窓の掃除といえば、大掃除の時にしかしない人も少なくないのではないでしょうか。小窓くらいの大きさであれば普段から掃除もしやすいですが、正面の大きな窓を掃除するのはかなり手間なものです。
そこで、今回はどうしても面倒になってしまう窓の掃除を簡単に済ませるコツについてご紹介します。窓の汚れの原因や窓掃除の手順、注意点など、基本的な窓掃除のコツをおさえましょう。
窓の汚れって何が原因なの?
窓の汚れには、室内側からつく汚れと、室外側からつく汚れの2種類があります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
室内側からつく汚れって何が原因?
室内側からつく汚れには、主にホコリ・手アカ・カビ・タバコのヤニ・油汚れなどが考えられます。
- ホコリ
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- こまめに掃除機やフロアワイパーをかけていても、完全には取り除けない
- ホコリ自体は乾いた状態なので、基本的には汚れの中でも取り除きやすい
- しかし、ホコリが窓にできる結露の水分や手アカなどの皮脂汚れと合体すると、窓ガラスにぴったりくっついて取り除きにくくなってしまう
- 手アカ
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- 窓の開け閉めで触る場所のほか、小さな子どもがいる家庭では目線の高さに集中してついていることも
- 汚れた手でガラスに触れたり、手の皮脂がガラスにくっついたりして室内のホコリやゴミがつきやすくなる
- カビ
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- 結露した窓に室内の温度が加わると、カビのはえやすい環境が揃ってしまう
- ホコリや油汚れをエサにして増える場合も
- タバコのヤニ
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- タバコを室内で吸う人がいると、レースカーテンなどでは簡単にすり抜けて窓ガラスにヤニ汚れがついてしまう
- ヤニが蓄積して長期間放置されたままだと、ガラスが黄ばんで変色することもある
- 油汚れ
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- 基本的には台所の窓につくことが多い
- リビング・ダイニングとキッチンが一つの空間になっていると、キッチンの換気扇で吸いきれなかった調理時の油汚れが水蒸気となって部屋中に漂い、家具や窓ガラスにくっつく
このように、窓ガラスの内側につく汚れは生活に関する汚れです。特に、皮脂汚れは無意識につけてしまっていることも多く、さらにその皮脂汚れがホコリを吸着させてしまうこともありますので、小さな子どもがいる家では目線の高さだけでもこまめに拭いておくと、ホコリなどの汚れがつきにくくなります。
室外側からつく汚れって何が原因?
室外側からつく汚れには、雨に混じった土や砂、風に乗って飛んでくる花粉や黄砂、雨や雪解けでできた水アカなどがあります。1階の窓ガラスが庭に面している場合は土や砂による汚れが多く、幹線道路沿いなど交通量が多い道路に面している場合は排気ガスによる汚れが多い傾向にあります。
空気中を飛んでくるこれらの汚れは、そのまま放置しておくと汚れが固まって落としにくくなってしまう場合もあります。特に水アカは放置しているとどんどん固まって落としにくくなってしまいますので、汚れは放置せずこまめに掃除することが重要です。網戸やサッシにもこうした汚れがつき、放置していると湿度の高い季節にはゴムパッキンにカビがはえてしまうこともありますので、注意しましょう。
場所別でわかる窓掃除の手順とは?
では、実際の窓掃除の手順を「窓ガラス」「窓サッシ・網戸」「2階や高所の窓の場合」に分けて見ていきましょう。
窓ガラス掃除の手順って?
窓ガラスの掃除方法は、新聞紙を使う方法、スクイジーを使う方法、重曹やセスキ炭酸ソーダとクエン酸を使う方法の3つがあります。
新聞紙を使って窓ガラスを掃除する方法は?
新聞紙は細かい繊維でできているため窓の汚れを吸着しやすく、インクによる艶出し効果も見込めます。掃除の手順としては、以下のように行いましょう。
- 手のひらに乗るくらいの大きさに、新聞紙を丸める
- 新聞紙を水で軽く濡らす
- ギザギザを描くような動きで、窓ガラス全体を拭いていく
- 別の乾いた新聞紙を丸め、円を描くように乾拭きする
新聞紙でも落ちづらい汚れがある場合は、ごく少量の中性洗剤をつけて水拭きし、その後で乾拭きしましょう。
スクイジーを使って窓ガラスを掃除する方法は?
スクイジーとは、100円ショップやホームセンターなどで安価に購入できるT字型のワイパーのような掃除用具です。先の部分にゴムがついていて、この部分で水切りができます。力が均等にかかり、拭き残しが起こりにくい25cm以下のものがおすすめです。窓の内側を掃除する場合は、窓周辺の床に水が飛び散りますので、タオルなどを敷いてから行いましょう。
- 窓全体にスプレーボトルで水を吹きかける
- スクイジーを上から下に動かし、水を切っていく
- スクイジーを左から右に動かし、水を切っていく
- 右側に溜まった水を、最後に上から下にスクイジーで落とす
重曹やセスキ炭酸ソーダ、クエン酸を使って窓ガラスを掃除する方法は?
窓やサッシをしっかりキレイにしたいという場合は、重曹やセスキ炭酸ソーダとクエン酸を使って掃除するのが良いでしょう。重曹とセスキ炭酸ソーダは同じアルカリ性の成分ですから、どちらか一方だけを準備すればOKですが、クエン酸はいずれの場合も必要です。また、これらを溶かした水をスプレーするため、スプレーボトルを2つ、拭き取るための布巾(マイクロファイバークロスが良い)を2枚準備しておきましょう。
重曹やセスキ炭酸ソーダとクエン酸を用意したら、以下の割合で水溶液を作りましょう。
- 重曹水
- 水300mLに対し、重曹小さじ3杯
- セスキ炭酸ソーダ水
- 水300mLに対し、セスキ炭酸ソーダ小さじ1杯
- クエン酸水
- 水300mLに対し、クエン酸の粉小さじ1杯
上記の量をスプレーボトルに入れてよく混ぜ、スプレーを作ったら、以下の手順で掃除を行います。
- 窓全体に重曹水またはセスキ炭酸ソーダ水をまんべんなくスプレーし、5分置く
- 真水で濡らして固く絞った布巾で、汚れを拭き取る
- クエン酸水を窓全体にまんべんなくスプレーし、5分置く
- 真水で濡らして固く絞った布巾で、汚れを拭き取る
- 最後に、乾いた布巾で乾拭きする
- しっかり乾燥させ、完了
アルカリ性である重曹やセスキ炭酸ソーダは、酸性の油汚れを中和して落としやすくする効果があります。一方、酸性のクエン酸にはアルカリ性の水アカを中和して落としやすくする効果があります。ですから、アルカリ性と酸性の両方の水溶液を使うことで、窓につく汚れを全体的に落とすことができるのです。クエン酸にはカビや雑菌を除菌する効果もありますので、黒カビの予防にもなります。
マイクロファイバークロスは化学繊維のクロスで、繊維が抜けにくく吸水性が高いという特徴があります。窓をせっかく掃除しても、雑巾や布の繊維や拭き跡が残ってしまってはそれが汚れになってしまいますので、繊維が残りにくいマイクロファイバークロスで拭き取るのがおすすめなのです。
窓サッシや網戸の掃除の手順って?
窓サッシや網戸にも、窓ガラスの外側につくのと同じような汚れがつきます。土埃やホコリが濡れると粘土状になって掃除が大変なので、乾いている状態のときに掃除を行いましょう。窓サッシの掃除には、以下のような道具を準備します。
- 掃除機(すきまノズルをつける)
- 刷毛、または歯ブラシ、爪楊枝
- 空のペットボトル
- 雑巾2枚
- 食器用中性洗剤
刷毛や歯ブラシ、爪楊枝などは固まった汚れや隙間の汚れを掻き出すのに使います。では、具体的な手順を見ていきましょう。
- 掃除機でサッシの汚れを吸い取り、吸いきれなかった汚れは刷毛や歯ブラシ、爪楊枝で掻き出す
- ペットボトルに少量の台所用中性洗剤を混ぜた水を入れる
- サッシに水を流し、汚れを洗い流す
- 雑巾で、残った汚れを拭き取る
- サッシ全体を乾拭きする
サッシの掃除と同時に窓ガラスも掃除する場合は、サッシを乾拭きする前に窓ガラスを水拭きまで済ませておき、乾拭きが二度手間にならないようにしましょう。
網戸の掃除には、フロアワイパーとウェットタイプのシートを使います。ホコリを吸着しやすいよう、凸凹があるシートがおすすめです。フロアワイパーの柄を短くして持ちやすくし、網戸の内側から外側の順に拭いていきます。外側の方が汚れが強いため、シートを替えながら念入りに拭いていきましょう。
もし、網戸が老朽化している場合は思い切って張替えも検討しましょう。ただし、網戸の張替えは自分で行うのは非常に難しく、張れたとしてもすぐに緩んできてしまうことも多いので、張替える場合はプロに頼みましょう。
関連記事:網戸の汚れを掃除するときのポイントって?
2階や高所の窓掃除の手順って?
2階や高所の窓は、外側を掃除するのが大変です。人が降りられるベランダなどがついているなら1階と同じように掃除できますが、ベランダのない窓には長いフローリングワイパーや両面ガラスクリーナー、窓掃除ロボットなどがおすすめです。
長いフローリングワイパーで掃除する場合、布巾やスポンジに洗剤を混ぜた水を含ませてワイパーの先に輪ゴムなどで固定して窓を拭き、拭き終わったら乾いた布巾を取りつけて乾拭きします。
両面ガラスクリーナーとは、2つのクリーナーが磁石でくっつくようになっていて、窓ガラスを挟んで両側を同時に掃除できる便利なアイテムです。落下防止のためのバンドがついているものもありますので、2階以上の窓でも安全に掃除が行えます。
窓掃除用ロボットとは、床のお掃除ロボットのように窓を自動で掃除してくれるものです。空気を吸って窓ガラスに張りつくタイプ、磁力を使って窓ガラスを2つのクリーナーで挟む両面ガラスクリーナーと同じタイプなどさまざまなものがあります。ただし、安いものでも1台2万円前後と費用がかかるのがデメリットと言えます。1回数千円でレンタルできるものもありますので、気になる場合はとりあえずお試ししてみるのも良いでしょう。
窓掃除で気をつけることとは?
窓掃除の注意点は、主に以下の3つです。
- 曇りの日に行う
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- 窓ガラスに付着した汚れを確認しやすく、湿度が高いため汚れが柔らかく落ちやすくなっている
- 晴れている日は窓ガラスに太陽の光が反射してしまい、汚れが見えづらくなる上、湿度が低くて汚れが乾燥し、固くなってしまう
- 雨の日は外での作業がしづらく、洗剤をかけてもすぐに落ちてしまう
- 外側から内側へ掃除する
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- 汚れのつきやすい外側を先にキレイにすることで、おおまかな汚れが取れる
- 内側の汚れが見やすくなり、掃除がスムーズに行える
- 窓サッシから掃除する
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- 窓サッシの掃除は、乾いた状態で行うのが良い
- 窓サッシが濡れないよう、先に窓サッシの掃除をしてから窓ガラスの掃除を行う
窓やサッシの掃除頻度は、新聞紙やスクイジーを使った簡単な窓掃除であれば月に1回程度、大掃除は6〜7月と12月の年2回がおすすめです。月に1回の掃除では、隅々まで行わなくても目につく汚れをササッと拭き取るだけで構いません。大掃除は、花粉や黄砂が落ち着く頃の6〜7月と、結露が発生しやすい冬に行うことで、効率的に行えます。
特に、窓の結露は厄介な黒カビを発生させてしまう原因にもなってしまいますので、年末の大掃除でしっかり窓掃除を行い、カビ予防をしておきましょう。
おわりに:いつもの窓掃除は新聞紙やスクイジーで簡単に済ませよう
窓掃除は、月に1回程度行ういつもの掃除と、年に2回の大掃除を行うのがおすすめです。いつもの掃除では、新聞紙やスクイジーを使った簡単な手順で構いません。年に2回の大掃除では、重曹やセスキ炭酸ソーダ、クエン酸を使ってしっかり汚れを落としましょう。軽い汚れであれば、ウタマロクリーナーでも掃除できます。
また、曇りの日に行う、窓サッシは先に掃除する、外側から内側の順に掃除するなどのちょっとしたコツも掃除をしやすくしてくれます。ぜひ、忘れずに行いましょう。
関連記事:窓の結露の害を防ぐおすすめの対処法とは?
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