低反発枕とは、硬い枕と異なり衝撃吸収性や体圧分散力に優れていて、頭の重さが一ヶ所に集中して首や肩への負担となるのを防いでくれるタイプの枕のことです。肩こりや首の違和感を持つ人も気持ちよく眠れるとして話題になりました。
そんな低反発枕は基本的には自宅で洗濯できないのですが、一部に洗濯できるものもあります。そこで、今回は洗濯できる低反発枕の見分け方や洗濯方法についてご紹介します。
どんな低反発枕が洗濯できるの?
一般的な低反発枕は、自宅で洗濯できません。それは「ウレタンフォーム」という素材が使われているからで、ウレタンフォームは水に弱く、洗濯するとボロボロと崩れてしまい、低反発枕の意味をなさなくなってしまうからです。洗濯機でなく手で押し洗いしたとしても、水を含んだ状態で持ち上げると、自重でそのままちぎれてしまうこともあるほどです。
しかも、一度水を大量に吸ってしまうと固くなり、元の柔らかさには戻りません。完全に乾かしてからカバーに戻したとしても、少しの衝撃でスポンジが崩れてしまいます。このような理由から、ウレタンフォームの枕を自宅で洗濯(水洗い)することはできないのです。しかし、中には洗濯できる低反発枕もあります。
いわゆる「ウォッシャブルタイプ」と名前がついているものなど、「自宅で洗える」「水洗いできる」と言っているタイプの低反発枕がそれにあたります。もし購入時のパッケージなどをなくしてしまった場合は、枕についているタグの「洗濯表示」を確認しましょう。タグに洗濯機マークや手洗いマークなどがついていれば、自宅で水洗いできるタイプの低反発枕です。もし、タグがついていない場合は、枕の取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてみましょう。
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低反発枕の洗濯方法とは?
前述のように、低反発枕は基本的に水に弱い素材を使っています。ですから、ウォッシャブルタイプのものであっても乱暴に扱うことは厳禁です。そこで、基本的には洗濯機ではなく手洗いを行いましょう。具体的には、以下のような手順で手洗いしていきます。
- 枕が入る大きさの洗濯桶や浴槽などにぬるま湯を入れ、洗剤を加えてよく溶かす
- 枕をカバーから取り出して洗濯液に沈め、手でゆっくり押し洗いする
- 汚れが出なくなったら、キレイなお湯に替えてすすぎを行う
- 泡が出てこなくなったら、枕をバスタオルで包み、手で水気を押し出して脱水する
洗いの際に乱暴に揉んだり擦ったりすると枕がちぎれたり、穴が開いたりしてしまいますので、やさしく押し洗いしましょう。また、ぬるま湯を使うのは皮脂や汗の汚れが冷水よりも落ちやすくなるためです。枕が入る大きさの桶を用意するのは大変なので、お風呂に入ったときに一緒に浴槽で洗ってしまうのも良いでしょう。
洗濯機で洗えるタイプの低反発枕もありますが、この場合もそのまま洗濯機に入れるのではなく、枕の形が崩れないようバスタオルでくるんで洗濯ネットに入れて洗いましょう。水気を切るとき、ついつい絞ってしまいたくなりますが、ねじると形が崩れてしまうので絶対に絞ってはいけません。必ずゆっくりやさしく水気を押し出しましょう。中に水気が残っていると雑菌が発生し、生乾きのイヤなニオイの原因になってしまいますので、しっかり水気を切りましょう。
低反発枕の干し方は?
多くの洗濯物と同じように、天気がよく湿度の低い日に干すのが良いでしょう。ただし、低反発枕は紫外線に弱く、天日干しをすると一気に劣化してしまう点に注意が必要です。必ず、風通しの良い日陰を選んで陰干ししましょう。
また、干し方にも注意が必要です。濡れたまま洗濯バサミで挟んで吊り下げると、自重でその部分からちぎれてしまうかもしれません。ですから、枕を支える部分が網目状になってカゴのようにぶら下げられる枕干し専用のハンガーを使うか、日陰に洗濯カゴを置き、その上で平干しするのがおすすめです。網目やカゴの隙間から風が通り、より乾きやすくなります。
枕の中まで完全に乾くには一般的に2〜3日かかりますが、天気によってはもう少しかかる場合もあります。さらに、朝には空気中の湿気を吸収してしまいますので、連続して干し続ける場合でも夜にいったん屋内に取り込み、翌日の朝、太陽が出るころにまた屋外に出すのが良いでしょう。
低反発枕のお手入れ方法とウレタンを洗ってしまったときの対処法って?
前述のように、低反発枕は中まで完全に乾くのに数日間を必要とします。そのため、春や夏の晴れた日に洗うのが一番良いでしょう。逆に、梅雨や冬には空気中の湿気を枕が吸収してしまい、一週間くらい経っても乾ききらない可能性もあります。とはいえ、冬の間ずっと洗濯しないでいると、汚れやニオイが目立ってくるかもしれません。そんなときには、以下のようなお手入れを行いましょう。
- 枕カバーの交換
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- 枕カバーを複数枚用意しておき、週に一回くらいのペースで交換する
- 枕カバーは他の洗濯物と一緒に簡単に洗えて、枕そのものへの汚れやニオイ移りを軽減できる
- 特に汗をかきやすい夏には、週2〜3回の頻度で交換するのがよい
- 除菌スプレーを使う
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- イヤなニオイ対策には、除菌スプレーや消臭スプレーも効果的
- スプレーして陰干しするだけなので、時間も手間もほとんどかからない
また、枕の汚れがひどい場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、その洗濯液に浸して固く絞ったタオルで拭き取るのもおすすめです。ポイントは枕の表面の汚れだけを上手に落とし、枕の奥深くにまで水を浸透させないことです。これなら半日程度で乾きますので、洗濯できないときでもこまめに清掃でき、枕を清潔に保てます。
このように水やスプレーを使ったお手入れで注意する点は、お手入れ後にしっかり乾燥させるという点です。生乾きのまま夜に頭を乗せて寝てしまうと、やはり雑菌が繁殖しやすくなり、イヤなニオイのもとになってしまいます。また、いくら洗濯できるタイプの低反発枕でも、頻繁に洗濯しすぎるとどんどん劣化していってしまいます。洗濯回数をできるだけ減らすためにも、こまめなお手入れは重要なのです。
低反発枕を間違えて洗濯してしまったらどうすればいい?
もし、ウォッシャブルタイプではないウレタンフォームの低反発枕を間違えて洗濯してしまった場合には、以下のような手順で対処しましょう。
- カバーをつける
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- ウレタンが崩れないよう、まず枕カバーをつける
- 水分を出す
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- ねじらず、手でやさしく押して水分を出す
- 強く押しすぎても中身がちぎれてしまうので、軽く水を切る程度でOK
- 乾燥させる
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- 数日〜一週間程度、陰干しして乾燥させる
- このとき、絶対に天日干ししないよう注意する
ウレタンフォームを間違えて洗濯してしまうと、団子状になって固まってしまいますので、手で伸ばしてもなかなか元に戻ってくれません。とはいえ、焦ってぐっと引っ張ってしまうと、ぶちぶちちぎれて低反発枕の意味がなくなってしまいます。濡れた状態のウレタンフォームは、ゆっくりやさしく扱いましょう。
おわりに:低反発枕は、基本的に自宅で洗濯できない
低反発枕は、基本的に自宅で洗濯できないと考えて構いません。というのも、多くの低反発枕に使われている「ウレタンフォーム」は水に弱く、水を含んだ状態で揉んだり持ち上げたりするとぶちぶちとちぎれてしまうからです。
ウォッシャブルタイプなど、洗えるタイプの枕もありますが、これも乱暴に扱うのは厳禁です。基本的には手洗いで、やさしくゆっくり押し洗いしましょう。また、日頃からお手入れしておくのも重要です。
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