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冷蔵庫掃除の基本 ― 全体の流れと場所別の汚れの落とし方

冷蔵庫を掃除している女性 お掃除のコツ

買いだめした野菜や肉、魚などの食材や、卵や牛乳など常温で保存しておくと傷みやすい食材を保管しておくために、冷蔵庫は欠かせません。冷蔵庫内部は常に温度が低く保たれているため、雑菌は繁殖しにくいのですが、やはり長期間使っていると汚れも出てきます。

また、冷蔵庫の上部や下部など外側はキッチンからの油汚れやホコリ、ゴミなどが溜まりやすい場所です。定期的に掃除して清潔を保ちましょう。

冷蔵庫の掃除のときに用意しておくものは?

冷蔵庫の掃除を始める前に、まずは必要な道具を準備しておきましょう。必ず用意するものは、以下のアイテムです。

  • 食器用スポンジ
  • タオル、布
  • キッチンペーパー
  • サランラップ
  • スプレーボトル
  • 霧吹き

また、以下のようなアイテムもあると便利です。必要に応じて準備しましょう。

  • キッチン用のウェットシート
  • 割り箸など、捨ててもいい細く棒状のもの
  • 綿棒
  • ガーゼ
  • 輪ゴム
  • いらないストッキング
  • 針金ハンガー
  • 伸びるクイックルワイパー
  • 脚立

冷蔵庫の掃除に使う洗剤はどれがいい?

冷蔵庫、とくに内部の掃除に使う洗剤は「食品を入れる場所だからこそ清潔に、洗剤できっちり掃除するのがいい」という意見と、「食品を入れる場所なのだから、口に入っても無害なクエン酸や重曹で」という意見の両方があります。冷蔵庫にとってどちらの方が良い、ということはありませんので、どちらを使っても構いません。ただし、洗剤を使う場合は後に残らないよう、最後にしっかり水拭きをしましょう

それぞれの洗剤の特徴は、以下のようになっています。

食器用洗剤
  • 食品の油汚れや、手垢などの皮脂汚れを落とせる
  • 界面活性剤が含まれているため、本来は混ざらない油と水を混ぜて汚れを落とせる
クエン酸
  • 重曹と同じく自然界にある物質からでき、食品添加物にもなるほど安全
  • 酸性なので、水アカなどのアルカリ性の汚れを落とし、消臭・除菌もできる
重曹
  • クエン酸と同じく自然界にある物質からでき、食品添加物にもなるほど安全
  • 弱アルカリ性で油や皮脂汚れを落とし、消臭・除菌・漂白・カビの繁殖抑制になる

食器用洗剤はそれぞれの用法を守って使いますが、重曹はお湯100mLに小さじ1杯を混ぜて、クエン酸は水200mLに小さじ1杯を混ぜて作ります。上記のほか、セスキ炭酸ソーダ(水100mLに小さじ1/2杯)水や、アルコールスプレーなども用意してあるとさまざまな汚れに対応できます。

冷蔵庫の掃除はどういう流れですればいいの?

冷蔵庫の掃除は、以下のような流れで行います。

準備
  • 電源が入ったまま掃除をすると、開け閉めのたびに温度を下げようと電力消費が激しくなる
  • そのため、冷蔵庫全体の掃除をするときは、必ず電源を切ってから行う
  • とくに夏場はドアの開閉で内部の温度は1〜2度も上がってしまう
食材の整理
  • 冷蔵庫の中に入っているものをすべて取り出し、消費期限・賞味期限が切れているものを捨てる
  • 冷凍食品や生ものは、保冷剤と一緒に保冷バッグやクーラーボックス、ダンボール箱などに保管する
  • ※消費期限…表示されている保存方法に従って保存したとき、安全に食べられる期間
  • ※賞味期限…表示されている保存方法に従って保存したとき、品質が変わらず、美味しく食べられる期間
トレイやケースを外して洗う
  • 冷蔵庫内の取り外せるパーツをすべて取り外し、食器洗い用洗剤とスポンジで洗い、よく乾かす
  • 乾いたら、市販のアルコール除菌スプレーをかけて除菌する
製氷フィルターを水洗いする
  • 給水タンクや浄水フィルターを水洗いする
  • タンクの底やフィルターはとくにぬめりや水アカが発生しやすいので、こまめに洗う
  • フィルターの寿命は3〜4年なので、氷のニオイが気になったりフィルターが黒く汚れてきたりしたら新しいフィルターに交換する
冷蔵庫の内側
  • 洗剤や重曹水などをつけた布で内側の汚れを拭き取る
  • 汚れから発生する細菌を増殖させないよう、必ず新品か清潔な布を使う
  • 汚れが拭き取れたら、乾いた布巾で乾拭きし、仕上げに除菌スプレーをかける
  • 野菜くずが多い野菜室や、ドアポケットはとくに雑菌が発生しやすいので、念入りに掃除する
  • ゴムパッキン部分は、綿棒や歯ブラシで汚れを取る
冷蔵庫の上
  • 油汚れとホコリが混じっているので、重曹スプレーやセスキ炭酸ソーダスプレーをかけ、汚れを拭き取る
  • 仕上げに除菌スプレーを吹きかけ、乾拭きする
冷蔵庫の正面・側面
  • 手アカなどの皮脂汚れや油汚れなので、これも重曹スプレーやセスキ炭酸ソーダスプレーで汚れを拭き取る
  • 仕上げに除菌スプレーを吹きかけ、乾拭きする
冷蔵庫の下
  • 最後に、冷蔵庫の下部の汚れを掃除する
  • カバーを外してホコリやゴミを取り除き、カバーを閉じる
  • カバーは食器用洗剤で洗い、乾かすかタオルで拭き、元に戻す

上記のように、冷蔵庫の掃除は基本的に内→外、上→下の順に行います。また、内部をより清潔に保ち、冷蔵庫全体の掃除を楽にするため、日頃から以下のようなことに気をつけておきましょう。

  • 庫内の温度は10度以下、冷凍庫は-15度以下に保ち、細菌の増殖を抑える
  • 魚や肉は容器や保存袋に入れ、他の食材に触れないようにする
  • 冷気の循環を妨げないよう、冷蔵庫に入れる食材は保存スペースの7割程度にする
  • 食材のカスや液だれなどの汚れは、その都度拭き取る

冷蔵庫の細かい部分に汚れが溜まったり、長期間掃除をしていなかったりすると、汚れがこびりついてしまう場合もあります。そのような事態にならないためにも、汚れに気づいたらすぐに拭き取っておく習慣をつけましょう。

冷蔵庫の場所別の掃除のコツとは?

最後に、冷蔵庫の掃除のコツを場所別に詳しく見ていきましょう。

冷蔵庫の中の掃除のコツとは?

冷蔵庫の中は、飲み物や調味料がこぼれたり、食品や野菜くずなどがついていたりするため、食器用洗剤・重曹水・セスキ炭酸ソーダ水などを使って掃除します。重曹水とセスキ炭酸ソーダ水はいずれもアルカリ性ですが、セスキ炭酸ソーダの方が強いアルカリ性で汚れが落ちやすいため、ひどい汚れにはセスキ炭酸ソーダを使いましょう。

重曹水やセスキ炭酸ソーダ水で掃除する場合、以下の手順で行います。

  1. 冷蔵庫の中に重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を直接スプレーし、タオルや布で拭き取る
  2. 汚れが落ちない場合、スプレー後にキッチンペーパーで覆い、その上からしっかり濡れるまでさらにスプレーする
  3. スプレー後、キッチンペーパーの上にサランラップをかぶせて乾燥するのを防ぐ
  4. 汚れが中和されて落ちやすくなるまで、30分〜1時間程度放置する
  5. 時間が経ったらキッチンペーパーとサランラップをはがし、タオルや布で拭き取る
  6. 水分が足りなければ、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を追加でスプレーする
  7. すべて拭き取ったら、最後にアルコールスプレーを吹きかけて除菌し、乾拭きをして終了

食器用洗剤を使う場合は、以下の手順で行います。

  1. 水を含ませてしっかり絞ったタオルや布に食器用洗剤を1〜2滴たらし、タオルや布をこすり合わせてなじませる
  2. 洗剤をなじませたタオルや布で、冷蔵庫の中を拭き掃除する
  3. 食器用洗剤がついていないタオルや布を水で濡らしてしっかり絞り、洗剤を拭き取る
  4. 最後にアルコールスプレーを吹きかけて除菌し、乾拭きをして終了

食器用洗剤で拭き掃除をしていてどうしても落ちない汚れがある場合、霧吹きやスプレーボトルに少量の食器用洗剤と多めの水を入れてよく振り、汚れている場所にスプレーしてキッチンペーパーで覆い、10分くらい待ちます。10分経ったら食器用洗剤をなじませたタオルや布でもう一度拭きましょう。

冷蔵庫のパーツの掃除のコツとは?

冷蔵庫のパーツも、中と同じように食器用洗剤・重曹水・セスキ炭酸ソーダ水などを使って掃除します。外せないパーツは、冷蔵庫の中と同じように食器用洗剤なら食器用洗剤、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水ならそれだけを使って掃除しましょう。

外した細かいパーツはシンクで洗い、野菜ケースなどのシンクに入り切らない大型のパーツはお風呂場で洗いましょう。基本的には食器用洗剤をスポンジにつけて洗いますが、汚れがこびりついてとれない場合はつけ置き洗いをします。その後、水で洗剤をよく流し、アルコールスプレーをかけて除菌した後、乾拭きをして冷蔵庫内に戻します。

冷蔵庫の製氷機の掃除のコツとは?

製氷機は冷蔵庫内部と違って水しか入れないので、汚れるイメージがない人もいますが、水が入りっぱなしになっている時間が長い分、カビやニオイが発生しやすい場所でもあります。長期に渡って掃除をしていないと、不衛生な氷を飲み物や食べ物に触れさせてしまいますから、定期的に掃除を行いましょう。

まずは、洗剤などを使わず給水タンクをタオルまたは食器用のスポンジでやさしく拭き掃除します。このとき、ゴシゴシ擦って給水タンクに擦り傷がついてしまうと、その傷の溝にカビが発生してしまいますので、とくに注意しましょう。

貯氷ケースや製氷皿を取り出したら、食器用洗剤と食器用のスポンジで洗います。これもゴシゴシ擦らないよう気をつけましょう。給水パイプは、タンクの中に水300mLと食用のクエン酸を10g入れてよくかき混ぜ、氷を作ることで掃除します。このときできた氷は汚れていますので、食べたりせずそのままシンクに捨てましょう

関連記事:自動製氷機の掃除方法 ― 汚れ、カビ、ニオイの対処法とは?

冷蔵庫のゴムパッキンの掃除のコツとは?

冷蔵庫のゴムパッキンとは扉の内側についているゴム部分のことで、意外と掃除の際に見落としがちな部分です。しかし、ドアを開け閉めするときにホコリやゴミがつきやすい部分でもあり、掃除をしないで放置したままでいるとカビが発生してしまうことがあります。綿棒などを使い、定期的に掃除を行いましょう。

使うのは、綿棒か割り箸の先にガーゼを巻きつけ、輪ゴムで固定したものです。そのガーゼに重曹水・セスキ炭酸ソーダ水・食器用洗剤のいずれかをつけて拭き掃除を行います。汚れがとれたら水拭きを行い、最後にアルコールスプレーを吹きかけ、乾拭きしましょう。

冷蔵庫の正面と側面の掃除のコツとは?

冷蔵庫の正面や側面はしょっちゅう手で触れる場所ですから、手アカはもちろん油やホコリ、雑菌などがついて汚れてしまいます。これらは基本的に重曹水やセスキ炭酸ソーダ水で落とすことができますが、手アカや油汚れがひどくてセスキ炭酸ソーダ水でも落ちないときは食器用洗剤を使いましょう

具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. 冷蔵庫の正面や側面を、タオルで水拭きする
  2. 重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を、冷蔵庫の正面や側面にスプレーする
  3. 汚れが取れたら、水拭きで重曹やセスキ炭酸ソーダを拭き取る
  4. 最後にアルコールスプレーをかけ、乾拭きして終了

食器用洗剤を使う場合は、冷蔵庫の中の掃除と同じように、水を含ませてしっかり絞ったタオルに食器用洗剤を1〜2滴たらし、タオルを手でこすり合わせてなじませます。後は、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水の場合と同じように掃除しましょう。

冷蔵庫の上部の掃除のコツとは?

冷蔵庫の上に人間の手が触れることはほとんどありませんので、主な汚れはホコリや油汚れです。そのため、基本的には重曹水やセスキ炭酸ソーダ水で掃除をしますが、冷蔵庫をコンロの近くに置いていてとくに油汚れがひどいという場合には、食器用洗剤で掃除しましょう。具体的な手順は、以下のようになっています。

  1. 脚立を用意し、掃除がしやすい場所にしっかり立てる
  2. 水を含ませたタオルをしっかり絞り、脚立に登って水拭きをする(キッチン用のウェットシートでもOK)
  3. 重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を冷蔵庫の上にスプレーし、タオルで拭き取る
  4. 水を含ませたタオルをしっかり絞り、重曹やセスキ炭酸ソーダを拭き取る
  5. 最後に、アルコールスプレーをかけて除菌する(しなくてもOK)

冷蔵庫の上は食品が置かれる場所ではありませんので、最後のアルコールスプレーや乾拭きは必須ではありません。食器用洗剤を使う場合は、冷蔵庫の中の掃除と同じように、水を含ませてしっかり絞ったタオルに食器用洗剤を1〜2滴たらし、タオルを手でこすり合わせてなじませます。後は、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水の場合と同じように掃除しましょう。

冷蔵庫の下の掃除のコツとは?

冷蔵庫の下は、ホコリやゴミが溜まりやすい場所です。ホコリやゴミが溜まっていると、ゴキブリのエサになりやすく不衛生ですので、定期的に掃除をしてキレイにしておきましょう。また、掃除の前には針金ハンガーを細長くしたものに要らないストッキングを被せて「ホコリキャッチャー」を作っておきます

準備ができたら、以下の手順で掃除を行います。

  1. 冷蔵庫の下にあるカバーを外し、食器用洗剤で洗って乾かすか、タオルで乾拭きする
  2. ホコリキャッチャーを太ももなどでこすり、静電気を起こす
  3. ホコリキャッチャーを冷蔵庫の下に入れ、ホコリやゴミを吸着させて取り出す
  4. ストッキングを捨て、針金は再利用するため取っておく
  5. 最後に、カバーを元の位置に戻す

ホコリキャッチャーの代わりに、伸びるクイックルワイパーなどを使っても構いません。その場合は静電気を起こす必要はありませんので、ドライシートをそのまま使いましょう。

おわりに:冷蔵庫は食材を保管する大切な場所。定期的な掃除で清潔に

冷蔵庫は買ってきた食材を調理するとき、または直接食べるときまで保管しておく場所です。煮たり焼いたりするものばかりではなく、生野菜やチーズなどのようにそのまま食べるものもしまっておきますから、いつも清潔にしておかなくてはなりません。

ゴムパッキンや製氷機など、忘れやすい場所にも注意しましょう。冷蔵庫の上や下にアルコールスプレーをかける必要はありませんが、手で触れる正面や側面にはアルコール消毒をします。

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