その名の通り酸性の性質を持つクエン酸は、重曹などアルカリ性の化合物とは違ったかたちで、家庭での掃除に役立ってくれます。
今回はクエン酸の特徴を、掃除用の洗剤として使うときの上手な活用方法、使用上の注意点までまとめて理解していきましょう。
クエン酸の特徴とは?
クエン酸は、かんきつ類や梅干しなどの食品に多く含まれる人体に害のない酸性成分です。
アルカリ性を中和し、細菌の繁殖を抑える作用があるため、近年では掃除用品としてドラッグストアなどでも販売されています。
以下のようなアルカリ性の性質を持つ汚れの除去には、クエン酸が非常に効果的です。
- クエン酸で効果的に落とすことのできる汚れ
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- ミネラルやカルシウムが固まってできた水垢
- 洗濯槽に蓄積した、炭酸カルシウムの汚れ
- お風呂場に白くのこる、石鹸カス汚れ
- トイレの黄ばみ、尿石、アンモニア臭
- タバコのヤニによる汚れ、黄ばみ、ニオイ
クエン酸の掃除での使い方と使用時の注意点は?
掃除用洗剤としてクエン酸を使う方法としては、スプレー・パック・重曹との併用の3つが挙げられます。
スプレーして使う
一般的なお風呂用洗剤のように、水に溶いた水溶液をスプレーボトルに入れて噴射し、拭き掃除に使う方法です。
200mlの水に対し小さじ1のクエン酸を溶かし、クエン酸洗剤を作って使います。
パックして使う
スプレーして拭いただけでは取れない頑固な汚れには、クエン酸パックを用います。
落としたい汚れにクエン酸スプレーをした上に、キッチンペーパーを巻き付け、さらにその上からクエン酸スプレーをして15分ほど放置する方法です。
漬け置き効果で、スプレーでの拭き掃除に比べ格段に汚れが落ちやすくなります。
アルカリ性の重曹と混ぜて使う
排水口など、直接触ることのできない場所の汚れとニオイの除去には、アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸の両方をかける方法を用います。
まず、排水口に大さじ1杯分の重曹をまんべんなくかけた上で、クエン酸を溶かした2ℓのお湯をかけて洗浄・除菌するのです。
ただし、いずれの方法でもクエン酸と相性の悪い以下のような素材への使用はできません。
- 掃除にクエン酸を使ってはいけないものの例
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- 浴室のタイル、タイルの間の目地、大理石
- コンクリートや鉄など、ステンレス以外の金属
- 漆器、塗装を施してあるもの
また、混ざると有毒なガスを発生させる塩素系漂白剤との併用は絶対にNGです。
非常に危険ですので、クエン酸と塩素系漂白剤の両方を掃除に使いたいときは、必ず別の日に分けて使用してください。
場所別で紹介。クエン酸の掃除のポイントは?
ここからは、場所別にクエン酸を使った上手な掃除の方法、ポイントを紹介していきます。
- リビング
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- 消臭のために、頻繁には洗えないカーテンやカーペットに吹きかける
- 床にスプレーした後に水拭きして、皮脂汚れや雑菌を取り除く
- ペットコーナーの掃除用洗剤にして、汚れとニオイの両方を取る
- キッチン
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- 水垢の気になる蛇口、シンク周辺には、スプレーして拭き掃除を
- 頑固な水垢汚れには、パックをして汚れを浮かして拭き取ると良い
- パックしても汚れが落ちないようなら、パック時間を数時間にするか、クエン酸の粉末を直接かけメラミンスポンジでこすると良い
- お風呂
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- 浴室から壁、床、棚や椅子など小物に至るまで、スプレーして拭き掃除すると良い
- 蛇口やシャワーヘッドに白く汚れが浮いているようなら、パックしてからすすいでみよう
- 排水口には、重曹と併用して洗浄するのがおすすめ
- トイレ
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- 便器、タンク、フタ、壁、床までクエン酸スプレーで拭き掃除可能
- 酸性の汚れもあるため、重曹を溶かした水での拭き掃除を併用するのも良い
いずれも、クエン酸の水溶液と布・紙を用意するだけで簡単に行えます。
あなたの家のお掃除で、ぜひ実践してみてくださいね。
おわりに:水に溶かして使えば、クエン酸はアルカリ汚れの除去・除菌に役立つ
人体に無害な酸性であるクエン酸は、水に溶かして使えば、水垢や尿石、アンモニア臭などアルカリ性の汚れ・ニオイを除去する洗剤となります。キッチンやお風呂、トイレなどの水回りはもちろん、雑菌の繁殖やニオイが気になるカーテンや床の掃除も使えて便利です。汚れの程度や場所に合わせ、本記事で紹介した使い方を駆使して、クエン酸で家をきれいにしていきましょう。
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