朝の身だしなみや夜の歯みがき、外出後の手洗い・うがいなど、1日のうちに何度もお世話になる洗面所は、それだけ汚れやすい場所とも言えます。キッチンや浴室と同じように、毎日掃除することで清潔を保ちましょう。
この記事では、毎日の洗面所の掃除のコツを始め、あると便利なグッズや場所別の基本的な掃除方法をご紹介します。基本をしっかりおさえ、毎日の掃除を上手に済ませましょう。
洗面台の毎日の掃除のコツは?
洗面所の汚れは、その用途上、水分を含んだものが多くなります。ですから、そのまま放置していると水アカのように跡になってしまうのです。洗面所の清潔を保つためには、毎日こまめな清掃を欠かさないようにしましょう。
例えば、洗面ボウルの横にクロスやスポンジなどを常時置いておき、濡れたり汚したりしたときにはサッと拭けるように準備しておくと良いでしょう。水アカ・石鹸・洗顔料などが跳ねてしまったら、すかさずサッと拭いて汚れを放置しないようにするのです。
また、1日が終わったら洗面ボウルにお湯(お風呂の残り湯でOK)を溜め、クエン酸を入れてかき混ぜ、溶かしておきます。一晩放置し、翌朝クエン酸水はそのまま流してしまって構いません。最後に水で流せば、気になる洗面ボウルのザラザラがなくなります。
洗面台の掃除で注意することはある?
洗面台の掃除で注意することは主に「力強くゴシゴシ磨きすぎない」「缶を同じ場所に長期間置かない」という2点です。洗面台は基本的に傷つきにくい丈夫な材質でできているのですが、あまりに強くゴシゴシ磨くと傷がついてしまいます。金属やプラスチック製のものでなくても、タオルの角などの硬い部分でも傷つくことがありますので、注意しましょう。
また、洗剤や化粧品などは缶に入っているものもありますが、これらを洗面台に長期間置きっぱなしにしておくと湿気で錆びてしまい、洗面台に赤茶色の跡が残る可能性があります。カウンターに置いたものは一週間に一度、全部どかして拭き掃除をするようにしましょう。
洗面台の掃除であると便利なものは?
洗面所の掃除では、以下のようなものがあると便利です。
- 古くなった歯ブラシ
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- 細かい部分や穴部分の汚れを落とすために使う
- 蛇口やボウルのオーバーフロー穴を洗うためのもの、排水口用、棚用と使い分けるのがおすすめ
- ナイロンタオル
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- お風呂で身体を洗うときに使うタオルが古くなったものでOK
- 細長い形を利用して、蛇口に巻いて洗うとよい
- 水拭き用布
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- 毛羽立たないタイプの布を使い、できれば常に洗面台の近くに置いておく
- 鏡に水が跳ねたなど、サッと水拭きする習慣をつけると清潔を保ちやすい
- スポンジ
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- 洗面ボウル部分の水アカや石鹸カスを取るのに便利
- 棚に広い面積があるという場合にも使える
- ※樹脂製の部分を磨くときは、固い部分でなく柔らかい部分で磨く
- マイクロファイバータオル
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- 眼鏡などを拭く布のこと
- 鏡や蛇口などを掃除した後、最後の仕上げに使うとよい
- 重曹水(スプレー)
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- 水100mLに対し、小さじ1杯の重曹を入れて作る
- 排水溝などの汚れがしつこい場合は、直接重曹を排水口にふりかけ、その上から重曹水スプレーをかけるとよい
- クエン酸(スプレー)
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- 水100mLに対し、小さじ1/2杯のクエン酸を入れて作る
- 水アカを分解するほか、消臭・除菌効果も期待できる
洗面所は、水が跳ねたり石鹸や洗剤が跳ねたりと、小さい汚れが積み重なって頑固な汚れになってしまうことが多いです。そのため、汚れたときにはサッと拭き取れるよう、水拭き用の布を1枚用意しておくと良いでしょう。また、眼鏡拭きに使われるマイクロファイバータオルは、鏡や蛇口を最後にピカピカにするのに役立ちます。
洗面台の汚れの原因と場所別の掃除方法とは?
洗面所を掃除する場所別に4つに分けると、「洗面ボウル」「鏡」「蛇口」「排水口」があります。他にも歯ブラシや洗剤のストックを入れておく収納や、照明器具、壁、床などもありますが、まずは最初に挙げた4ヶ所をキレイにしておくと、清潔も保てますし洗面所をパッと見たときにキレイに見えます。そこで、この4ヶ所それぞれの汚れの原因と掃除方法について見ていきましょう。
洗面ボウルの汚れの原因と掃除方法って?
洗面ボウルは、種類によって樹脂・金属・石などさまざまな材質がありますので、まずは掃除の前に推奨される掃除方法や使ってもいい洗剤について、説明書を読んでみたり、製造したメーカーに問い合わせたりしましょう。使う洗剤の種類によっては、洗面ボウルが溶けてしまったり、傷ついてしまったりする場合もあります。
説明書や製造メーカーがわからないという場合は、洗剤に書いてある説明書を確認します。洗剤には使用できる材質とできない材質が書かれていますので、洗面所の材質に使える洗剤を選びましょう。もし、材質もよくわからなくて不安な場合は、まず洗面ボウルの端の方で少しテストします。洗剤をつけてから30分程度経っても溶けたり変色したりしなければ、まず問題ないと考えて良いでしょう。
一見キレイに見えていても、手で触ってみるとザラッとしている場合は、汚れが溜まっています。洗面ボウルにつく汚れは主に水アカ、石鹸・洗顔料・整髪剤・化粧品などの化学製品の汚れ、皮脂汚れや食べ物のカスなどがあります。また、水アカと石鹸カスが合体したり、雑菌と皮脂汚れが合体したりと混ざっているタイプの汚れも多く見られます。
さらに、これらの汚れをエサにして雑菌やカビが繁殖します。お風呂場にも発生しやすいピンク色のヌルヌルとした汚れは「ロドトルラ」という酵母で、これが発生するとその後に黒カビが現れます。ですから、ピンク色の発生してしまった部分はより念入りに掃除しましょう。
水アカはアルカリ性なので酸性の洗剤やクエン酸を使い、皮脂汚れは酸性なのでアルカリ性の洗剤や重曹を使います。ただし、これらの洗剤を同時に使うと効果を打ち消し合ってしまうため、必ずどちらかのタイプの洗剤を使い終わって、水でよく流してからもう一方の洗剤を使いましょう。金属や石でできている洗面ボウルの場合、お風呂用のクリームクレンザーで洗うと、水アカがよく落ちます。
洗面ボウルの上の方にある、水が溜まりすぎて溢れるのを防ぐための穴は、使用済みの歯ブラシなどでこすると良いでしょう。穴の中がカビているようであれば、カビ用の洗剤や塩素系の漂白剤をスプレーしましょう。ただし、これらの洗剤は刺激臭がしますので、必ず換気を行いながら作業します。
鏡の汚れの原因と掃除方法って?
鏡の汚れは、顔を洗ったりうがいをしたりしたときの水跳ねによる水アカ、歯みがき粉やうがい薬などの薬品や洗剤の跳ね、下の部分や横の部分のカビが主です。特殊加工の鏡やエコミラーなどの材質の鏡でなく、ごく一般的な鏡であれば、ほとんどの汚れはガラス用クリーナーで落とすことができます。鏡全体をキレイに拭けるよう、洗面ボウルの周りに置いてある歯ブラシ、コップ、石鹸、コスメなどはあらかじめどかしておきましょう。
加工してある鏡やエコミラーなどの場合、ガラス用のクリーナーや研磨剤入りの洗剤を使ってしまうと、細かいキズが無数についてしまい、最悪の場合は鏡として使えないほどのダメージを受けてしまいます。そこで、これらの場合は食器用洗剤を水で5倍程度に薄めたものを使いましょう。
薄めた洗剤を布につけ、汚れた部分を中心に鏡を拭いていきます。このとき、照明が暗いままだと鏡の汚れもわかりにくくなってしまいますので、できれば照明カバーや蛍光灯なども水拭きしておくと良いでしょう。
蛇口の汚れの原因と掃除方法って?
蛇口がピカピカだと、出てくる水もキレイな気持ちがするものですが、どうしても水アカでうろこ状の跡がつきやすい部分でもあります。同時に、毎日何回も手で触る場所ですから、手アカや皮脂汚れもたくさんつきます。さらに、手を洗った後は蛇口についた石鹸を流さないと、石鹸カスもついてしまいます。
手アカは酸性の汚れ、石鹸カスや水アカはアルカリ性の汚れですから、アルカリ性の洗剤と酸性の洗剤の両方を順番に使って落とします。また、外から帰ってきたときに泥や土、油で汚れた手で蛇口を触ってしまった場合、さっと洗ったり流したりしただけでは汚れが落ちないこともあります。このようなときは、研磨剤の入ったクリームクレンザーを使いましょう。
ただし、蛇口の材質によっては、使えない洗剤があることもありますので、洗面ボウルと同様、説明書や製造メーカー、洗剤の裏の説明書きなどをよく読んで、材質に合った洗剤を使いましょう。材質に合わない洗剤を使うと、色が薄くなったりはげたり光沢がなくなったりしてしまうこともあります。とくに、樹脂製のものは強い洗剤で傷つきやすいので注意しましょう。
蛇口の裏側や後ろの部分は、見えにくいこともあってゴミやホコリが溜まりやすくなっています。とくに、あまり掃除をしていないとカビが発生していることもありますので、定期的に手鏡を使って蛇口の裏側や後ろの汚れを確認してみましょう。
蛇口の下に白いかたまりがある場合、水アカが固まったものだと考えられます。このように固まってしまった水アカは洗剤やスポンジでは落ちませんので、耐水性のサンドペーパーを水で濡らし、削り落とします。番号が少ないほど荒くざらざらしていて、番号が多いほど細かい目になっていますので、最初は1500番程度のもので試してみましょう。
耐水性サンドペーパーでも落ちないほどの頑固な水アカの場合、軽石で削ってみると良いでしょう。お風呂で使っている軽石で構いませんが、力を入れすぎて思わず蛇口の本体を擦ってしまうと蛇口に傷がついてしまいますので、十分気をつけながら削ります。
シャワーヘッドがある蛇口の場合、中のホース周辺がカビていることがあります。最初に中性洗剤で洗ってみて、カビが落ちなければカビキラーや塩素系漂白剤をスプレーしましょう。これらのカビ取り洗剤は強力でニオイも強いものが多いため、必ず換気をしながら使います。また、使い終わった後はよく水で流しましょう。
とくに、蛇口やシャワーの穴に薬品が入ってしまうこともあります。カビキラーや塩素系漂白剤などの洗剤を使った後は、蛇口からもシャワーからも水を出し、入ってしまった洗剤を流してしまうようにしましょう。
排水口の汚れの原因と掃除方法って?
排水口の汚れの原因は、髪の毛・食べ物のカス・皮脂汚れ・石鹸カスなどさまざまな汚れが混ざっています。さらに、それらをエサにした雑菌が繁殖していることもあります。雨の前の日など、排水口からイヤなニオイがしてくるという場合は、ぜひ排水口の掃除をしましょう。
まずは、排水口の栓や、髪の毛などのゴミを絡め取るヘアキャッチャーを掃除します。洗剤で摂れない汚れがあれば黒カビかもしれませんので、黒っぽい汚れがあれば塩素系漂白剤を水で薄めたものにしばらくつけておきましょう。
栓やヘアキャッチャーを外して排水管が見えてきたら、細い専用ブラシで洗っていきます。100円ショップなどでも売っていますので、買っておきましょう。この時に使う洗剤は、排水管の材質によって異なります。樹脂製の排水管の場合は、強い塩素系の漂白剤を流し続けると樹脂が傷んでしまいますし、金属でできている排水管の場合は、酸性の洗剤に弱い性質があります。洗面ボウルや蛇口と同じように、掃除する前に排水口の説明書をよく確認しておきましょう。
水の流れが良くないと思ったらどうする?
水の流れが前よりも悪くなったと感じるときは、排水管の中に汚れが溜まっている可能性があります。水の流れを良くするためには、配管洗浄剤で溶かす方法と、中に詰まっているものを細い棒状のもので掻き出す方法の2つがあります。配管洗浄剤を使う場合は、非常に強い薬品ですから、十分に換気しながら使いましょう。
中に詰まっているものが汚れではなく、指輪・コンタクトレンズ・おもちゃ・コスメのフタなどのようなものの場合、薬品では分解できません。中から引っ張り出さず放置していると、もっと奥が詰まってしまい、工事を行わなくてはならなくなる可能性もあります。ワイヤーやトゲトゲスティックなどのグッズも100円ショップやホームセンターなどに売っていますので、ぜひ探して早いうちに取り出しておきましょう。
おわりに:洗面所は毎日の身だしなみを整える場所。こまめに清潔を保とう
洗面所は洗顔・歯みがき・手洗い・うがいと、毎日の清潔や身だしなみを整える場所です。こまめに拭いたり1日の終わりにクエン酸を溜めておいたりして、清潔を保ちましょう。また、缶に入っているコスメなどは定期的に動かすことも大切です。
鏡や蛇口、排水口までしっかり洗う場合は、材質によって使える洗剤や道具が異なりますので、説明書などをよく確認しましょう。強い洗剤を使う場合は、十分な換気も必要です。
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