夏になると、室内に風を作ったり、エアコンの冷気を循環させたりするために扇風機を使うことも多いですよね。ワンシーズンが終わってしまった後にしまうときや、新しく使い始める前などは、きれいに掃除しておきたいものです。
そこで、今回は扇風機をキレイに掃除する方法についてご紹介します。汚れの原因や掃除の手順、掃除の後の汚れ予防まで順番に見ていきましょう。
扇風機の汚れの原因は?
扇風機の仕組みは、背面から空気を吸い込んで前に押し出すというものなので、部屋に舞っているホコリが集まって汚れやすくなっています。扇風機の運転中は静電気が発生しやすいので、ホコリを引き寄せてしまうことも扇風機に誇りが溜まりやすい原因の一つです。また、直接触ることが多いボタンなどの近くでは、手垢などの皮脂汚れが多くつきます。
扇風機を普通に使っている場合、つく汚れは主に上記の2つと考えて良いでしょう。どちらもすぐに溜まってしまうものではありませんが、定期的に掃除して清潔な状態を保つことが重要です。特に、皮脂汚れは時間が経つとだんだん黒ずんで落としにくくなってしまいますので、そうなる前に拭き掃除をしておきましょう。
特に、羽や前カバー・後ろカバー、本体の操作パネル部分、タワー型扇風機の吸気口などはこれらの汚れが溜まりやすい場所ですから、掃除のときには注意しましょう。
扇風機の掃除はどういう手順ですればいい?
扇風機には一般的な羽が見えるタイプの扇風機と、ファンが内部に収納されているタワー型の扇風機の2種類があります。それぞれ分けて掃除方法を見ていきましょう。また、掃除をする前に以下の道具を揃えておきましょう。
- 掃除機
- 雑巾またはクイックルワイパー
- ハンディモップ
- スポンジ
- 食器用中性洗剤、重曹
扇風機につく汚れの多くは酸性なので、食器用の中性洗剤を使っても良いですが、重曹を使っても落とすことができます。特に、なかなか落ちない皮脂汚れには重曹スプレーを作って吹きつけると良いでしょう。
一般的な扇風機の掃除はどういう手順でするの?
では、まず扇風機の分解からスタートします。基本的には扇風機の取扱説明書を見ながら行いますが、たいてい以下のような手順で分解できます。
- 扇風機の電源プラグをコンセントから抜く
- 扇風機の前面ガードを抑え、クリップからツメを外す
- 扇風機の前面ガードを手前に引き、外す
- 扇風機の羽を外す(※ネジと逆の右回しで外れることが多い)
扇風機が分解できたら、以下の手順で掃除を行います。
- 全体を掃除機で吸う
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- ガードの裏表や羽など、簡単に掃除機をかける
- ホコリを拭う
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- 雑巾またはクイックルワイパーで、全体のホコリを拭う
- 水洗いする
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- 外したプロペラとガードを水洗いする
- 油がついているようであれば、ぬるま湯に中性洗剤を溶かしてスポンジで優しく擦り洗いする
- ※油汚れがひどいときは…
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- 重曹を溶かした水をスプレーし、スポンジで優しく擦り洗いする
最後にガードとプロペラの水を拭いて乾燥させ、完全に乾いたら元通りに組み立て直します。一度電源を入れ、問題なく動くことを確認しておきましょう。もし、全体を水洗いする時間がない場合は、ガードを外してプロペラ部分を雑巾やクイックルワイパーで拭くだけでも、ホコリが取れてすっきりします。プロペラにホコリが溜まってきたら、こうした掃除を行いましょう。
羽やガードの掃除が終わったら、その他の本体部品も掃除を行います。特に、羽やガードを水洗いした後、乾燥させている間にこれらの作業を行ってしまうと時間が無駄になりません。本体部品は電気部品から取り外せませんので、外装を雑巾やクイックルワイパーで拭き掃除するだけで良いでしょう。
具体的には、内部に水が入らないよう、濡らして固く絞った雑巾で水拭きし、最後に乾いた雑巾で乾拭きするだけです。扇風機下部のスイッチ部分は特に手垢で汚れやすいため、念入りに拭いておきましょう。また、モーター部分にホコリが溜まっている場合は、掃除機のブラシノズルを使ってホコリを吸い取ります。
ただし、扇風機のモーター部分から突き出ているファンの軸には、潤滑・サビ止め用にグリス(油分)がついていることもありますので、これを拭き取らないように気をつけましょう。また、火災発生防止のため、コンセントプラグにホコリがついていたらこれもきちんと拭いておきましょう。電源ケーブルも外装部と同じように、雑巾で水拭きと乾拭きを行えばOKです。
もし、外装部の汚れがひどく水拭きや乾拭きだけでは落ちないという場合には、薄めた中性洗剤を染み込ませた雑巾を使い、外装を拭き掃除します。その後、水拭きで洗剤の成分をしっかり取り除き、乾拭きを行いましょう。外装部分がベタついている場合は油汚れと考えられますので、前述の重曹スプレーを吹きつけてから水拭きを行えば汚れが落としやすくなります。
もちろん、いずれの場合も本体の内部に水分が入らないよう、十分注意しながら行いましょう。
タワー型扇風機の掃除はどういう手順でするの?
タワー型扇風機の大前提として、「分解はしない」というものがあります。これは、一般的な扇風機とは異なり、そもそもタワー型扇風機は分解して掃除することを前提に設計されていないためで、分解すると作業が非常に煩雑になるだけでなく、元に戻せなくなってしまう可能性が高いため、やめておきましょう。あくまで分解しない範囲で掃除できる部分を掃除します。
- 電源を切り、コンセントを抜く
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- 分解しないので羽でケガをしたりすることはないが、万が一の感電などの可能性を考え、電源は切ってコンセントを抜いておく
- 温風ヒーター機能もついている扇風機の場合、電源を切ってしばらくは本体が熱い状態なので、触れるくらいに冷めてから行う
- 外装についた汚れを取り除く
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- 本体外装上部、送風口の下部、吸気口などにホコリが溜まりやすい
- ホコリが付着している場所を、ブラシノズルがついた掃除機で軽く吸い取る
- 外装を拭き掃除する
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- 大まかなホコリを取り除いたら、固く絞った雑巾で水拭きし、その後乾拭きする
- 本体の内部に水が入らないよう、十分注意する
もし、外装に油汚れがこびりついていてベタベタで水拭きや乾拭きでは落とせない、という場合は一般的な扇風機と同じく、薄めた中性洗剤や重曹スプレーを使った拭き掃除を行いましょう。ただし、メーカーによってはこの方法を推奨していないこともありますので、目立たない場所で試して問題がないことを確認し、中には絶対に入らないよう気をつけながら掃除しましょう。
また、コンセントプラグや電源ケーブルにホコリがついていると火災の原因になることがありますので、ホコリをしっかり吸い取って水拭きした後、乾拭きもしっかり行いましょう。
扇風機の汚れはどうすれば予防できる?
せっかく扇風機をキレイにしたら、その状態を保ちたいものです。そのための最も簡単な方法として、帯電防止スプレーを吹きつけたり、柔軟剤を染み込ませた雑巾やタオルで拭いたりするという方法があります。すると、扇風機の羽にホコリがつきにくくなるのです。
最初にご紹介したように、一般的な扇風機は後面ガードの隙間から空気を吸い、前面ガードの隙間から送風するというい仕組みです。このとき、後面カバーにはエアコンなどと異なり、空気中のゴミやホコリを取るためのフィルターなどがありませんので、羽の近くを直接ゴミやホコリが通過してしまうことになります。
さらに、扇風機の羽は絶え間なく回転して空気と羽の接触・摩擦が起こっているため、静電気が発生し、通過しようとしたゴミやホコリを吸着してしまいます。こうしてホコリが溜まっていってしまうのです。帯電防止スプレーや柔軟剤でファンをコーティングすると、摩擦で静電気が起こりにくくなりますので、ホコリがつきにくくなるわけです。
この対策方法は扇風機をしまう前の最後の掃除ではあまり意味がありませんが、これから使うというときの夏前の掃除では非常に役立ちます。ぜひ、最後の仕上げに静電気防止のコーティングをしておきましょう。また、以下のような方法も扇風機の汚れ防止に効果的です。
- こまめに掃除する
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- キッチンなどの食事を作る場所では、油汚れもつきやすいため予防が難しい
- 重曹スプレーなどを使ってこまめに掃除することで、汚れが定着するのを防ぐ
- このときも、毎回柔軟剤を薄めた水で拭いたり帯電防止スプレーをしたりするとよい
- 家のホコリを減らす
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- 家の中のホコリ自体が少なければ、扇風機にもホコリがつきにくい
- こまめな掃除や換気、空気清浄機が有効
- 掃除するときは上から下へ、朝一番か帰宅してすぐが良い(日中は人が動き回っているため、ホコリが舞って掃除しにくい)
- 掃除機を使う前に一度霧吹きして、空気中のホコリを下に落とすとともに排気で舞い上がりにくくするのも重要
- 扇風機用のカバーをし、こまめに取り替える
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- 100円ショップなどで扇風機カバーを買っておき、取り替えたり洗濯して使ったりする
- カバーの上から掃除機でホコリを吸い取るのもOK
おわりに:扇風機は分解して水洗いするか、外装をしっかり拭き掃除しよう
扇風機には一般的な羽が見えているタイプのものと、タワー型のものと2種類あります。一般的なタイプの場合はほとんど分解できますので、分解して水洗いしましょう。タワー型のタイプは分解できませんので、外装をしっかり拭き掃除します。
また、汚れ防止のためにはホコリが静電気でつくのを防ぐため、静電気を軽減させるような帯電防止スプレーを使ったり、同じような効果が得られる柔軟剤を使ったりすると良いでしょう。
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