除去します。ダニのエサとなるゴミやチリを残さないことがダニの駆除で非常に重要です。

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駆除③:湿度を低めに保つ

ダニは条件が揃うと爆発的に繁殖してしまう厄介な害虫ですが、逆に乾燥に弱く、脱水すると数日〜2週間程度で死滅してしまうという性質もあります。そこで、この性質を利用し、室内の湿度を低めに保っておけば、ダニが大量に発生することはほとんどありません。

具体的には、湿度を60%以下に保っておけると良いでしょう。人間が快適だと感じる湿度は40〜60%くらいなので、基本的には人間にとって快適な環境にしておけば良いのです。特に、外気の湿度が低い時期に換気をすれば、室内の湿度は自然と60%以下に下がります。

梅雨など外気の湿度が高い時期には、除湿機やエアコンの除湿(ドライ)機能などを活用しましょう。湿度計をよく見える場所に置き、常に60%以下に保っているかどうか確認し、60%以上になっていたら湿度を下げるようにすればOKです。

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おわりに:ダニ対策には、ダニのエサをこまめに掃除し、湿度を下げることが重要

ダニの発生しやすい条件とは、気温が20〜30℃、湿度が60〜80%、エサが豊富なこと、身を隠せる場所があることの4つです。ダニは小さい生物なので、どこにでも身を隠せますが、餌となるホコリやゴミなどはこまめに掃除すれば繁殖しにくくできます。

さらに、ダニは乾燥に弱いという性質がありますので、人間が快適に感じる40〜60%の湿度を保つことも重要です。梅雨の時期には、除湿剤やエアコンのドライ機能を活用しましょう。

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掃除と一緒にダニを捕まえると、ダニ対策ははかどります。掃除してもダニが減らない人は、試してみてください。

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