オーブントースターは、パンを焼いたり揚げ物を温め直してサクサクにしたり、ホイル焼きなどの調理を行ったりとさまざまな用途に使える調理器具です。そのため、食べカスを始めとした汚れがつきやすい場所でもあります。
オーブントースターの中につく汚れは落としにくいですが、それはなぜなのでしょうか。オーブントースターにつく汚れの原因や、正しいお手入れ方法についてご紹介します。
オーブントースターの汚れの原因って?
オーブントースターの汚れの原因として最も多いものは、パンくずなどの食べカス、油汚れや焦げ汚れが挙げられます。
- パンくずなどの食べカス、汁汚れ
- トーストしたパンはパンくずが出やすく、注意していても取り出すときに落ちるのは避けられない
- 火を使わずに調理できることから、パン以外にも野菜や魚のホイル焼きなど、さまざまな調理に使われる
- 水分の多い食材を調理したときには、汁が飛び散ってしまうことがある
- 油汚れや焦げ汚れ
- 揚げ物など、油を多く含む食品を再加熱するためにも使われる
- タレのある調理をした場合、汁汚れを放置したまま次に使った場合など、熱で炭化して焦げついてしまうことも
トースターとして最も多い用途はやはりパンを焼くことですが、トースト後のパンはどんなに注意してそっと取り出したとしてもパンくずが落ちてしまいます。オーブントースターはその他にもお餅を焼いたり、グラタンなどの調理に使ったりとさまざまな食材を投入しますので、水分の多い食材から汁が落ちることもあります。
食べカスが落ちたままの場所には雑菌が繁殖して不衛生な状態になりますし、汁汚れや食べカスが再び加熱されて焦げ汚れになると、簡単に落としにくくなってしまいます。さらに、油汚れをそのまま放置しているとイヤなニオイのもとになるだけでなく、火災の原因になってしまうこともありますので、注意が必要です。
また、こうした汚れで最も汚れやすい場所はオーブントースター内部のトレーです。トースターの最下部に取りつけられているトレーが汚れを受け止めることで、トースター本体に汚れがつくのを防いでくれます。しかし一方で、油汚れが付着してトレーを覆うと、加熱されたときに熱を奪って食材にうまく熱が行き渡らなくなったり、熱された油が飛び散って下から食材についたりと調理失敗の原因にもなりますので、定期的な掃除が必要です。
このような汚れを放置していると、調理失敗の他にも発火事故の原因になるかもしれないことが各メーカーの取扱説明書で注意喚起されています。安全・衛生的にトースターを使うためにも、普段から汚れ対策としてアルミホイルなどで食材にフタをするなど、汚れが飛び散らないようにするとともに、トースター内部を定期的に掃除して清潔を保ちましょう。
もちろん、トースターの外側にもホコリが溜まりますし、場所によっては油と混ざってこびりついてしまうことがあります。こうした汚れも固まってしまう前に取り除いておくことが重要です。
オーブントースターの掃除に必要な道具と掃除の手順は?
オーブントースターの掃除には、以下のような洗剤とアイテムがあると便利です。
オーブントースターの掃除をするために、なにか特別な道具を用意しなくてはならないわけではなく、基本的には普段使っている台所用洗剤やスポンジ、いらない歯ブラシや布などで構いません。ただし、焦げつきが酷い場合などには研磨剤で擦り落とせるクレンザーやオキシクリーンなどの酸素系漂白剤が効果的ですから、汚れの程度に応じて準備しておくと便利です。
では、実際の掃除の方法について、定期的な掃除方法と頑固な焦げつきの落とし方に分けて見ていきましょう。
オーブントースターの定期的な掃除方法とは?
まずは、日頃からこまめにやっておきたい定期的な掃除方法についてご紹介します。取り外せるものは全て外し、部品と本体に分けてから掃除を始めます。部品の外し方がわからないときは無理矢理外すのではなく、取扱説明書を確認しながら外していきましょう。先に部品の掃除方法からご紹介します。
- 外せるものはすべて外す
- 焼き網、受け皿、パンくずトレーなどをすべて取り外し、シンクに並べる
- 洗う
- 食器用中性洗剤とスポンジを使い、食器と同じように洗う
- 頑固な汚れにはクレンザー
- 頑固な焦げなどの汚れがついている場合、クレンザーを少しつけてこすり洗いする
- 部品を傷つけてしまう恐れがあるため、力を入れすぎないよう注意
- 洗い流し、乾燥させる
- 洗剤やクレンザーをしっかり洗い流し、乾いたふきんで水気を拭き取った後、乾燥させる
次に、本体も食器用中性洗剤を使って掃除します。
- こすり洗い
- 布巾に洗剤を2〜3滴含ませ、内部のヒーターに触れないよう気をつけながら汚れを拭く
- 細かい場所で布巾が届かなければ、歯ブラシを使って汚れを落とす
- 水拭きと乾拭き
- 洗剤や水滴の拭き残しがないよう、水拭きで洗剤を拭き取った後、乾拭きを行う
- 外側の汚れを拭き取る
- 外側についているホコリなどの汚れを拭き取り、完了
オーブントースターの汚れは温かいうちが落としやすいものの、使用後すぐに触るのは火傷の危険がありますので、手で触れるぐらいに冷めてから掃除するようにしましょう。
オーブントースターの頑固な焦げつきの落とし方は?
なかなか落ちない頑固な焦げつきなどの汚れに対しては、酸素系漂白剤とキッチンペーパー、いらないプラスチックカードを使って落としていくのが良いでしょう。粉末タイプの酸素系漂白剤は「弱アルカリ性」の性質を持っているため、酸性である油汚れを中和して落としやすいので、酸素系漂白剤を水で溶かしてつけ置きするのが効果的です。
- 焦げをこそげ落とす
- いらなくなったプラスチックカードなどで、汚れをガリガリと擦る
- 無理に削り落としすぎると内部の本体まで傷ついてしまうため、注意しながら削る
- 洗剤をかける
- 汚れが気になる部分に酸素系漂白剤と食器用中性洗剤を1:1の割合でかけて水をたらす
- 扉1面の掃除に対し、洗剤をそれぞれ15gずつかけるくらいを目安とする
- キッチンペーパーをかぶせて放置
- 洗剤と水を混ぜた上からキッチンペーパーをかぶせてパックし、10分ほど放置する
- スポンジで汚れを擦る
- 時間が経ったらキッチンペーパーを剥がし、スポンジで汚れを落とす
- 水拭きを行う
- 漂白剤や洗剤の成分が残らないよう、しっかり何度か水拭きする
最後に、水滴が残らないよう乾拭きもしたら、しっかり乾燥させて部品を元通りに戻しましょう。
重曹やセスキ炭酸ソーダは使える?
油汚れや焦げつき、食べカスなどの汚れは酸性の性質を持っていることから、重曹やセスキ炭酸ソーダを使って掃除することもできます。掃除方法は簡単で、それぞれ水に溶かしてスプレーを作り、汚れに吹きつけて水拭きと乾拭きをするだけです。
ただし、オーブントースターの内部や部品にはアルミ素材が使われていることが多く、アルミ素材は重曹やセスキ炭酸ソーダと反応して変色することがありますので、注意が必要です。取扱説明書を読んでアルミ素材でないことを確認するか、アルミ素材に重曹やセスキ炭酸ソーダを使いたい場合は吹きかけたらすぐに拭き取り、成分の拭き残しがないよう気をつけましょう。
オーブントースター掃除の注意点と汚れを防ぐ対策は?
前章の最後にも触れましたが、オーブントースターの掃除で最も気をつけることは「アルミ製品に重曹やセスキ炭酸ソーダを使わない」ということです。もし、どうしても落ちない焦げつきに対して使う場合は吹きつけたらすぐに拭き取ったり洗い流したりして、成分が残らないようにしましょう。
また、他にも掃除の際には以下の2点に注意が必要です。
- 使用直後には掃除しない
- 使用直後は熱がこもっている状態なため、庫内は非常に高温でやけどしやすい
- 特に、ヒーターなどをうっかり触ってしまうと危険なため、必ず庫内が冷えてから掃除を行う
- ヒーターは優しく
- ヒーター部分は繊細なので、決して強く擦らない
- 力が加わるとひび割れの原因にもなりかねないため、優しく拭き上げる
また、そもそも掃除の手間を軽減するためには、こまめなお手入れも重要です。パンくずや食べカス、油汚れなどはついてすぐサッと掃除してしまえば焦げついたりこびりついたりしにくいため、こまめに拭いたり取り除いたりしておきましょう。とはいえ、使った直後はトースターが熱いですから、手で触れるぐらいの温度に下がってから掃除するのを忘れないようにしましょう。
トレーを取り外せるタイプのトースターの場合、1日使い終わったらトースター本体から取り出して食器などと一緒に洗ってしまえば清潔な状態を保ちやすくなります。このときも食器用中性洗剤とスポンジで食器と同じように洗えば良いでしょう。また、洗い終わった後は水気をよく拭き取り、乾燥させてからトースター本体にセットしておきましょう。
オーブントースターにアルミホイルを敷いて汚れ防止!
トースターの受け皿にアルミホイルを敷いておくと、より掃除が楽になります。普通に使っていると受け皿にパンくずや食べカス、油汚れなどがつくのはどうしても避けられませんが、受け皿にあらかじめアルミホイルを敷いておけば、ゴミがある程度溜まったらアルミホイルごと捨ててしまえば良いだけなので、掃除の手間が大きく省けます。
また、チーズトーストなどを焼くときには表面にシリコン樹脂加工がされているようなフライパン用ホイルを網の上に敷いてから焼くと、パンくずやチーズがオーブントースターに落ちずに済みます。焦げつきや油汚れも大幅に減らせますので、掃除の回数も減らすことができるしょう。
さらに、最近では繰り返し洗って使えるオーブントースター用のプロテクトシートなども販売されています。パンくず受けやヒーターの下に敷いて使え、発火燃焼しない素材を使っていることやフッ素加工がされていることから、安心で簡単にお手入れできます。ただし、ゴミが溜まりすぎると発火の原因になることがありますので、溜めすぎないよう気をつけましょう。
揚げ物をあたためるときに衣や油が落ちるのも、このアルミホイルやプロテクトシートで防げます。取扱説明書に「揚げ物など油が出るものは受け皿なしで調理しない」というような注意書きがあるオーブントースターもありますし、オーブントースター用のさまざまなトレーも販売されていますから、ぜひ活用してみましょう。
おわりに:オーブントースターのしつこい汚れは、中性洗剤と酸素系漂白剤で落とそう
オーブントースターの汚れの原因は、パンくずなどの食べカスや食材の汁汚れ、油汚れや焦げ汚れなどがほとんどです。こまめに拭き取ったり洗って清潔な状態を保ったり、あらかじめアルミホイルを敷いて本体につかないようにしたりしておきましょう。
頑固な油汚れや焦げ汚れなどは、酸素系漂白剤で分解して落としましょう。重曹やセスキ炭酸ソーダも使えますが、アルミは変色してしまう可能性がありますので、注意が必要です。
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