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ススカビ(アルテルナリア)の特徴とは?

ススカビ(アルテルナリア)のイメージ画像 ハウスダスト(ダニ・カビ)

カビは私たちの日常生活において、非常に身近なところにいる細菌の一つです。日常的によく見るカビとしては「黒カビ」「青カビ」という特徴的な色を持つカビのほか、「ススカビ」「コウジカビ」という見た目や特徴で名前がついたカビがいます。

今回は、そんな身近なカビの一つ「ススカビ」についてご紹介します。ススカビとはどんなカビなのかや、はえやすい場所や引き起こす健康被害などについて知っておきましょう。

ススカビ(アルテルナリア)ってどんなカビなの?

カビの種類は、全世界で約3万種〜20万種はいるのではないかとされています。毎年60〜80種の新しいカビ菌が発見されているほど種類が多い菌ですが、その中でも特に我々の身近に存在しているカビの一つに「ススカビ」があります。ススカビは学名(正式名称)を「アルテルナリア(Alternaria)属」と言い、自然界に広く分布しています。

なし・柑橘類・りんごなどの果実類、イモ類や穀類、枯れ葉や枯れ草、干し草などの自然環境中に存在して腐敗の原因となるほか、住居中では壁・古本・古紙・餅など、さまざまな場所に発生します。灰色〜黒色のやや綿毛のような集落を作り、植物病原菌やアレルゲンとしても注目を集めています。代表的な菌種に「アルテルナリア・アルテルナータ(A. alternata)」があります。

ススカビは基本的に分生子という無性胞子で増える、すなわち無性生殖だけを行い、有性生殖を行うところがほとんど観察されていないことから、有性生殖(完全世代)と無性生殖(不完全世代)の両方を行う菌に対して「不完全菌」と呼ばれることもあります。これは、菌類の分類が有性生殖を中心として行われてきた歴史によるものです。

アルテルナリアはどんなところにはえやすい?

アルテルナリアは黒いスス状のカビであり、他の多くのカビと同様に湿気の高い環境を好みます住宅の壁や塗装面、プラスチックやビニールクロス、接着剤ホースやシャワーカーテン、布団、浴室のすのこや排水口、エアコン内部など、水場や結露しがちな場所でよく発見されます。キッチンでは、特に冷蔵庫がススカビの住処になってしまうこともあります。

エアコン内部では黒カビなどと同様、プラスチックにも繁殖します。ススカビはもともと胞子が非常に軽く、部屋の空気中に漂っていることもよくありますから、エアコンに吸い込まれやすいと言えます。結露しやすい内部だけでなく、フィルターのホコリや吹き出し口も要注意です。とにかくこまめに掃除をして水分(湿気)やカビの栄養源を取り除きましょう。

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アルテルナリアにはどんな害があるの?

アルテルナリアの胞子はとても軽く、そのため空気中に飛散しやすく、その浮遊時間も長いという特徴があります。その特徴から、同じく空中での浮遊時間が長いクラドスポリウムなどと一緒に「空中浮遊真菌」と呼ばれることもあります。さらに、アルテルナリアは胞子が大きいことから鼻腔内にとどまりやすく、アレルゲンになりやすい菌であることもよく知られています。

他の胞子は鼻から吸い込んでもスルッと体内に入り、免疫機能で排除されてしまってアレルゲンになりにくいのですが、アルテルナリアの場合は胞子が大きいため、鼻腔内を通りすぎず引っかかってしまうことが多いというわけです。そのため、スギ花粉などと同じようにアレルギー性鼻炎の原因となることが多いのです。

他にも気管支喘息を引き起こしたり、肌の弱い人ではアレルギー性皮膚炎を引き起こしたりすることもあります。梅雨時など湿気の多い時期には空中やハウスダスト中など、非常に多くの場所に存在する可能性があります。家の中をこまめに掃除し、アルテルナリアが繁殖しにくい環境を作りましょう。

アルテルナリアは感染症を引き起こすこともあるの?

アルテルナリアはアレルギー性の症状だけを引き起こすわけではなく、皮膚に感染して引き起こす「皮膚真菌症」のほか、いずれも発生頻度としては高くないものの、角膜炎・副鼻腔炎・骨髄炎など、身体のさまざまな部分に入り込んで重篤な感染症を引き起こす可能性もあります。

皮膚アルテルナリア症
  • 皮膚の表面だけに菌がいる「浅在性」と、深くまで菌が入り込んだ「深在性」に分けられる
  • アルテルナリアの病原性は弱いので、免疫機能の正常な人が皮膚アルテルナリア症を発症することはほとんどない
  • 身体の一部または全部が免疫不全の状態にあると、まれに発症する
角膜炎
  • 抗菌やステロイドなどの点眼薬を長期あるいは不適切に使用していたり、植物などで角膜が傷ついたりすると発症することがある
  • 皮膚アルテルナリア症と同様、健康な人が突然発症することはまずない
  • 治療のために角膜を切除しなくてはならなくなることがあり、発生頻度は低いものの注意が必要
副鼻腔炎(アレルギー性真菌性副鼻腔炎)
  • 鼻の穴の周囲にある空洞部分にアルテルナリアが入り込み、アレルギー性の炎症を起こすもの
  • 日本では発症が少なくまれな疾患だが、欧米では手術に至った副鼻腔炎の4〜10%を占める、決してまれではない疾患
  • 日本では認知率が低いため正確な数値が出ていない可能性もあり、注意が必要な疾患

上記のように、アルテルナリアは病原性が低いことから、健康でケガや免疫不全などがない人にとってはそれほど恐ろしい菌ではありません。免疫機能が正常で、ケガなどの傷がない人ではアルテルナリアが異常増殖しにくいからです。しかし、何らかの疾患や抗菌薬などで免疫力が低下したり、体内の細菌バランスが崩れたりすると、アルテルナリアが異常増殖してまれに皮膚アルテルナリア症や角膜炎などを発症することがあります。

アルテルナリアが病原体となる疾患は、病原性の低さから発生頻度としては少ないのですが、角膜炎や副鼻腔炎などでは手術に至る可能性もあり、発生頻度が低いからといって油断は禁物です。

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おわりに:ススカビ(アルテルナリア)は黒いスス状のカビ

ススカビは正式名称を「アルテルナリア属」という黒いスス状のカビで、自然界に広く分布しています。柑橘類を含めた果実類、穀類、干し草などさまざまな物質の腐敗の原因になるほか、住居内の古本や壁などさまざまな場所に発生します。

アルテルナリアは病原性が低く、感染症の発生頻度は低いですが、胞子が大きいためアレルゲンにはなりやすいことに注意が必要です。家の中をこまめに掃除し、ススカビの繁殖を抑えましょう。

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