家の中にいるとくしゃみや咳、鼻水が出て辛いことがありませんか?その原因は、家の中にあるハウスダストかもしれません。アレルギー性鼻炎や喘息と関連があるとされるハウスダストについて、特徴や種類、対処方法などを紹介します。
ハウスダストの正体と特徴とは?
ハウスダストとは、家の中のチリやホコリに存在している1mm以下のものをいいます。ハウスダストには下記のようなものが含まれます。
ハウスダストの一例
- ダニの死骸やフン
- 通常、家の中には10~20種類のダニがいるとされます。ダニは人の食事の食べこぼしや食品、人の皮膚片やフケなどをエサにして繁殖します。温度20~30度、湿度60~80%の環境はダニが好みます。
- カビや細菌
- 一般的に、家には約360種類のカビや細菌が生息しています。高温多湿な環境でカビは繁殖します。
- 花粉や砂
- 人の出入りや家の換気などによって家の中に花粉や砂が入り込み、ハウスダストとなります。
- その他
- 線維のクズ、人間の体から落ちた皮膚片、人間のフケ、ペットの毛など
ハウスダストは非常に小さくて軽いため、目に見えにくく、空気中に舞い上がりやすいです。ハウスダストを吸い込むと、アレルギー性鼻炎や喘息を引き起こす可能性があります。
- ハウスダストの発生源とは
- ハウスダストの半分以上は、外から家の中に入ってきたものです。風にのって運ばれてきたもの、衣服や靴に付着して人の出入りと共に入ったものなどさまざまあります。
- ハウスダストに気をつけたい時間帯
- ハウスダストに気をつけたい時間帯は、朝の出勤や登校の準備をする時間帯、外出からの帰宅時間帯です。この時間は家の中での人の動きが活発になり、空気中にハウスダストが舞い上がりやすいといえます。夜間は人が就寝していますので、ハウスダストが床などにたまります。
朝の起床時には再びハウスダストが空気中に舞い上がり、くしゃみや鼻水が出る「モーニングアタック」という現象が起きやすいです。
- ハウスダストが多く存在する場所
- 家具の上や床の隅にもハウスダストが溜まります。家具のすき間は掃除がしにくいため、ハウスダストが蓄積しやすいので気をつけましょう。
ハウスダストには人の皮膚片やフケが含まれますので、洗面所などにも溜まりやすいでしょう。人が多く通る廊下や玄関にも溜まります。
ハウスダストが引き起こす病気にはどんなものがある?
ハウスダストを吸い込むと、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすことがあります。
これは、人の体には異物が入ってくきたときに体外に異物を出そうとする反応が備わっているためです。体がハウスダストを異物と判断したときにこの反応が起こり、くしゃみなどの症状があらわれます。
花粉とちがってハウスダストは年中存在しているため、次のような症状を引き起こします。
- アレルギー性鼻炎
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを引き起こします。風邪とよく似ています。
- アレルギー性結膜炎
- 目に症状があらわれます。かゆみ、充血、痛み、涙目などの症状です。
- アトピー性皮膚炎
- アレルギーを起こしやすい体質の人や皮膚のバリア機能が弱い人に起こりやすいのがアトピー性皮膚炎です。ハウスダストで皮膚に刺激を受けると、赤みのある湿疹やかゆみなどの皮膚症状があらわれます。
- 気管支喘息
- 気管支に炎症が発生する気管支喘息が引き起こされます。ハウスダストなどアレルゲン物質が気管支に炎症を起こし、気管支の内側の腫れ、大量の咳などによる呼吸困難を招くことがあります。
ハウスダストを自分で対策するにはどうすればいい?
ハウスダストの対策方法を紹介します。基本は掃除と清潔の維持ですが、抑えておきたいポイントを理解して効率的に対策をとりましょう。
掃除のポイント
- 掃除をこまめに行う
- 掃除は朝の起床後するまたは帰宅直後に重点的に行いましょう
ハウスダストによる症状がひどいときは、掃除をできるだけ毎日行うのがおすすめです。人の動きが活発になる朝や帰宅の時間帯の直前に掃除をすることで、ハウスダストが空気中に拡散するのを防げます。掃除機をかけるときはゆっくりと時間をかけて行い、ハウスダストをしっかり吸引しましょう。
清潔の維持
- 空気清浄機の使用
- 効率的で手間がかからない対策は、空気清浄機を使用することです。室温20~25度、湿度50%が理想的です。
花粉に対応した機種もありますので、ご自身の症状に合わせて空気清浄機の購入を検討するのもおすすめです。ただし使用の際は定期的にフィルター清掃をするのを忘れずに!
- ふとんなど布製品
- ダニが発生しやすいのは、布団、じゅうたんやカーペット、ソファ、衣類などです。人の皮膚や髪の毛との接触が多く、高温多湿になりやすいからです。
布製品のダニ除去には、定期的な丸洗いと天日干しが効果的です。丸洗いが難しい場合は、天日干しのあとに念入りに掃除機をかけてダニを吸い込む、または専門店にクリーニングを依頼するなどで清潔を保ってください。
- 静電気対策
- 衣類に静電気が発生すると、花粉を吸着しやすくなります。外出時に静電気防止スプレーを使用する、柔軟剤を使用して静電気の発生を防ぐなど工夫するのがおすすめです。
- 部屋の換気
- 高温多湿はダニが好みますので、換気をして風通しのよい空間にするようにしましょう。
- 食品の保管
- 小麦粉やお菓子などは密閉して保管してください。ダニが入った食品を口にすることでアナフィラキシーショックを引き起こすおそれがあります。
おわりに:掃除と洗濯をこまめに行い、ハウスダストの繁殖を防ぎましょう
ハウスダストは誰の家にも存在していて、一年中発生するものです。辛いアレルギー症状を防ぐためには、掃除や洗濯を丁寧に行ってハウスダスト増殖にストップをかけましょう。また、肌荒れなどの肌トラブルが出ているときは、お肌にやさしい洗濯洗剤・柔軟剤を使うようにしてください。
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