部屋にいつもかけられているカーテンは、ついつい洗濯などキレイにするタイミングを失いがちです。しかし、いつもかかっているということは、室内の汚れを吸収してしまったり、窓に発生する結露から水分を吸ってカビが生えたりしやすいということでもあります。
そこで、カーテンを自宅でキレイに洗濯するためにはどうすればいいのでしょうか。準備と実際の手順、乾かし方などをご紹介します。
カーテンを洗濯する前にやっておくことは?
カーテンは衣類に比べてデリケートな素材でできているものが多く、普通の洗濯と同じように洗濯機で回してしまうと生地を傷めたり、縮みの原因になったりしてしまうこともあります。そこで、以下のような4つのポイントをチェックし、正しい方法でカーテンを洗濯しましょう。
- 洗濯表示をチェックする
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- カーテンの素材によっては洗濯機の使用不可、水洗いNGのものもある
- 洗濯表示に洗濯機マークや手洗いマークがついていれば、自宅で洗濯OK
- 水洗い不可のものは家庭で洗濯できないので、クリーニングに出す(色落ちや縮みの原因になる)
- 綿・麻・レーヨンなどの素材、高級な素材は家庭で洗濯すると縮みや色落ちが起こりやすいため、洗濯表示がOKだったとしても念の為クリーニングに出すのがおすすめ
- 洗濯表示がないか色褪せてしまったという場合は、購入店に問い合わせて確認する
- それでも不明な場合は自宅での洗濯は避け、日頃からこまめにホコリを落として消臭・除菌スプレーでのお手入れを
- 色落ちしないか確認する
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- 洗濯表示がOKなら、洗剤を少量含ませた不要な布でカーテンの目立たない部分をポンポンと軽く叩く
- 布に色が移ってしまったら、色落ちしてしまうタイプなのでクリーニングに出す
- 布に色が移らなければ、色落ちせず洗濯OK
- 適切な洗剤を選ぶ
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- 洗濯表示に洗濯機マークがあり、「弱」の表示がないカーテンは、一般的な弱アルカリ性の衣類用洗剤で洗濯OK
- 「弱」の表示があるカーテンはデリケートな素材でできているため、「おしゃれ着用」の中性洗剤を使う
- あらかじめカビの処理をしておく
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- カーテンにはカビが生えてしまうことがあり、衣料用洗剤での洗濯だけでは落ちない
- 洗濯でカビを落とすためには、あらかじめ洗濯前に落としたり、洗剤でつけ置きしたりする
- 使う洗剤はエタノール(台所用アルコール除菌スプレー)、酸素系漂白剤、重曹水(水100mLに重曹小さじ1)など
- まず、洗剤を含ませた使い古しの歯ブラシや綿棒などでカビの部分を軽く叩き、熱湯を含ませたタオルで拭き取る
- それでも落ちない頑固なカビは、洗剤をカビの部分に塗り込み、しばらく放置(つけ置き)してから洗濯するとうまく落ちることが多い
- カーテンの素材によっては酸素系漂白剤でも色落ちすることがあるため、必ず洗濯表示を確認する
また、カーテンの大きさによっては家庭用洗濯機には入りきらず、洗えないこともあります。無理に洗濯機に詰め込んで洗濯してしまうと、故障の原因になりますので絶対にやめましょう。その場合はコインランドリーの大きな洗濯機を使うか、クリーニングに出すのがおすすめです。
自宅でカーテンの洗濯する方法は?
自宅でカーテンを洗濯する方法として、洗濯機と手洗いの2つの方法があります。それぞれに分けて詳しく見ていきましょう。
洗濯機でカーテンを洗濯するには?
洗濯機でカーテンを洗濯するときは、まず以下のものを準備しましょう。
- 衣類用洗剤(洗濯表示に「弱」がついていれば中性のおしゃれ着用洗剤)
- 洗濯ネット
- 酸素系漂白剤(※汚れ・カビがひどい場合)
- 柔軟剤
洗濯のダメージを抑えるため、洗濯ネットは必ず用意しましょう。そして、前述のようにカーテンにカビやひどい汚れがついていれば、酸素系漂白剤を使います。柔軟剤はお好みでなくても構いませんが、使うと静電気防止効果も期待できますので、花粉やホコリがつきにくくなります。さらに、柔軟剤には洗濯ジワを防ぐ効果もあるので、キレイな仕上がりになるほか、香りつきのものを使えば室内がほのかに良い香りにもなります。
では、次に実際の洗濯の手順を見ていきましょう。
- カーテンをカーテンレールから外し、フックもすべて外す
- カーテンのプリーツに沿うよう、ジャバラ状に折りたたむ
- 洗濯ネットの中にカーテンを入れる(※汚れがひどい面を洗濯機の底面に向ける)
- 決められた量の洗剤を入れ、洗濯表示に合ったコースで回す(※汚れがひどい場合、酸素系漂白剤も入れる)
- 脱水は30秒以内に設定する(※設定できない場合、手動で停止させる)
外したカーテン用フックはなくさないよう、洗面器の中などに入れておきます。カーテンをたたむのは洗剤をまんべんなく行き渡らせ、洗いジワを防ぐために重要ですから、必ずたたんでネットに入れて洗濯しましょう。汚れている面を洗濯機の底に向けるのは、最も洗浄力が高くなるパルセーター(かくはん羽根)のそばに置くためです。脱水時間が長いとカーテンの生地が傷んだり、洗いジワの原因になったりしてしまいますので、脱水は必ず30秒以内で終わらせましょう。
カーテンフックを外さずに洗濯する方法がある?
洗濯機に入れる前にたたむ段階で、カーテンフックを外さずに洗濯する方法もあります。やり方は、カーテンを外したらフックが内側になるよう半分に折りたたみ、くるくると丸めて太めのヘアゴムなどで束ねてから洗濯するだけです。フックが内側になり、さらにゴムで固定されているので、フックが取れたり引っかかったりしません。
ただし、この方法ではカーテンの内側の汚れは落ちませんので、汚れが目立っている場合にはフックを外して洗濯しましょう。
手洗いでカーテンを洗濯するには?
洗濯機が使えないカーテンの場合は、手洗いで洗濯します。手洗いの場合、用意するものは中性の衣類用洗剤と洗濯ネットのみで構いません。洗濯ネットは、最後の脱水を洗濯機で行うときに使います。具体的には、以下のような手順で行いましょう。
- 浴槽やキッチンのシンクなどに、カーテンがつかるくらいの水をはる
- 分量に合った衣類用洗剤を入れてよく溶かし、カーテンを入れてやさしく押し洗いする
- 栓を抜いて水を捨て、再度水をためてすすぐ(泡が出なくなるまで2〜3回)
- 洗濯ネットに入れて脱水(30秒以内)をする
手洗いでのポイントは、押し洗いの際に洗い残しがないようにすることです。途中で面を変えてまんべんなく洗いましょう。また、もみ洗いは生地の傷みの原因になりますので、もみ洗いしないよう気をつけます。脱水するときは洗濯機を使いますが、同じように必ず30秒以内で終わらせましょう。
洗濯したカーテンを干すときの注意点は?
脱水が終わったら、すぐにカーテンを干します。洗濯でできたシワは軽く叩いて伸ばし、カーテンレールにかけて干しましょう。カーテン自身の重みで自然にシワが伸び、キレイな形のドレープができますし、取り込みの手間もありません。このとき、窓を開けておくと乾きやすくなります。
ただし、重みのあるカーテンの場合、水を吸ってさらに重くなっていますので、脱水後すぐにカーテンレールにかけると変形してしまう恐れもあります。その場合は、物干し竿にカーテンを干し、乾いてからカーテンレールにかけましょう。また、屋外に干す場合は色褪せ防止のため、陰干しします。
カーテンをキレイに保つためにできることは?
カーテンを洗濯してキレイにしたら、なるべく長い間その状態を保ちたいものです。窓際にあるカーテンはどうしても汚れやすく、結露でカビが生えやすいので、これらを防ぐ対策を取りましょう。具体的には、以下のような対策がおすすめです。
- 除菌スプレーや防カビスプレーを使う
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- 布製品用の除菌スプレーや防カビスプレーを吹きつけておく
- 除菌スプレーは、カーテンに室内のイヤなニオイがついたのをとる効果も
- 防カビスプレーは、すでに発生してしまったカビを除去するものではないのに注意
- こまめな換気
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- 部屋の湿度が高いと窓に結露ができ、カビが発生しやすくなる
- 天気の良い日はこまめに窓を開けて換気し、湿気がこもらないようにする
- 湿度の目安は40〜60%なので、部屋に湿度計を置いておくとよい
- 湿度が高ければ、窓を開けるほか換気扇や除湿機をつけるのもおすすめ
- 結露防止シートを使う
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- 換気に気をつけても、外気温と室内の気温差がある季節はどうしても結露ができやすい
- 窓に貼る結露防止シートで、窓に発生する結露を吸収するのがおすすめ
カーテンの清潔を長持ちさせるには、防カビスプレーや換気、結露防止シートなどでカビを防ぎ、除菌スプレーなどで汚れを防ぐことが大切です。ホコリがついたらこまめに軽くはたいて落とすなども良いでしょう。
おわりに:カーテンを自宅でキレイに洗濯するには、事前の準備をしっかり
カーテンを自宅でキレイに洗濯するには、洗濯前の準備を十分に行うことが大切です。洗濯表示や色落ちのチェック、「弱」表示があればおしゃれ着用中性洗剤の用意、カビが発生していればその処理などです。
これらの準備が終われば、後は洗濯機に任せるか押し洗いをして脱水し、カーテンレールにかけて乾かすだけです。また、キレイな状態を長持ちさせるため、普段から防カビや除菌などを心がけましょう。
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