通勤・通学に、トレーニングに、ランニングやジョギングによく使われるイヤホンは、持っている人はたいてい毎日使っていることでしょう。毎日使っているということは、そのぶん汚れも溜まりやすいということです。
そこで、イヤホンの汚れの原因やタイプ別の掃除方法、汚れを防ぐための予防対策について見ていきましょう。毎日使うイヤホンだからこそ、清潔を保ちたいものです。
イヤホンの汚れの原因って?
イヤホンの汚れの原因は、主に以下の3つが考えられます。
- 耳垢
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- イヤホンは耳の中に入れて使うため、耳垢が溜まる
- イヤホンを装着すると耳の中とイヤホンの間に湿気が発生する
- 耳の中に汗をかくこともあり、それが耳垢とともにイヤホンにつく
- 手垢
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- 手で持って装着するとき、手垢や雑菌がイヤホンにつく
- 外して片付けるときにも手の皮脂汚れがつく
- ポケットやカバンの中のホコリやゴミ
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- イヤホンを使わないとき、ポケットやカバンにそのまま入れるとホコリやゴミがつく
- ポケットやカバンの中には、小さなゴミや細かい線維がたくさんあるため、イヤホンの装着部分などに溜まってしまう
- 空気中のホコリがつくこともある
このように、イヤホンには気づかないうちにだんだん汚れが溜まっていってしまいます。しかし、掃除せずにそのまま汚れを放置していると、イヤホンや耳に以下のような悪影響が出てくることがあります。
- 接続が悪くなり、聞こえづらくなったりノイズが交じったりする
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- イヤホンの接触部分に汚れが溜まると、接続が悪くなってしまう
- 音が悪くなったり、ノイズが発生したりして故障と勘違いしてしまうことも
- 特に、プラグ部分の汚れを放置していると接続が悪くなり、こうした影響が出やすくなる
- 外耳道真菌症(耳にカビが生える)を発症する可能性がある
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- イヤホンが不潔で湿った状態が続くと、耳にカビが繁殖してしまうことがある
- 外耳道真菌症にかかると、耳のかゆみ・痛み・耳だれなどの症状が見られる
イヤホンの汚れを放置していると、このように不具合や病気につながる可能性があります。ぜひ、定期的なお手入れでイヤホンを清潔に保ちましょう。
イヤホンの掃除方法はタイプ別でどう違うの?
イヤホンのタイプは、大きく分けて「カナル型」「インナー型」「ワイヤレス型」の3つに分けられます。それぞれのタイプ別に掃除方法を詳しく見ていきましょう。最後にイヤホンジャックの掃除方法もご紹介します。
カナル型イヤホンの掃除方法は?
カナル型イヤホンとは耳の中に入れ込む密閉タイプのイヤホンで、密閉していることから耳垢が溜まりやすいですが、密閉部分のイヤーピースが取り外せるため、掃除は難しくありません。ストレートタイプの歯間ブラシとアルコール入りウェットティッシュ、普通のティッシュの3つを準備したら、以下の手順で掃除を行いましょう。
- イヤーピースを取り外して拭く
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- イヤーピースが取り外せるタイプの場合は取り外し、アルコールタイプのウェットティッシュでイヤーピース全体を拭く
- イヤーピースの裏側は特に汚れが溜まりやすい場所ですから、ひっくり返して丁寧に拭く
- 歯間ブラシを使い、汚れを掻き出す
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- 本体のメッシュ部分を歯間ブラシで力を入れず優しく擦り、汚れをきれいに掻き出す
- 拭き掃除が難しいイヤーピースの内側の汚れも、歯間ブラシできれいに取り除ける
- イヤホン全体の汚れを拭き取る
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- 最後に、コードやマイク部分などイヤホン全体の汚れをウェットティッシュできれいに拭き取る
- プラグ部分は頻繁に抜き差しするため汚れが溜まりやすく、接続の悪化につながる
- 乾いたティッシュを使い、細かな部分まできれいに汚れを拭き取る
インナー型イヤホンの掃除方法は?
インナー型イヤホンとは、耳を完全に塞がない開放型のイヤホンのことを言います。密閉しないことから耳垢は溜まりにくいですが、繊細なので丁寧に掃除しなくてはなりません。柔らかい歯ブラシとアルコール入りウェットティッシュ、普通のティッシュを用意し、以下の手順で掃除を行いましょう。
- 装着部分を歯ブラシでやさしく擦る
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- 耳に装着する部分をやさしく歯ブラシで擦って掃除する
- スピーカー部分はデリケートで強く擦りすぎると故障してしまうことがあるので、力を入れずやさしく擦る
- イヤホン全体の汚れを拭き取る
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- カナル型イヤホンと同様、コードやプラグ部分もしっかり拭き掃除する
- iPhone8やXに付属のイヤホンのプラグ部分は傷つきやすいため、ティッシュや乾いた布でやさしく汚れを拭き取る
インナー型イヤホンは形がいびつなため、主な掃除は表面のブラッシングです。iPhoneの付属イヤホンもインナー型イヤホンですから、この手順で掃除しましょう。
ワイヤレス型イヤホンの掃除方法は?
最近主流のワイヤレス型イヤホンは、本体がインナー型かカナル型かで上記のいずれかを選べばOKです。ただし、充電ケースにも汚れが溜まっている場合がありますので、本体とともに充電ケースを以下のような方法で掃除しましょう。用意するものは、綿棒と無水エタノールです。
- 綿棒に無水エタノールを染み込ませる
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- 無水エタノールとはほぼ純粋なアルコールで、すぐに蒸発するため精密機器の掃除にも使える
- 綿棒を使い、充電ケースを掃除する
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- 無水エタノールを染み込ませた綿棒で、ケース内の汚れを丁寧に落とす
- 水分が残ると接触不良になるため、掃除の後はエタノールが蒸発するまでしっかり乾かす
イヤホンジャックの掃除方法は?
最後に、イヤホンジャックの掃除方法も確認しておきましょう。プラグを抜き差しするイヤホンジャックも汚れが溜まりやすい場所ですから、掃除が重要です。つまようじにティッシュを巻き、イヤホンジャックの中を丁寧に拭き取ります。イヤホンジャックの汚れを放置しているとイヤホンやスマホ本体の故障につながることもありますので、定期的に掃除を行いましょう。
イヤホンの汚れを防ぐための対策は?
イヤホンに汚れが溜まらないようにするためには、日頃のちょっとした心がけが大切です。具体的には、イヤホンケースを使う、接点復活剤を使う、長時間の使用は避ける、耳垢フィルターをかけるという4つのポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
イヤホンケースを使って汚れを防ぐには?
イヤホンをそのままカバンやポケットに入れてしまうと、空気中やカバンの中のホコリやゴミがついてしまいます。また、コード付きイヤホンなら絡まってしまうことも考えられます。そのため、断線防止のためにもホコリ防止のためにも、イヤホンケースを使うのがおすすめです。
間違って踏んだり上に重いものを乗せてしまったりしても、イヤホンケースに入れておけば故障を防げます。イヤホンだけでなく小物も一緒に収納できるケースを買うと、カバンの中に入れておくのに使い勝手が良いでしょう。もちろん、もともと持っているポーチなどを使っても構いません。
接点復活剤ってどんなもの?
接点復活剤とは、接続機器などの接触不良を改善してくれるもので、いわゆる機械油の一種です。スプレー式のものや綿棒などにつけて塗るタイプのものがありますので、使い勝手の良さで選びましょう。使い方は簡単で、イヤホンジャックやプラグに塗って乾かすだけです。
イヤホンのプラグ部分は、だんだんと摩耗して接続が悪くなってしまいます。そこで接点復活剤を使うと、プラグとイヤホンジャックの間の細かいキズを埋めてくれますので、音質も改善され長持ちします。
イヤホンジャック部分は掃除箇所が狭いので、スプレー式のものだと塗りにくいかもしれません。そんなときは、筆タイプの接点復活剤がおすすめです。音が悪くなってきたと感じたら、ぜひ接点復活剤を使ってみましょう。
イヤホンは長時間使わない方がいい?
イヤホンを使っていると、どうしても耳の中とイヤホンの間に湿気が溜まってしまいます。そのまま長時間使っていると、湿った状態も長時間続き、汚れが溜まりやすくなってしまいます。1時間に1回程度、耳の換気のためにイヤホンを外して一休みすると良いでしょう。
また、近年ではイヤホンの使用によって聴力低下や耳鳴り、めまいなどの症状が現れる「イヤホン難聴」も問題となっています。イヤホン難聴を防ぐためには、適切な音量に調整することと、長時間の使用を避けることが重要です。難聴を防ぐためにも、1時間に1回の休憩を挟みましょう。
耳垢フィルターで汚れは防げる?
イヤホンは複雑な構造をしていますので、手前の方の汚れは簡単に掃除できますが、奥に入り込んでしまうとなかなか取れません。そこで、イヤホン内部に耳垢フィルターを設置し、耳垢やホコリの侵入を防ぐという方法もあります。ただし、この方法はカナル型イヤホンにしか使えないため、インナー型イヤホンを使っている人は間違えて買わないよう気をつけましょう。
おわりに:イヤホンには気づかないうちに汚れが溜まるため、こまめな掃除が重要
イヤホンは毎日のように使うものですから、気づかないうちに汚れが溜まりやすい傾向にあります。耳垢はもちろん、つけるときや外すときの手垢、ポケットやカバン・空気中のホコリなどがつきやすいです。
そこで、汚れてきたなと感じたらこまめに掃除を行いましょう。イヤホンにはカナル型・インナー型・ワイヤレス型の3種類がありますので、種類別に掃除方法を確認し、イヤホンもイヤホンジャックも清潔な状態を保ちましょう。
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