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部屋の掃除の基本 ― 和室を掃除するときの注意点

和室の老化と畳のイメージ画像 お掃除のコツ

部屋、すなわち居室の掃除は、たいてい掃除機やロボット掃除機などでサッと済ませてしまう人が多いのではないでしょうか。それも間違いではありませんが、和室の場合は敷かれているのが畳というデリケートな素材であることを忘れてはいけません。

そこで、今回は和室の基本的な掃除方法とキレイに保つためのコツ、注意点などをご紹介します。洋室との違いをちょっと意識してみましょう。

和室は洋室と掃除の仕方が違う?

和室と洋室は、そもそも部屋づくりに使う素材から全く異なりますので、素材に合わせた方法で掃除しなくてはなりません。例えば、一般的な洋室の場合、床はフローリングやクッションフロア、カーペットなどで、壁はクロス、扉は合板ドアです。一方、一般的な和室の床は無垢材や畳で、壁は漆喰や土壁、扉は襖や障子など、昔ながらの製法で作られています。

このように、材質から見ても全く異なる洋室と和室は、掃除方法も変えなくてはなりません。洋室ならフローリングや壁にスプレーや洗剤、重曹などの掃除アイテムが使えますが、和室の場合はこうした液体の掃除アイテムが使えません。

日本で長く使われてきた、和室の特徴って?

和室は日本の伝統の部屋であることから、日本の湿度や気温、さらには地域ごとの気候に合わせて作られていたり、機能性の高い天然素材が使われていたりします。高温多湿の夏は木が湿気を吸収するとともに風通しの良い障子で涼しく過ごし、乾燥しやすい冬は逆に木材や漆喰が放湿して室内を乾燥しすぎないよう保ってくれます。

また、和室の象徴とも言える畳には「い草」という細長い植物が使われていて、木材と比べて非常にデリケートな素材です。適度に柔らかく、直接横になったり座ったりしても体が痛くないため、お年寄りや子どもも快適に過ごせますが、デリケートな素材ゆえに、長持ちさせるためにはその特徴をしっかりと理解して掃除しなくてはなりません。

和室を長くキレイに使うためのコツは?

前述のように、畳は「い草」という植物で作られています。天然素材ですから、湿気などの過剰な水分によってカビが発生しやすく、長期間にわたって掃除や換気をしていない部屋では全体にカビが発生することもあります。畳の上に布団やカーペットを敷いている場合は、畳と布団やカーペットの間に湿気がこもりやすくなりますので、これも注意しましょう。

もし、畳にカビが生えてしまった場合は消毒用エタノールを使い、乾いた雑巾で拭き掃除をします。キッチンやバスルーム専用のカビ取り洗剤は成分が強力なため、カビの除去はできても畳が変色する可能性がありますので、絶対に使ってはいけません。

また、掃除機をかけるときはまず畳の目に沿って掃き掃除をし、その後で掃除機をかけ、さらに取り除けなかった汚れは雑巾で乾拭きをします。掃除機によっては「畳モード」が搭載されている場合もありますので、これを使えば畳を傷めず掃除機をかけられます。

畳の奥に入り込んだほこりを取り除くためには、ゆっくりと丁寧に掃除機をかけましょう。目安としては畳1枚に対して1分程度の時間をかけるのがおすすめです。一般的な縁のある畳の場合、縁の部分には掃除機をかけないことにも注意しましょう。

こうした掃除機や雑巾がけは意外と手間がかかりますので、家事や仕事に追われる人が毎日行うのは難しいことでしょう。ですから、1週間に1回程度が掃除の目安です。具体的な掃除の手順に関しては、次章でご紹介します。

和室掃除の注意点って?

洋室と比べると、和室は畳や漆喰などが水分を含んで傷んだりシミになったりする可能性がありますので、掃除のときは基本的に乾拭きで行うことが最も大きなポイントです。洋室のフローリングでは洗剤や水拭きでこすり洗いをしても良いのですが、和室の場合は洗剤や水でこすり洗いをするとシミになるばかりか、畳や漆喰が傷んだり崩れたりする可能性もあります。

逆に、乾拭きで畳を傷つけない素材であれば使えますので、急いでいるときにはフローリング用のドライワイパーを使うと良いでしょう。シートを畳の目に沿って滑らせれば、表面に落ちているゴミやほこりを簡単に取り除けます。掃除機を使ったり雑巾がけをしたりする時間がなくても、フローリングの掃除と一緒に手軽に行えますので、忙しい人にもおすすめの方法です。

しかし、畳の目に入り込んでしまったゴミや汚れの場合、ドライワイパーでは取り除けません。ドライワイパーを使った掃除方法はあくまでも応急処置ととらえ、定期的な掃除では掃除機と雑巾を使いましょう。

和室掃除の裏技4つ

上記のように、何かと制約が多く見える和室の掃除ですが、一方で裏技もいくつかあります。その中でも比較的よく使える裏技を4つご紹介します。

食べ物や飲み物をこぼしたときは?

和室にダイニングテーブルなどを置いて食事をする場合、飲み物や食べ物をこぼしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、塩を使って掃除する方法が効果的です。塩はヌメリや臭いを吸着・除去する効果や、適度な研磨作用と抗菌作用が期待できますが、洗剤などと異なり畳を変色させるリスクは低いため、掃除にうってつけなのです。

そこで、飲み物や食べ物をこぼしたときは、まずすぐにキッチンペーパーで拭き取り、塩をふりかけたうえでスポンジやブラシを使い、畳の目の方向に沿ってこすり、塩を掃除機で取り除きます。最後に、水を含ませてしっかりとよく絞った雑巾で表面を拭けば、キレイに食べ物や飲み物を取り除けます。

これら一連の作業はスピード感が大切で、食べ物や飲み物をこぼしたら即座に処置を行いましょう。時間が経ってしまった場合や、畳にシミがついてしまった場合には、キレイに取り除くことは非常に難しいです。また、掃除の後にカビやダニを発生させないためには、畳を完全に乾燥させる必要があります。食事が終わったら畳を外し、外に干して畳が吸収してしまった湿気を放出させましょう。

タバコのヤニ汚れを取るには?

和室の障子がタバコのヤニで黄ばんでしまう場合、お酢が有効です。大さじ1杯のお酢とバケツ1杯の水を混ぜた酢水をスプレーボトルに入れ、黄ばんでいる場所に3回程度吹きつけると、黄ばみを薄くできます。同じ場所にピンポイントで吹きかけると障子が破れてしまうこともありますので、全体に均一になるようスプレーするのがコツです。

これを利用して、障子を張り替えた直後に酢水を全体にスプレーしておくと、黄ばみ汚れの防止につながります。汚れがつくのを予防し、張り替えの頻度を抑えることにもつながりますので、張り替えたときにはスプレーをしておくと良いでしょう。

お茶の葉を使って消臭・殺菌する方法

お茶の出がらしを生ゴミのバケツに入れておくとイヤなニオイが抑えられるのはよく知られていますが、これはお茶の葉に含まれるカテキンに消臭・殺菌効果があるためです。そこで、ほうきで畳の掃除をする前にあらかじめ使用済みの茶葉をまいておくと、気になるニオイがある場合に役立ちます。

茶葉が細かなゴミやホコリを絡め取ることもできるため、一石二鳥と言えます。ただし、畳は濡れると劣化したりカビが生えたりする可能性が高くなってしまいますので、茶葉を使う際にはしっかりと絞り、掃き掃除の後は水分が残らないよう、乾拭きをしましょう。

身近なアイテムでラクラク掃除

和室の掃除には、ほうきやはたきといった昔ながらの掃除道具しか使えないわけではありません。使わなくなったTシャツやタオル、歯ブラシなども掃除に有効活用できます。例えば、Tシャツやタオルなどの布は小さく切って襖や障子の枠を拭くのに使えますし、薄手のものならレールなどの細部の汚れも取り除きやすいです。

歯ブラシは、畳の目の奥に入り込んでしまったゴミや、部屋の隅に溜まった汚れを掻き出すのに使えます。このように、使わなくなった日用品は、捨てる前に「掃除に使えそうかどうか」を確認して再利用すると、無駄がありません。

和室の場所別の掃除方法は?

和室全体の掃除をするときは、天井からスタートして長押、壁、障子、そして最後に畳に落ちたゴミを取り除く、というように上から下へ順に掃除していくと効率的です。「天井」「長押」「壁・障子」「畳」の順に、掃除方法を見ていきましょう。

天井の掃除方法は?

柄の長いタイプのシートモップを使い、ホコリの除去と拭き掃除をします。とくに、天井の端にはホコリが溜まりやすく、掃除をサボっているといつの間にか蜘蛛の巣が張っている、ということもあります。隅々まできちんと掃除をしましょう。

また、近年では木目がプリントされているシートを貼った天井も増えています。耐水性のシートの場合は問題ありませんが、紙製のプリント用紙が貼ってある場合、水を含ませたシートモップでこすると表面が劣化したり破けたりする可能性もありますので、注意が必要です。

長押の掃除方法は?

長押などの白木は、一週間に一度乾拭きで汚れを落としましょう。塗装が施されていないという大きな特徴のため、油分や水分がつくとすぐにシミになってしまうのです。洗剤や水拭きではなく、乾拭きを行いましょう。掃除しにくい部分ですが、傷をつけずに汚れやホコリを吸着して取り除けるはたきやシートを使えばうまく掃除できます。ホコリの吸着に特化した製品も販売されていますので、使いやすいものを選びましょう。

ただし、手アカの汚れが目立つ場合には、しっかりとよく絞った雑巾で拭き掃除を行います。一度拭いただけで取り除こうとするのではなく、何度かていねいに擦ることで汚れを落としていきましょう。掃除が終わったら、しっかり乾かしてから白木用のワックスを塗装すると、表面を保護して傷や汚れがつくのを抑えられます。

壁・障子の掃除方法は?

漆喰や塗り壁は水だけで掃除を行えませんので、注意しましょう。また、擦って拭くことで表面が劣化してしまいますので、十分に注意しながらはたきでホコリを落とす程度の掃除を行います。

障子に溜まったホコリやゴミは、歯ブラシを使って静かに掃き出し、落ちたホコリやゴミは掃除機で吸い取ります。桟と障子紙の部分は水分を含むと変色やカビの発生につながるほか、障子紙が破けてしまう可能性もありますので、水拭きはしないよう気をつけましょう。

畳の掃除方法は?

「和室を長くキレイに使うためのコツ」でもご紹介したように、畳に水分は禁物です。そこで、最初に掃除機をかけて目立ったホコリやゴミを取り除き、乾拭きで仕上げます。水拭きをするとシミや変色、カビの発生の原因となってしまいますので、注意しましょう。一般的に掃除によく使われる重曹も、畳に使うと変色してしまうリスクが高いため、使ってはいけません。

つまり、基本的に乾拭きだけで掃除をすることになります。汚れが目立っていて乾拭きでは取りきれないというときには、しっかりと絞った雑巾で軽く拭きます。乾いた雑巾と水を含んだ雑巾を重ねて絞るとちょうどいい水分量の雑巾になりますので、覚えておくと畳の掃除に便利です。

関連記事:畳のカビの掃除方法と予防方法とは?

おわりに:和室の掃除は「乾拭き」が基本。水拭きは最低限にとどめよう

和室に使われているものは、障子・白木・畳など、いずれも水分を含むと破れたり、シミになったり、変色したりしてしまう可能性が高いものです。ですから、和室の掃除は基本的に「乾拭き」のみで行います。

ただし、白木に手アカ汚れが目立つ場合や、畳に汚れが目立つ場合などはしっかり絞った雑巾で軽く水拭きをします。このときもできるだけ湿気を残さないよう、乾燥させたり乾拭きで仕上げたりすると良いでしょう。

関連記事:DIYでも人気のクッションフロアの掃除方法とキレイを保つ秘訣とは?

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